Archive for the ‘クリニック通信’ Category

平成24年診療報告から(4) 急性すい炎

月曜日, 1 月 28th, 2013

平成24年の1年間に当院で急性すい炎の方が名おられました。

胆道系の解剖腹痛患者さんの5%(20人に1人)は急性すい炎であると医学書には記されています。開業して4年目で初めての急性すい炎の患者さんでした。なかなか、クリニックでは見かけないものですね。

以前、救急病院に勤めていた時は、たびたび急性すい炎に遭遇しました。大抵の場合が、お酒を飲みすぎた日の深夜に激しい腹痛を来し、我慢できなくなり、早朝に救急車で運ばれてくるというパターンでした。

重症の急性すい炎は死亡率が20~30%もあります。私が研修医だった頃(かなり昔のこと)は、「腹膜かん流」が主流でした。下腹部に太いチューブを挿入し、すい炎の治療薬を溶かした何リットルもの生理食塩水を注入し、腹腔内が一杯になったら排液する。これを繰り返すのです。「腹膜透析」の要領です。開腹術も盛んにおこなわれていました。ただし、結果はあまり良くはありませんでした。

その後、すい炎の治療薬を動脈から持続的に注入する方法が開発され、最近では、第一選択に定着しました。すい炎の治療薬を静脈に点滴投与しても、すい臓には届いておらず、すい臓に流れ込む動脈に直接薬を入れないとダメだということが分かったからです。

救急病院に勤めていた時は、多くの重症急性すい炎の患者さんに動注療法をおこないました。いろいろ大変なこともありましたが、この治療を始めると、不思議と腹痛がスーッと消えていきました。とても有意義な治療法だと思います。

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平成24年診療報告から(3) 胆石 経口溶解療法

水曜日, 1 月 23rd, 2013

イテテッ平成24年の1年間に当院に25名の胆石の方がいらっしゃいました。
そのうち、名の方が、胆石溶解剤の内服で胆石が消えています

胆石の経口溶解療法を試みるには以下の3つの条件が必要です。
① 石のおおきさが1cm以下(3個以下がベストです。)
コレステロール胆石である(石灰化があると適応外です。)
③ 胆嚢に収縮機能がある

コレステロール胆石は、胆汁中に排泄されたコレステロールが析出して出来たものです。胆石による症状がなく、3つの条件を満たせば、一度は内服治療を試みても良いかもしれません。胆石が消える確率は、1~2年間の内服で30%程度です。
2名の方は、治療を始めて、6か月と1年半で胆石が無くなったことを確認しています。
該当する方には、経口溶解療法を「受ける」 「受けない」は別として、案内だけはしています。

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クリニック通信(66)「接遇研修」

月曜日, 1 月 21st, 2013

中野胃腸クリニックでは、アットホームな雰囲気を心掛け、患者さんにとって、家にいる延長のような、温かい雰囲気づくりをモットーとしてきました。クリニックも3年目を迎え、4年目に突入しました。ここで「初心忘るべからず」また、5年目に向けてのステップアップを目指します。診療に関しては当然ですが、スタッフの接遇の向上も視野に入れ、1ヶ月に1回、3時間の接遇研修を行うことにしました。
第1回目の研修は「自分を知る事」自分自身がどういう人なのか、また、立ち位置や役割を考えることの重要性を学びました。「接遇」と聞くと、患者さんへの対応のみを教えてもらう感じですが、心からの気持ちや自分自身がすすんで気持ちを入れないと、うわべだけの接遇になってしまいます。どうしてこういう接し方をするべきなのか、どうして言葉遣いを丁寧にしなければならないのか、患者さんが求めていることはどういう事なのか、自分で考えて実行していくことで、真の接遇を身に着けることになります。
患者さんに対してだけでなく、職場のコミュニケーションも大切です。これから、少しずつ積み上げていき、7月にはスタッフ全員が接遇のスペシャリストになっていることを目指します!

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平成24年診療報告から(2) すい臓がん

月曜日, 1 月 21st, 2013

すい臓平成24年の1年間に当院で2名のすい臓がんが見つかりました。2人とも、造影CT検査で見つかっています。

急性すい炎の既往のある方、慢性すい炎の方、糖尿病の方などは、すい臓がんのハイリスクグループですので注意が必要です。しかし、すい臓がんの初期には特徴的な症状はありません。
では、「どうすれば、早期発見が出来るのか?」なかなか良い答がありません。

以前、講演で「ハイリスクグループの方に定期的に超音波内視鏡検査(EUS)をしている。」というお話を聞きました。確かに、一理ありますが、胃カメラですら大変な検査なのに、胃カメラの先に超音波装置が内蔵されたEUSを定期的に受けることは、かなりの勇気が必要です。

