3 月 11 日, 2020

コロナウイルス感染症(公衆衛生学的アプローチ)

PCR(陽性):70(コロナ有り) 299,970(コロナ無し)
PCR(陰性):30(コロナ有り)   699,930(コロナ無し)

北九州市(100万人)に100人のコロナウイルス感染症の方がいると仮定します。
(令和2年3月10日現在 1名の報告あり)。
有病率は100/1,000,000=0.01%です。
コロナウイルス感染症の診断に用いられているPCR検査の感度は70%程度とされています。ですから、コロナウイルス感染(+)の100人を検査すると、70人が陽性に、30人が陰性に出ます。
PCR検査の特異度(陰性の人に正しく陰性と出る確率)の報告が見当たらなかったので、仮に70%と設定します。100万人から100人を差し引いた999,900人の70%(699,930人)が正しくPCR陰性と診断されます。しかし、999,900人の30%に相当する299,970人もの方がコロナウイルス感染していないのにPCR陽性(偽陽性と言います)と判断されてしまいます。
その結果、コロナウイルスPCR検査の精度(PCR陽性の中の真のコロナウイルス感染患者さんの比率)は70/70+299,970)=0.02%と異常に低い値になってしまいます。

100万人都市で100人の病気の人を探すために、全員に検査をおこなうと、約30万人の人が該当してしまうのです。このように、有病率の低い疾病に対して「全例検査」は莫大な『偽陽性』を増やし、社会を混乱に陥れ、助けなければならない人を助けられない状態をもたらすだけです。

しかも、治療法が確立していない現状では、早期に診断することで救命率が上がるわけではありません。仮に、コロナウイルス感染症と診断がついても、軽症であれば、自宅療養を指示されるだけです(コロナウイルス肺炎の80%は軽症)。日々、死の恐怖を意識しながら自宅で過ごすのであれば、知らないで「念のため」と思って過ごす方が精神的に楽だと思うのです。

コロナウイルスのPCR検査は、必要な人に限っておこなうべきなのです

2 月 16 日, 2020

ポリペクトミー後出血(後半)

開院以来(11年間)1,295名のポリペクトミーをおこなってきました。そのうち、22名にポリペクトミー後の出血を来しました(1.7%)。

出血状況
出血までの日数は平均1.9日(3時間後~4日後)であり、ポリペクトミー後の2~3日間は安静が重要であることを再認識しました。
22名中20名にクリップによる止血術をおこなっています。うち3名は夜間の対応であったため、近隣の総合病院で止血術をおこなってもらいました。感謝の気持ちで一杯です。
当院で止血術をおこなった17名についてさらに検討してみました。
観察時に凝血塊が付着しているものの止血状態であったものが10名、にじみ出る様な出血を来していたものが7名、湧き水様の出血を認めたものが1名おられました(重複あり)。ですから、ポリペクトミー後出血は出来るだけ早急に内視鏡検査をおこない、出血部位を観察することが必要であると思います。
出血した内視写真をもう一度丹念に見ていくと、凝血塊の場所がクリップとクリップの間よりもクリップの列の外に位置してことが時々見られることに気付きました。クリップをかける時に今までのイメージよりより長い距離の縫合が必要なのかもしれません。最近は、「これで十分」と思った手前に、念のためにもう1本クリップをかけるようにしています。

経時的な検討
2009年~2014年前期2015年~2019年後期と設定して、検討してみました。
2017年にコールドポリペクトミーを取り入れたことでポリペクトミーの件数は大幅に増えました。しかし、コールドポリペクトミーを除いた通常のポリペクトミー数は前期が75名(年間)に対して後期は77名(年間)と大きな変化はありません。
一方、前期のポリペクトミー後出血の頻度が2.5件(年間)に対して、後期は1.6件(年間)と減少しています。その一因として、止血予防にクリップをかける本数が、前期では平均1.3本であったのに対し、後期では2.6本に増えていることが関係していると思います。
ポリペクトミー後に十分に止血確認をおこない、必要に応じて止血処置をすることで、ポリペクトミー後の出血を減らすことが出来たという報告があります(兵庫医大、2018年)。予防的クリップが終了した後も丁寧に観察して、念のための「もう1本」のクリップを打つことでポリペクトミー後出血がもっと減ると信じています。

e3839de383aae383bce38397efbc91生食を局注しポリープを浮かせます。通電しながらスネアで切除します。傷口をクリップで縫合します。

2 月 9 日, 2020

ポリペクトミー後出血(前半)

