5 月 18 日, 2012
初期の大腸癌は内視鏡治療(ポリープ切除)で完治します。一方、進行した大腸がんは外科的手術が必要です。内視鏡治療か手術か、その境目になるのが「smがん」です。smとは「粘膜下層」という意味です。
大腸の壁は、内側から、①粘膜 ②粘膜下層 ③筋層 ④漿膜下層 ⑤漿膜 の5層構造になっています。①と②の境には「粘膜筋板」といわれる薄い筋肉の層があります。
がんの深さが①②までにとどまっている時を「早期がん」といいます。①であれば内視鏡治療を選択します。粘膜内にがんが留まっていれば、内視鏡治療で完治します。絶対にリンパ節転移はありません。欧米では「粘膜内がん」はがんとして扱いません。そういえば、外資系のがん保険では「粘膜内がんを除く」という条件を時々目にします。
がんが③④⑤(進行がん)であれば、外科手術が必要です。
問題は②です。粘膜下層を3等分して、上から順にsm1, sm2, sm3と呼びます。がんが1/3までの深さ(sm1)ならば転移がまずないため、内視鏡治療で良いのですが、がんが深ければ(sm2またはsm3)、10%程度のリンパ節転移があるために手術をした方が安全です。
以上が、内視鏡治療か外科治療かのアウトラインです。次回は、もう少し、深く掘り下げてみましょう。
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5 月 15 日, 2012
アメリカのプロ野球(メジャーリーグ・ベースボール)をテレビで見るのが好きです。イチローの所属しているシアトルマリナーズを応援しています。今年は、岩隈(楽天)と川﨑(ソフトバンク)も加わり、楽しみが増えました。
テレビ観戦に欠かせないのが、「メジャーリーグ・選手名鑑」です。毎年春先に出版され、選手の国籍、過去の成績、年俸などの他にも面白いエピソードが書かれています。この本を片手にテレビ観戦しています。
中継の合間は、この本を使って、過去にシアトルマリナーズに所属した選手のその後の活躍ぶりをチェックしています。
ベルトレイ選手(3塁手)は、マリナーズの4番打者として5年間所属していましたが、さっぱり打てませんでした。現在はテキサスレンジャースの主砲として大活躍しています。
アダム・ジョーンズ選手(センター)は、マリナーズがドラフト1順目で指名した選手です。「今年こそ開花するはず」と何年も辛抱して育てていたのですが、とうとうあきらめて、オリオールズにトレードに出した途端、ガンガン打ちまくり、今ではオリオールズの4番バッターに成長しました。
ピッチャーでは、シェリル(オリオールズ)、モイヤー(フィリーズ)、ソーントン(ホワイトソックス)、ソリアーノ(ヤンキース)などなど。キリがありません。
他球団での活躍を少し恨めしい思いでチェックしています。
【おまけ】セーフコフィールド(マリナーズのホーム球場)のライトスタンドの最前列に「イチメーター」があるのをご存知ですか?イチメーターとは、イチローのヒットの数を表示している手作りの掲示板です。これを持参している女性の方が、イチローがヒットを打つと嬉しそうにダンスしながら数字のボードを入れ替えるのですが、そのダンスがとっても可愛いです。イチメーターを12年も続けることもスゴイことですね。
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5 月 11 日, 2012
先日、勤務医時代から10年近く通院して頂いている患者さんから「私も年を取ったし、このクリニックまで通うのが難しくなってきました。クリニックの患者さんも増えてきた様子だし、もう私が来なくても大丈夫だから、近所の医療機関に変わりたいと思います。」との申し出がありました。
嬉しいような、悲しいようなお話です。この患者さんは、開業した私のことを心配して、少しでも助けてあげようと思って、わざわざ遠い所からか通って来てくださったのですね。そんな親心で通院してくださっていたとは考えが及びませんでした。
10年もお付き合いをしてきた患者さんと別れるのはさみしいのですが、その患者さんが「クリニックは大丈夫」と太鼓判を押してくださったのですから、喜ばなければいけませんね。
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4 月 24 日, 2012
