2 月 1 日, 2012
「アミノレバンと高カリウム血症」
肝臓が機能不全状態に陥った時、精神状態や行動に異常を認めることがあり、「肝性脳症」といいます。
その治療のひとつに特殊アミノ酸製剤(商品名:アミノレバン)の点滴があります。
肝性脳症では肝臓に有用な分岐鎖アミノ酸の比率が低下しているため、分岐鎖アミノ酸を多く含んだアミノレバンを点滴するわけです。
その結果、脳症が速やかに改善されます。
毎日のように「肝性脳症」を繰り返す患者さんがおられました。
その都度、アミノレバンの点滴をおこなっていました。
速効性があるため、つい連用してしまっていたのです。2週間ほど経過した時、高カリウム血症を来たしました。
最初、なぜ高カリウム血症になったのか分りませんでした。
酸-アルカリ平衡を調べてみると、クロール(Cl-)が増え、重炭酸(HCO3-)が減少していました(HCO3- とCl-の和は一定なのです)。
HCO3-が減少すると、代謝性アシドーシスになります。
アシドーシスを補正しようと、血中のH+は細胞内に移動しますが、代わりに、K+が細胞内から血中に移動するために、高カリウム血症になったのです。
アミノレバンの成分表を確認してみると、1Lあたり、Na 14に対して、Cl 94とClの含有量が多いことに初めて気付きました。
安易にアミノレバンの点滴を繰り返したことを反省し、漫然と使うことは決してしないようにしました。
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1 月 28 日, 2012
「ピーエル」の名前でお馴染みの総合感冒薬は、医院でよく使われるので、皆さんもご存じかと思います。風邪症状(発熱、鼻水、くしゃみ、のどの痛み、など)を緩和すために4種類の有効成分が入っています。
① サリチル酸系の解熱鎮痛剤
② アセトアミノフェン(安全性の高い解熱鎮痛剤)
③ 抗ヒスタミン剤
④ カフェイン(鎮痛作用)
なお、アスピリン喘息、小児のインフルエンザ、緑内障、前立腺肥大症、などの方は内服しない方が良いでしょう。
これ1つでほとんどの風邪症状を緩和してくれるので、便利な薬です。
何故か「好き嫌い」がハッキリする薬です。
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1 月 26 日, 2012
第6回目はインフルエンザの薬についてご紹介します。
① タミフル
インフルエンザといえば、タミフル。生産が追いつかないという時代もありました。
5日間内服します。
10代への投与は異常行動の発現の恐れがあるため、原則、禁止されています。
② 吸入や点滴薬もあります。
インフルエンザの治療には1回の吸入で良い薬(イナビル)や点滴もあります。吸入は抗ウイルス剤が肺内でウイルスと直接接することで効果が出る薬です。
③ 麻王湯(まおうとう)
インフルエンザに良く効く漢方薬です。「タミフルと同等の効果があった。」という報告もあります。インフルエンザの迅速検査で陰性(感染なし)との結果だったが、限りなくインフルエンザが疑わしい場合や10代のインフルエンザの方に処方します。
なお、解熱剤はアセトアミノフェン(カロナール、他)が安全です。
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1 月 24 日, 2012
第5回目はインフルエンザワクチンについてです。 皆さんはインフルエンザワクチンを打ちましたか? インフルエンザワクチンについて、いくつかのことをご紹介します。
ワクチンを打って抗体が出来るまでに2週間ほどかかります。インフルエンザの流行時期が例年1~2月であることから、12月までに打つことをお勧めします。