血液検査ですい臓がんのマーカー(CA19-9など)をチェックしても、初期の段階では正常です。保険診療上も、マーカーの測定は厳しく制限されています。

すい酵素の代表であるアミラーゼはどうでしょうか? すい臓がんが引き起こす「随伴性すい炎」があれば、診断の糸口になります。しかし、アミラーゼの半減期は短く、直ぐに正常値に戻ってしまいます。すい臓がんが存在していても、アミラーゼ値は正常なのです。
むしろ、アミラーゼ値が低い場合は要注意です。血液中にアミラーゼが出てこないということは、すい臓で十分量のアミラーゼをつくれないためなので、慢性すい炎の可能性があります。慢性すい炎は進行しますと痛みが消えてしまいます。アミラーゼが低値でも、症状が無ければ、問題にされないで素通りされてしまうことがありますが、危険です

エコー検査は診断に役立つでしょうか? すい臓は胃の裏側に位置するため、エコー検査では見えにくいのです。特に、すい尾部(お腹の左側のすい臓)はまず見えません。

糖尿病の患者さんもすい臓がんのハイリスクグループです。理由のはっきりしない血糖コントロールの悪化や、体重減少は要注意です。

結局、ハイリスクグループの方に、定期的に(1年に1回)造影CT検査を受けて頂くことが、一番確実にすい臓がんを見つけられると思います。なお、すい臓がんは血流が悪いので造影して初めて「黒い腫瘤」として浮かび上がります。単純CTでは見つかりません。

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平成24年診療報告から(1) 「微小胃がん」

土曜日, 1 月 19th, 2013

平成24年の1年間に当院で17名の胃がんが見つかりました。そのうち、3名の方はがんの大きさが5mm以下の「微小胃がん」でした。小さなビラン(赤く腫れています)や、少しだけ隆起した(盛り上がった)ポリープ様の形をしたがんでした。改めて、『小さな胃がんを見落としてはいけない。』と再認識させられました。
微小胃がんの見つかった方は全員、大学病院で胃カメラを使ってがんの部分だけを切除して頂いています。

小さな胃がんを見落とさないように私が気を付けていることは、次の点です。
① ひとつしかないビランは要注意である。
胃カメラをすると、ほとんど人にビランを認めます。まったくない人の方が稀です。このビランが良性か悪性か、判断する根拠して、「単発か多発か」ということです。びらんが多発している場合は心配ないのですが、ビランが1個しかないということは不自然ですので、必ず生検(細胞を採取すること)をするように心がけています。

② がんであれば、範囲がある。
検査中は「チョッと赤い」とか「ちょっと窪んでいる」とかといった色調や凹凸の変化に注意します。そのような変化はいたるところに見受けられます。この中からがんの可能性のあるものを選び出す根拠として「病変の範囲が判るかどうか」という点です。少し窪んでいるけれど、なんとなく周りの正常な粘膜と一体化してしまっているようなものであれば、大丈夫と判断しています。しかし、はっきりと段差が判る窪みは、がんの可能性があります。

③ 空気を入れたり抜いたりしても形が変わらない。
胃カメラは胃の中に空気を入れたり抜いたり出来ます。この機能を活用して、胃の粘膜を伸ばしたり縮めたりすることで、病変の形の変化を確かめます。周りの粘膜が良く伸びたり縮んだりしているにもかわらず、その部位だけ形が変わらない場合は、要注意です。

④ 萎縮(いしゅく)性胃炎
胃粘膜の張りが無くなり、凹凸不整の目立つ萎縮性胃炎の時は、胃がんの発生する確率が高い方ですから、より一層、詳細に観察するように心がけています。萎縮性胃炎のほとんどがヘリコパクターピロリ菌に感染しています。

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クリニック通信(65)  トイレットペーパー

日曜日, 11 月 18th, 2012

いつもお世話になります。当院の患者さん用のトイレはすべてトイレットペーパーのホルダーが2個あります。
これだと、安心して使って頂けると思います。
2個のトイレットペーパーのうち、1個が残り少なくなってきていたら、新しいロールを1個予備に置いていました。
しかし、これでは「紙が無くなったら、ご自身で交換してくださいね。」というメッセージになります。スタッフからの提案で、残り少なくなったトイレットペーパーは早めに新しいものに交換し、職員トイレで使うことにしました。

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クリニック通信(64)  「長引く咳の診断と治療」

金曜日, 11 月 9th, 2012

先日、上記タイトルの講演を拝聴してきました。会場は立ち見が出るほど盛況でした。

「咳」は外来を訪れる患者さんの最も多い症状だそうです。当院も「咳」症状の患者さんが多く、何かヒントになることがあればと、講演を聞きに出かけました。

咳込むとツライですね。まず、「長引く」という言葉をより正確に分類すると、
① 3週間以内:急性期 ほとんどが感染による咳です。
② 3~8週間:遷延期 感染症による咳が治りきっていない場合が多い。
③ 8週間以上:慢性期 感染による咳は少なく、喘息や肺がん、慢性気管支炎、逆流性食道炎に伴うもの、等さまざまな可能性があります。