日本では子供の数よりペット(犬・猫)の数の方が多くなりました。ペットを飼っているために起こる病気についてご紹介します。第3回目はエキノコックスです。
北海道に生息するキタキツネ。このキタキツネの2匹に1匹はエキノコックス(寄生虫)が感染しており、その卵が人の口から体内に運ばれると、腸で卵から成虫に成長します。そして、主に肝臓で発育し症状を引き起こします。症状が出るまでに数年かかりますが、肝臓ガンと似た症状がでます。
野生のキタキツネには近づかないでください。また、観光地で人に馴れたキタキツネにえさを与えた場合、その後でよく手を洗ってください。
確か、ブラックジャックに「エキノコックス」の話が出ていたことを思い出し、数百話以上ある中から見つけ出しました(かなり時間を要しました)。タイトルは「ディンゴ」でした。『キャプテン・クックが初めてオーストラリア大陸に上陸した時に犬を連れていったのが野生化し、「ディンゴ」と名付けられた。』というくだりで物語は始まります。オーストラリアに手術に出かけたブラックジャックがエキノコックスに感染し、瀕死の状態に陥ります。誰もいない荒野で、しかも局所麻酔下で、自分の腹にメスを入れ、腸の中のエキノコックスを摘出します。あともう少しで手術が終わるという時にディンゴの群れがブラックジャックを襲ってきます。(続きはマンガを読んでくださいね。)
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4 月 21 日, 2012
日本では子供の数よりペット(犬・猫)の数の方が多くなりました。ペットを飼っているために起こる病気についてご紹介します。第2回目はオウムです。
オウム病で最も多いのはインコです。オウムやインコ、鳩などの鳥の排泄物、羽毛、糞便の埃(ほこり)を吸い込むことで感染します。オウム病の病原体であるクラミジアの保有率は20%程度と考えられています。ペット(鳥)の元気がない、食欲が低下した、羽根のツヤがない、緑色の下痢便をしている、などの症状は鳥自身がクラミジア感染を発病している可能性が高くなります。
オウム病は、1~2週間の潜伏期間の後、急な発熱、悪寒、咳、筋肉痛、などのインフルエンザ様の症状が出ます。風邪症状でクリニックを受診した際には、ペット(鳥)を飼っていることを申し出てください。
オウム病を予防するためには、鳥かごを清潔に保ち、鳥に触れた後は手を良く洗うことが必要です。また、口移しでえさを与えたり、一緒に食事をするなどの過剰な接触は避けた方が良いでしょう。
オウム病の原因菌はクラミジア・シッタシーです。なお、同じクラミジア属でも、性行為感染症をおこすのは、クラミジア・トラコマティスであり、鳥と関係なく肺炎を起こすのは、クラミジア・ニューモニアという別の菌です。
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4 月 19 日, 2012
風が吹いても痛むということから命名された「痛風」ですが、先日、ニュースで「尿酸の腸での吸収に関与する蛋白が同定された」と報じられていました。
高尿酸血症になる原因は、①尿酸の腎臓での排泄が悪くなる場合、②尿酸が多く作られる場合の2つあることが知られていました。しかし、私が研修医の頃から①か②のどちらかと明確に分けられるものではなく、何か別の要因の可能性が指摘されていました。30年近くが経ち、今回の新発見のニュースを聞いた時は、長年の疑問が解決されスッキリとした気持ちになりました。
昨年、40年ぶりに痛風の新しい治療薬が発売されました。このことからもわかるように、実は「痛風」を専門にしている医師は少ないのです。腎臓の機能低下を伴っていれば「腎臓内科医」が担当しますし、痛風発作で関節痛が出れば「整形外科医」が担当しますが、痛風そのものを専門にする医師はほとんどいません。
抗がん剤を大量投与した時に、がん細胞が壊れて急に尿酸値が異常に高くなることがあります(急性腫瘍融解症候群)。抗がん剤を良く使う「血液内科医」もまた高尿酸血症に詳しいのです。
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4 月 17 日, 2012