ワクチンによる抗体が維持できるのは大体5ヶ月間です。
ワクチンは製造過程で鶏卵を使うので、『卵アレルギー』の方は打てません。
ワクチンを打つ方が良いと思われる人は次のような人々です。
① 50歳以上
② 慢性の病気を抱えている(糖尿病、心臓病、肺疾患、免疫異常、他)
③ 妊婦さん
④ 乳幼児
⑤ 医療従事者
ワクチンを打ってもインフルエンザにかかる可能性はありますが、確率は低くなります。かかっても軽症で済む傾向にあります。
13歳未満は1~4週間あけて、2回打つ必要があります。出来れば、4週間空けたほうがいいです。(免疫異常のある方も2回打った方が良いと思います。)
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1 月 22 日, 2012
クリニックの駐車場の芝生に生えた雑草を引いていると、実にいろいろな雑草に出会います。まさに、『草魂』(注釈)を感じながら、草取りをしています。
① 地面にへばりつくように生えるタイプ。
根もしっかり張っていて、力勝負で抜くことになります。
② か細い葉っぱがチョコッとあるだけで、引き抜こうとすると、あっさり根元でちぎれるタイプ。
しかし、土の中には予想を遥かに超える茎(球根)が発達しています。
③ スラッと伸びていて、キレイな花を咲かせるタイプ。
間違ってここに花を植えたかな?と思わせ、引き抜くことを一瞬ためらいます。
④ 姿かたちが芝生にそっくりなタイプ。
しかし、良く見ると、周囲の芝生と連続性がなく、雑草であることが分ります。
先日、芝生の一部を「竜のひげ」に植え変えました。しばらくすると、「竜のひげ」そっくりの雑草が、「竜のひげ」に並んで生えていました。芝生を植えていた時には生えていなかったのですが。
ある時、背の高い雑草が沢山生えました。目立つので全部引き抜きました。すると、今度は、地面にへばりつく様な雑草が一面に生えました。
雑草と知恵比べしているような錯覚に陥ります。
しかし、どんな雑草もこの道具があれば、根こそぎ引き抜けます。雑草の根元に突き刺して、90度ぐらい回転させます。周囲の芝生も痛めず、雑草だけ取れます。お薦めです。
(注釈)草魂:近鉄バファッローズのピッチャー鈴木選手の座右の銘です。「雑草のような根性を持つ」という意味の造語です。
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1 月 21 日, 2012
第4回目は加湿器についてです。
インフルエンザウイルスなどは温度が低く、湿度も低いことが生存の最適な条件です。冬になると、気温が下がり、空気も乾燥するためにインフルエンザが活発になるわけです。
ですから、暖かい部屋で、適度に加湿すれば、インフルエンザウイルスは活動が低下します。ウイルスは浮遊する水蒸気にくっついて床に落ちた時点で死滅します。
当院では、風除室(玄関)、待合室、受付、中待合室、内視鏡室の5箇所に加湿器を設置し、院内での空気感染を出来るだけ予防しています。
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1 月 19 日, 2012
第3回目は風邪・インフルエンザの予防についてです。
手洗いはWHOもインフルエンザの感染防止に推奨しています。
自分がまだ感染していない場合は、手洗いによって手指を介する接触感染を防ぐことが出来ます。自分が感染している場合は、汚染された手指を介して周囲の環境が汚染されていくことを防ぎます。
15秒以上かけて、流水で、石鹸をつけてしっかり洗いましょう。
うがいはどうでしょうか?