開院以来(11年間)1,295名のポリペクトミーをおこなってきました。そのうち、22名にポリペクトミー後の出血を来しました(1.7%)。

①患者さんの背景

22名の平均年齢は58才、男女比は12:10でした。最も若い方は20才、最高齢者は82才です。
男性(12名)の平均BMIは26でした。女性(10名)の平均BMIは21でした。男性の場合、肥満気味の方が多いようです。
出血に影響する血圧や動脈硬化の疾患の有無について調べました。
降圧剤を内服中の方が9名、高脂血症の治療中の方が2名います。糖尿病の方はいません。他、肝硬変症1名、透析中の方が1名でした。
不整脈(心房細動)に対して抗凝固剤を内服されている方が1名いました。

②ポリープの特徴

切除したポリープの大きさは平均7.5mmでした(4~20mm)。ポリープの形は、有茎性(3名)、亜有茎性(3名)、無茎性(15名)、表面隆起型(1名)でした。ポリープの部位は、S状結腸が9名、直腸が8名、横行結腸が6名でした(1名に2か所からの出血あり)。S状結腸は屈曲が強く、良好な視野が確保しにくいことが一因と思われます。直腸と横行結腸は意外な印象でした。いずれのポリープにもがんは認めませんでした。

手技に関する検討

ポリープ切除をおこなった際には、後出血の予防のためにクリップによる創部の縫合をおこなっています。予防的クリップは、平均1.8個(0~4個)でした。コールドポリペクトミー後の出血が1名おられましたが、コールドポリペクトミーの場合は予防的クリップおこなっていません。1.8という数字は意外に少ない印象でした。切除面が広い場合、クリップの本数は必然的に増えますので、切除面の広さと出血はそれ程関係ないようです。

無茎性のポリープ(8mm)です。生食を局注しポリープを浮かせます。通電しながらスネアで切除します。傷口をクリップで縫合します。

1 月 7 日, 2020

令和1年の診療報告

令和1年も多くの方に当クリニックを受診して頂きました。
本当にありがとうございました。
当院を知って頂くために、昨年1年間の診療内容をご報告いたします。

1) 内視鏡検査を受けた方が2,209名います。
胃カメラを受けた方 1,259名
大腸カメラを受けた方 951名
『胃ドック』を受けた方 2名

食道がんが見つかった方が1名います。
粘膜上皮(m1)までの早期がんだったため、内視鏡治療で完治しています。
好酸球性食道炎の方が1名います。

北九州市の胃がん検診を受けた方が103名います。
胃がんが見つかった方が6名います。
アニサキス虫体を摘出した方が1名います。
PTP包装シートの誤飲の方が2名います。
内視鏡にフードを装着し、無事に回収しています。
胃粘膜下腫瘍で手術された方が1名います。

大腸がんが見つかった方が14名います。
最年少は36歳の方です。
4名の方は粘膜内がんであったため、内視鏡治療で完治しています。
大腸ポリープ切除術を受けた方が257名います。

2) ピロリ菌の除菌に成功した方が141名います。
ヘリコバクターピロリ菌に感染している場合、まず1次除菌をおこないます。
1次除菌で菌が消えなかった場合は、2次除菌をおこないます。
2次除菌でも菌が消えなかった場合は3次除菌を勧めています。
1次除菌で菌が消えた方が117名います。
2次除菌で菌が消えた方が22名います。
3次除菌で菌が消えた方が1名います。
ペニシリンアレルギーの方の除菌に成功した方が1名います。

3) 炎症性腸疾患
潰瘍性大腸炎の方が65名います。
1名の方は生物学的製剤(ヒュミラ)の投与を受けています。
クローン病の方が8名います。
6名の方が生物学的製剤(レミケード、ヒュミラ)の投与を受けています。
腸型ベーチェット病の方が1名います。

4) 細菌性腸炎
便の培養詳細で細菌が検出された方が24名います。
一番多かったのは、病原性大腸菌(18名)で、次に多かったのが黄色ブドウ球菌(4名)でした。
病原性大腸菌のうち1名はベロ毒素を産生する腸管出血性大腸菌O-157でした。
抗生物質起因性の嫌気性菌クロストリジウム・ディフィシルが検出された方が1名います。