日本では子供の数よりペット(犬・猫)の数の方が多くなりました。
ペットを飼っているために起こる病気についてご紹介します。
第1回目はカメです。
食中毒の代表的な菌であるサルモネラ菌を、カメの50%~90%が持っています。
カメを触った手を良く洗わなかったり、カメの水槽を台所で洗った時に、水しぶきが人間用の食器に付いたりすることで、サルモネラ菌に感染することがおこります。腹痛・下痢でクリニックを受診した際には、必ず、カメを飼っていることを申し出てください。
なお、カメ以外にもイグアナからのサルモネラ菌感染が報告されています。
小さなお子さんがいるご家庭では、爬虫類をペットとして飼うことは望ましくないといえるでしょう。
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4 月 5 日, 2012
先日、医師会主催の勉強会がありました。講師は大学病院の産婦人科の先生で、『婦人科で診る腹痛』という内容でした。講演の最初に「産婦人科で診る腹痛だからといって、特別なことはありません。」と言われました(ちょっとガッカリ)。
「フィッツ・ヒユー・カーチス症候群」という疾患が内科医では「気をつけなければならない腹痛」として有名です。これは、性交渉などによるクラミジア感染の炎症が、子宮にとどまらず骨盤周囲まで波及し、強烈な腹痛を来たす病気です。肝臓の辺りまで痛くなることもあり、胆嚢炎と間違われることもあります。一昔前は「急性腹膜炎」と診断され、試験開腹されることもありました。現在は、まず腹腔鏡で観察し、肝臓の裏側に納豆が糸を引くような炎症所見を認めることでこの診断にいたるようになりました。
内科クリニックで本疾患を疑った時、一番の問題は患者さんにその可能性を説明することです。
確定診断のためには、子宮の入り口から分泌物を採取してクラミジア抗原を調べることが必要ですが、当院では血液中のクラミジア抗体を測定して判断しています。IgG抗体とIgA抗体の2つの抗体の組み合わせから感染の状態を推測します。治療は「ジスロマック」(2g)を1回飲むだけです。案外、簡単です。
なお、クラミジアは細菌ではないため、血液検査で白血球が増えないことがあります。白血球数が正常だから感染症ではないとは限らないのです。
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4 月 3 日, 2012
私の母親が入院したので、大学受験中の息子を連れて家族で見舞いに行きました。
母親は息子の顔を見るなり、「良かったな。良く頑張ったな。おばあちゃんも嬉しいわ。」と喜んでくれました。
「???」私達3人の頭の上にはハテナマークが。
「いやいや、発表は未だですよ。」って教えても良かったのですが、せっかくこんなに喜んでくれていることですし、息子もあえて何も言わずにニコニコしているだけだったので、そのまま、合格したことにしておくことにしました。
「並大抵の苦労やないで。これは、経験した者じゃないと分らない。」と言って涙ぐんでおりました。
きっと、30年以上も前の私の大学受験のことを思い出しているのでしょう。
息子には最大限の励みの言葉になったと思います。
いつの日か必ず、おばあちゃんの笑顔に答えたいと決心したはずです。
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3 月 26 日, 2012
今回の改訂で処方箋の書き方が変わりました。
これまでは、処方箋に薬の商品名を書いていたのですが、これからは、一般名を書けば、どこの製薬会社のものにするかは薬剤師さんが決めることになりました。このように変更された大きな理由は、薬局が同じ効能の薬でも沢山の違った製薬会社の薬を取り揃えておかなければならないため、在庫が大変だったそうです。それが、ジェネリック(後発品)への移行が進まなかった一因になっていたようです。
私にとっては、まったく意味のない商品名を覚える必要がなくなり、大変喜んでいます。一般名だけ記入しておけば、後は、薬剤師さんが一番薬価の安いジェネリック医薬品を選んでくれることでしょう。
医療制度はドンドン良い方向に向かっていますね。
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