「うがいをしない」、「水でうがいをする」、「うがい薬でうがいをする」。この3群で最も風邪をひかなかったのは『水でうがいをする』グループだったという報告があります。うがい薬は、口腔内を清潔に保つ働きを持つ常在菌まで影響するためにかえって良くないと考えられています。
WHOもうがいは推奨していません。
マスクは風邪をひいている人が付けるべきもので、健康な人が感染の予防目的に付けることには疑問です。
インフルエンザなどのウイルスは空気中を浮遊していますので、マスクの網の目をすり抜けて入り込んできます(空気感染)。
しかし、くしゃみなどに付着して感染する「飛沫感染」を防ぐ意味では感染している人がマスクを付けることは有意義なのです。
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1 月 17 日, 2012
1年半に及んだ「低炭水化物ダイエット」をブログで報告してまいりましたが、目標の『-10kg』を大きく下回り、ダイエットは達成できず、失敗に終わりました。
ダイエットの経過をブログに書くことで、自分自身にプレッシャーをかける狙いがあったのですが、上手くいきませんでした。
目標の体重減少を成し遂げられなかった私が言えた立場ではありませんが、「低炭水化物ダイエット」をきっちり実行すれば、体重は確実に減らせると思います。ただし、美味しい物には炭水化物が多いのです。また、炭水化物は保存や加工が出来るので、種類も豊富にあります。ただし、今回のダイエットの経験を生かして、食べ物を口にする時には、「炭水化物なのか否か」は意識し続けていこうと思います。そして、炭水化物な食材は出来るだけセーブしていきたいと思います。
応援してくださった皆さん、期待を裏切って申し訳ありませんでした。
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1 月 16 日, 2012
昨年(平成23年)1年間に多くの方に当クリニックを受診して頂きました。本当にありがとうございました。
当院の主な診療内容を報告します。
1)内視鏡検査を受けた方が1,788 名います。
胃カメラを受けた方 1,041名
大腸カメラを受けた方 747名
食道がんが見つかった方が3名います。
食道静脈瘤の見つかった方が2名います。
胃がんが見つかった方が9名います。
胃のアニサキス虫体を除去した方が1名います。
大腸がんが見つかった方が16名います。
大腸ポリープの切除を受けた方が97名います。
(そのうち9名の方は早期の大腸がんでした。)
大腸アメーバ症の方が2名います。
2)ヘリコバクターピロリ感染症 除菌に成功した方が100名います。
ヘリコバクターピロリ菌に感染している場合、まず1次除菌をおこないます。1次除菌で菌が消えなかった場合は2次除菌をおこないます。
1次除菌で菌が消えた方が78名います。
2次除菌で菌が消えた方が22名います。
3)炎症性腸疾患
潰瘍性大腸炎の方が41名います。
クローン病の方が8名います。
そのうち4名の方は生物学的製剤(レミケード)の投与を受けています。
4)細菌性腸炎
便の培養検査で細菌が検出された方が59名います。
一番多かったのは病原性大腸菌(41名)で、次に多かったのが黄色ブドウ球菌(10名)、キャンピロバクター(7名)と続きます。
5)ジスト(GIST:消化管間質腫瘍)の方が3名います。
胃GISTの方が1名います。
小腸GISTの方が2名います。
6)肝臓の病気
C型肝炎に対するインターフェロン治療を受けた方が1名います。
B型肝炎に対して抗肝炎ウイルス剤(バラクルード)の内服治療を受けた方が4名います。
原発性胆汁性肝硬変症の方が8名います。
7)胆道結石
胆石が見つかった方が12名います。
総胆管結石が見つかった方が1名います。
そのうち8名が手術を受けられました。
8)すい臓の病気
石灰化を伴う慢性すい炎の方が3名います。
すいのう胞の方が2名います。
9)糖尿病
インスリン注射を受けた方が3名います。
インクレチン関連薬の治療を受けた方が18名います。
10)甲状腺の病気の方が15名います。
甲状腺機能亢進症(バセドウ氏病) 3名
甲状腺機能低下症(橋本病) 12名
11)禁煙外来を受けた方が65名います。
12)インフルエンザにかかった方が33名います。
13)24時間心電図を受けた方が10名います。
ペースメーカーの埋め込み術を受けた方が1名います。
14)睡眠時無呼吸症候群の検査を受けた方が1名います。
持続陽圧呼吸療法(CPAP)を受けた方が1名います。
15) その他の疾患
皮膚筋炎
サルコイドーシス
肺膿瘍
肺がん
急性心筋梗塞
膀胱腫瘍
ポイツイエガー症候群
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1 月 15 日, 2012
第2回目はインフルエンザの診断についてです。
インフルエンザの診断は、綿棒で鼻腔か咽頭粘膜のぬぐい液を迅速キットに接触させると約15分で判定されます。
この診断キットはインフエンザが発症して6時間以内であれば、陽性率が60%程度といわれています。発症して7~12時間経過すれば、陽性率が90%程度にあがります。
例えば、朝39度の急な高熱と全身の関節痛があって、午前中にクリニックを受診した場合、インフルエンザなのに陽性と診断される確率は60%程度とあまり高くありません。可能であれば、6時間以上経過してから受診するのも良いかもしれません。
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