クリニックを訪れてくださる患者さんは、ほとんどの場合、咳が出始めて数日で来院されます。1週間咳が続いたら、「長引いている」と表現されます。医学的には3週間ぐらいは急性の咳なのですね。

「咳喘息」による咳も度々問題になります。喘息を診断するためには、喘鳴の存在を確認することが必要です。聴診した際に、通常の呼吸状態で喘鳴が聞こえなければ、患者さんに大きく吸って強く長く息を吐いてもらうと、呼気の最後に「ピーッ」という喘鳴を聞き取れるそうです。講演の翌日、たまたま、咳の患者さんが来院されました。発熱もなく、痰も出ません。胸部X線も異常なく、「咳喘息」の可能性が疑われました。さっそく、講演で学んだことを実践すると、呼気の最後に小さな喘鳴が聞こえました。咳止めの処方以外に気管支拡張剤(喘息の薬)も追加しました。

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クリニック通信(63) 「感染性腸炎の講演」

日曜日, 10 月 21st, 2012

今回の講演は、琉球大学医学部の先生のお話でした。沖縄ならではの感染症の講義を受けることが出来ました。

amoeba1アメーバ性腸炎の治療は、フラジールを1日6錠、10日間飲むのが一般的ですが、これまでは、保険適応がなく困っていました。今年(2012年)から『公知申請』という特例措置で、フラジールがトリコモナス膣炎やヘリコバクターピロリ感染症以外の感染症に使用できるようになったことを講演で知りました。

その翌日、まるで示し合わせたかのようにクリニックで「アメーバ性腸炎」の患者さんが来院されました。さっそく、フラジールを処方しました。何という偶然でしょう!

それにしても、当院で3人目の赤痢アメーバ性腸炎です。確実に日本で増えている印象です。アメーバは嚢子(卵)の状態で野菜に付着しています。洗っただけでは完全には取り除けないのです。嚢子の付いた生野菜を食べると、腸の中で成虫に発育し、腸粘膜に住み着きます。生野菜を食べる時は、国産の野菜を買って、自宅で調理することをお勧めします。

【おまけ】
演者の先生は63歳でした。私があと10年たったら迎える年齢です。63歳でも、大学病院でバリバリ大腸カメラをされているとのことで私も勇気づけられました。

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クリニック通信(62)  メディカルオンライン

月曜日, 10 月 15th, 2012

pc4勤務医の時は医学書や医学雑誌には書いていないことで、もう少し詳しく知りたい時やもっと新しい知識を得たい時は、医局に「医学中央雑誌」という日本語の文献に関しては万全な文献検索ソフトがありましたので、いつでも、簡単に調べることが出来ました。しかし、開院して環境が変わり、文献検索が出来ない状況に幾分不自由を感じていました。

最近、何か拍子に「メディカルオンライン」という文献検索サービスの存在を知りました。コスト的にもリーズナブルな料金設定でしたので、早速、契約しました。使ってみると、やっぱり、グーグルやヤフーでおこなう検索とは比較にならない専門的な情報が得られます。病気のこと、治療のこと、などなど。文献検索し、その論文を読むことで判らないこと、曖昧なことをより正確な知識として身につけられると思います。

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クリニック通信(61) 「相談と報告」

金曜日, 9 月 7th, 2012

【画像診断】
CT検査を近くの総合病院にお願いすると、画像を取り込んだCD-Rと放射線科医の診断書(説明文)が送られてきます。その結果によっては、さらに他の病院で手術になることがあります。そのような時は、手術の結果をCTの診断をしてくださった放射線科の先生に報告します。そうすることで、放射線科の先生も安心されると思うからです。

【病理診断】
内視鏡検査で採取した胃や大腸の病変の病理診断(顕微鏡で組織を見て診断すること)を検査会社に依頼する際は、いつも同じ先生を指名しています。開院当初は、先生の指定はしていなかったのですが、早期の大腸がん診断の時に、「ガイドライン」に則って、詳細なレポートを頂けた先生がおられたので、以来、その先生にお願いしています。その方が、病理の先生も一生懸命みてくださると思うからです。

【内視鏡診断】
内視鏡検査で、普段経験しないようなまれな病変を見つけた時は、同じ消化器内視鏡を専門にしている先生の意見を聞いています。内視鏡写真をメールに貼付して送るので、詳しい返事をもらえます。もちろん、その後の経過は報告します。

このように、周りの先生方の協力を得て、出来るだけ正確な診療をおこなうようにしています。その際、相談を受けた先生方が納得して頂けるような報告をすることを心掛けています。

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