5) 急性虫垂炎が5名います。
4名は手術になりました。

6) 肝臓の病気
B型肝炎に対する抗ウイルス剤(エンテカビル)の投与を受けた方が5名います。
原発性胆汁性胆管炎の方が14名います。
自己免疫性肝炎の方が2名います。

7) 胆道疾患
胆石が見つかった方が29名います。
6名が手術を受けられました。

8) すい臓の病気
胆石性急性膵炎の方が1名います。
慢性膵炎の方が3名います。
すい臓がんの方が3名います。
膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の方が2名います。

9) 糖尿病
インスリン治療を受けた方が2名います。
インクレチン関連薬(DDP-4阻害薬)の治療を受けた方が64名います。

10)甲状腺の病気の方が22名います。
甲状腺機能亢進症(バセドウ氏病) 3名
甲状腺機能低下症(橋本病) 19名

11)禁煙外来を受けた方が12名います。

12)インフルエンザにかかった方が58名います。

13)24時間心電図を受けた方が4名います。

14)睡眠時無呼吸症候群の検査を受けた方が8名います。
1名が持続陽圧呼吸療法(CPAP)を導入されました。

15)スパイログラフィー(肺年齢測定)を受けた方が7名います。

16)その他
尿管結石(手術)、絞扼性イレウス(手術)、大腿ヘルニア(手術)、食道裂孔ヘルニア(手術)
線維筋性異形成、原発性アルドステロン症(2名)、シェーグレン症候群、黒内障、副甲状腺機能亢進症

1 月 1 日, 2020

2020年 ねずみ年です。謹んで新春のお慶びを申し上げます。

皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします。
新年から新しくスタッフ2名が加わります。より一層充実した医療を提供する所存です。

本年もよろしくお願いいたします。

令和2年1月1日 中野胃腸クリニック 中野重一

11 月 1 日, 2019

よもやま話(110)「診察で最近気付いたこと」

寄り添うことは、まず聞くことから。【20代女性】10数年来の”おなら”の多さに悩んでいるとのことで来院されました。腹部の診察では、打診上、腸にガスが溜まっていることを示す「鼓腸」ではなく、S状結腸に固い便を触れるというわけでもありませんでした。”おなら”の臭いも特別強くは無いとのこと。便秘でも無いことから、病的な原因は見当たりませんでした。

”おなら”には主にメタンガスと硫化水素ガスがあります。炭水化物は乳酸菌等(善玉菌)によって代謝され、におわないメタンガスを産生します。蛋白質はウェルシュ菌等(悪玉菌)によって代謝され、におう硫化水素ガスを産生します。

未消化便は発酵しやすくガスの原因になるので、消化の良いもの(糖質)の比率を上げること、小腸での消化吸収を助けるために、消化酵素剤を処方すること、便が大腸に長く留まるとガスが発生しやすくなるので便秘しないような生活習慣を送ること。便秘予防の具体策としては、食物繊維を沢山摂る、水分をしっかり摂る、適量の運動やリラックスすることなどを説明しました。しかし、患者さんは納得された様子が無いまま診察は終了しました。

自分なりに、必要な説明をしたつもりだったので、「言われたことをやってみます。」というポジティブな返事が返ってこなかったのが意外でした。

どうすれば、患者さんに納得してもらえるだろうか考えてみました。私が話した内容なら、すでに他の医師が説明し知っておられたかもしれません。問診の際に、普段は何を食べているとか、何を食べるとガスが多くなる傾向にあるのかとか、ガスが出て困る時はどんな状況かとか、もっといろいろ聞きだすべきだったと思います。
”おなら”が多いということは、他人から見れば、大した問題ではないけれども、本人にとっては切実な問題なのですから、その悩みを理解してあげるだけかも良かったのかも知れません。答(治療法)を見つけるのではなく、苦しみを分ってもらえるだけで、楽になることもありますから。それが、「患者さんに寄り添うこと」かも知れません。

10 月 6 日, 2019

「開院10周年記念シーズン4」❻すい臓がん

今回のシリーズはある疾患について、当院の症例を集計して、その結果を検討したブログを特集しています。良かったら、読んでみてください。(2019年作成)

緑色がすい臓です。重さわずか120gです。最近、週間に名のすい臓がんが見つかりました。普段は、年間に名いるかいないか程度なので、とても驚きました。そこで、開院以来10年間の当院のすい臓がん患者さんを調べてみました。

すい臓がん患者さんの総数は11名でした。男性名、女性名です。年令は、39才から85才迄で、平均年令は66才でした。すい臓がんのリスクファクターとして、膵炎の既往、糖尿病、肥満、喫煙、大量飲酒、高脂血症、などが指摘されています。これら11名の中には、アルコール性膵炎の既往のある方が名、MBIが30以上の高度肥満の方が名いらっしゃいましたが、そのほかの方は、これといったリスクファクターが見当たりませんでした。
全員腹部造影CT検査で確定診断がついています。進行度は全員ステージⅣで、腫瘍径が2cm以下の「小膵癌」の方はいらっしゃいませんでした。手術が可能な方はひとりもおらず、かなり病気が進行した時点で見つかったわけです。

最近のすい臓がんの本邦死亡者数は年間千人であり、10年前に比べると約万人も増加しています。10年間で1.5倍に増えたわけです。国立がんセンターの先生は、増えた要因は、①長生きする人が増えたから、②造影CT検査の精度が上がったからと解説されています(ドクターサロン2019月号)。しかし、この10年間に、高齢者が1.5倍も増えたでしょうか? この10年間でCT装置に画期的な進歩があったでしょうか? 答えはいずれも「いいえ」です。

九州がんセンターの先生が興味ある取り組みをされています。早期のすい臓がんを見つけるために、造影CT検査とMRI(MRCP)を両方おこなう人間ドックを始めたのです。しかし、年間やってみて、名もすい臓がんを見つけることが出来ませんでした。その要因として、ハイリスクグループの方がほとんど受診せず、健康志向の高い方の受診が多かったためではないかと考察されています。医師の思い通りには対象者が集まってくれなかったわけです。

一般的に、すい臓がんは発がんから発症まで長い年月を要すると考えられています。しかし、当院で経験した患者さんの中に、すい臓がんと診断されるか月前に腹部造影CT検査を受けていた方がおられます。その時点では、まったくすい臓に異常は無かったのです(念のために、放射線科医に再度確認してもらいました)。発がんから発症、そして進行までの時間経過はまだ詳細にはわかっていません。

ピロリ菌と胃がん、
便潜血検査と大腸がん、
B型肝炎・C型肝炎と肝臓がん、
といった具合に、絶対的なリスクファクターがすい臓がんでは見つかっていないのが現状です。

【あとがき】まとまった数の症例を検討するためには、まず、カルテに病名やデータを正確に記録しておくことが必要です。日々の診療を丁寧におこなっていなければ、データが不揃いになり、検討することが出来ません。これからも、臨床研究をやるつもりで、診療に向かいたいと思います。

『開院10周年記念シーズン4』は今回で終了いたします。ご愛読有り難うございました。

10 月 5 日, 2019

「開院10周年記念シーズン4」❺ 微小胃がん

今回のシリーズはある疾患について、当院の症例を集計して、その結果を検討したブログを特集しています。良かったら、読んでみてください。(2018年作成)

5mm以下の胃がんは微小胃がんとして取胃はこんな感じです。り扱います。 当院では、過去に微小胃がんの方が名見つかっています。

微小胃がんには、特に特徴は無く、発赤、びらん、わずかな凹凸や色調の変化など、通常の胃炎のような粘膜変化を来しています。微小胃がんの半数は「内視鏡的には悪性と診断出来ない、むしろ良性にみえる」と報告されています。ですから、微小胃がんの診断は、『念のために』生検して初めてわかることが多いのです。

当院で診断した名の微小胃がんも、小さなびらんでした。ただ、名は単発だったのです。びらんが沢山あれば、「びらん性胃炎」ということになりますが、個しかないというのは不自然です。当院ではびらんが個だけの時は生検するように心掛けています。
びらんが複数個あっても微小胃がんが存在していた方も名おられました。この方になぜ生検したかというと、「なんか嫌な感じがするびらん」だったからです。実に、感覚的なものでした。
当院では、自然に出血しているびらんは、必ず生検しています。がんは出血しやすいからです。
びらんの形が星形のような不整形である場合も生検の対象です。

【問題点】
内視鏡治療をするために、再度胃カメラをおこなった際に、正確にその病変が確認できないことがあります。例えば、「胃体中部後壁のびらん」といっても胃体中部そのものが漠然とした領域です。また、管腔臓器ですので、その日の状況で随分胃の形が違うこともあります。生検の跡が消えてしまわないうちに治療しないと、分からなくなってしまうことがあります。現在は、内視鏡写真でしか伝える方法が無いのです。
生検で胃がんが全部取り切れてしまうこともあります。いわゆる「ひと掻きがん」です。この場合、せっかく内視鏡治療をしても切除標本にがんが存在しない。という事態がおこります。

小さな胃がんを見つけることで、胃がんの治療成績や予後はさらに良くなります。しかし、病変が小さいが故に、その取扱いには細心の注意が必要です。

10 月 4 日, 2019

「開院10周年記念シーズン4」❹原発性アルドステロン症

今回のシリーズはある疾患について、当院の症例を集計して、その結果を検討したブログを特集しています。良かったら、読んでみてください。(2018年作成)

高血圧症の5%程度に存在すると言われている「原発性アルドステロン症」。この病気の可能性のある患者さんが5名いらっしゃいました。

症例     アルドステロン      レニン    アルドステロン・レニン比
❶ 30代女性    291.9       0.9         324
❷ 50代男性    142.4       0.5        285
❸ 40代男性    121.8       0.6        203
④ 40代男性    155.2       0.7        221
❺ 30代男性    158.4       0.7        226
*原発性アルドステロン症のスクリーニング判定基準は、アルドステロンが120(pg/mL)以上かつアルドステロン・レニン比が200以上です。
レニン・アルドステロン系

この5人の方は皆さん大学病院で詳しく診て頂きました。その結果、原発性アルドステロン症と診断された方は、④番の方のみでした。ただし、④番の方も、副腎静脈採血が完全には遂行できなかったため腫瘍が見つけられず、降圧剤の内服治療となっています。

原発性アルドステロン症を早期に診断すれば、腫瘍を摘出することによって血圧は正常化し、降圧剤を飲み続ける必要が無くなります。早く発見すれば、高血圧症による障害も回避出来ます。ただし、アルドステロンを産生する副腎腫瘍は小さいため(1mm大のこともあります)、見つけにくいのです。

これからも、比較的若い方や急に血圧が上がった方などには積極的にレニン・アルドステロンを測定していこうと思います。

10 月 3 日, 2019

「開院10周年記念シーズン4」❸3次除菌

今回のシリーズはある疾患について、当院の症例を集計して、その結果を検討したブログを特集しています。良かったら、読んでみてください。(2017年作成)

e883832018胃潰瘍や胃がんの大きな要因であるピロリ菌感染ですが、除菌治療によってそれらを予防することが可能です。1次除菌の成功率は90%程度です。もし、不成功であれば、2次除菌を受けます。2次除菌の成功率も90%程度なので、99%の方が除菌することが出来ます

【3次除菌】
なかには、1次除菌も2次除菌も不成功だった方もいらっしゃいます。当院ではこの方々に3次除菌をお勧めしています。3次除菌は保険診療ではないので(全額自費)受ける方は少ないです。開院以来8年間で3次除菌を受けた方は、6名でした。うち2名は未だ判定にみえていません。残りの4名は全員除菌出来ています。皆さん、粘り強く、3次除菌まで付き合ってくださいました。その忍耐力に敬意を表します。

【ペニシリンアレルギー】
1次除菌も2次除菌も抗生物質のペニシリンが入っています。ですから、ペニシリンにアレルギーのある方は使えません。そこで、当院ではペニシリンを用いない除菌療法も提供しています(保険外診療ですので、全額自費です)。開院以来8年間でこの除菌治療を受けた方は、6名でした。そして、6名全員が除菌に成功しています。諦めないで良かったですね。

*先日、開院8周年を迎えました。8年間の診療の証しになるようなものを考えていました。そこで、除菌治療のことを調べてみました。3次除菌を受けた方の100倍以上の方が、1次除菌か2次除菌を受けているわけです。そう考えると、この『3次除菌6名』は私にとって大事な数字です。


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