Archive for the ‘診療報酬’ Category

診療報酬シリーズ(11) 除菌療法

木曜日, 11 月 29th, 2012

このシリーズは、開業4年目の私の知識が、母校の新規開業した先生、あるいは、開業を控えている先生のお役にたてればと思い始めました。その対象でない方は読んでも面白くありませんので、予めご了承ください。

ヘリコバクターピロリー感染症にともなう胃・十二指腸潰瘍に対して、除菌療法を実施しますが、レセプト上のいくつかの注意点があります。

① 潰瘍の存在診断として、胃透視か内視鏡検査が必要です。
② ヘリコバクターピロリーに感染していることを診断するためには検査方法が2種類まで許されます。
③ 除菌療法の終了日をレセプトに記載する必要があります。
④ 除菌の判定は除菌終了日から1カ月以上経過してからおこなう。

日々の診療の現場では、「除菌療法は他院で受けたので、判定だけをして欲しい」「他院で受けた1次除菌で菌が消えなかったので、2次除菌を受けたい」など保険診療では難しい要望に出会います。出来るだけ、要望に答えるためには、詳細な経緯をレセプトに記載する必要があります。

【教訓】除菌療法のストーリーが判るレセプトを作成するべし!

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診療報酬シリーズ(10) 便培養検査

土曜日, 11 月 17th, 2012

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食あたり(食中毒)と診断した時、便の培養検査をおこなうことがあります。O-157で有名な病原性大腸菌が検出された時は、レセプト上も注意が必要です。

O-157通常は、便培養検査で菌が検出されると、引き続き、その菌に対する抗生物質の感受性試験をおこないます。ところが、大腸菌が検出された場合は、さらに大腸菌血清型別試験がおこなわれます。その結果、O-157の診断がつくわけです。便の培養試験(160点)と大腸菌血清型別試験(180点)の両方の算定は出来ませんので、大腸菌血清型別試験のみを算定します。また、最初から大腸菌血清型別試験をおこなったわけではないので、『便培養検査をおこなったところ、大腸菌が検出されたため、引き続き大腸菌血清型別試験をおこなった。』という文言をレセプトに表記しなければ査定の対象になります。

抗生物質の薬剤感受性試験は、同定された菌の種類が1種類、2種類、3種類以上でそれぞれ算定する点数が異なります。

便の培養検査の結果を聞きに来院されない場合、受診回数は1回のみとなります。しかし、便培養検査(5日間程必要です)の結果を踏まえて、大腸菌血清型別試験や薬剤感受性試験をおこなっています。これを同日に算定するためには、『再受診がなかった』旨を説明しなければいけません。

このように、かなり煩雑ですが、正しく診療報酬を算定するためには丁寧な説明が要求されます。

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診療報酬シリーズ(9)  時間外診療

金曜日, 10 月 26th, 2012

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何だか怖い。クリニックの玄関には診療時間を表示することが義務づけられています。その診療時間以外に患者さんを診察した場合は、「時間外加算」を算定することが出来ます。
時間外に診療をおこなった場合、血液検査(院内の迅速検査)やレントゲン検査にも別途に「時間外加算」が算定できます。

これらの時間外加算の制度は、救急病院の負担を少しでも開業医に分担してもらおうとする意図を感じます。

時間外加算に関して幾つかの注意点を挙げておきます。
① レセプトに「受付時刻」を明記しておかないと、査定されることがあります。
② 時間内に受付を済ませた患者さんが待ち時間が長くなって時間外になってから診察をおこなった場合は、時間外加算を算定できません。
③ 平日の午後6時以降と土曜日の正午以降に診療時間を設定している場合、診療時間内であっても「夜間・早朝等加算」が算定できます。最近は、平日午後8時迄診療しているクリニックや土曜日終日診療しているクリニックを見かけます。

【教訓】 時間外診療はクリニックの社会貢献のひとつだと思います。その際、時間外加算を忘れずに。

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診療報酬シリーズ(8) 意外に注意が必要な胃薬の処方(その2)

木曜日, 10 月 18th, 2012

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慢性胃炎に対する胃薬の処方が実は難しいです。「慢性胃炎」の適応がある薬は、私の知る限りでは「マーズレンS」、「マーロックス」、「酸化マグネシウム」の3剤だけです。あとの胃薬は「急性胃炎」か「慢性胃炎の急性増悪」に処方可能です。『急性』の名前がつくと、せいぜい1~2ヶ月しか認められませんので、ご注意ください。

繰り返し胃潰瘍が出来るために、長期に抗潰瘍薬を内服せざるをえないことがあります。例えば、ヒスタミン2受容体拮抗剤(商品名ガスター、等)を長期投与する場合、暗黙の了解で1年経過したら、半量に減らすことになっています。

酸化マグネシウム(商品名マグミット、他)は慢性胃炎にも便秘にも適応症がある便利な薬です。ただし、慢性胃炎は1日1g、便秘症は1日2gですので注意してください。

【教訓】慢性胃炎の薬と軽んじるなかれ(忘れた頃に、半年分まとめて査定なんてことになりかねません)

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診療報酬シリーズ(7) 意外に注意が必要な胃薬の処方(その1)

水曜日, 9 月 26th, 2012

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抗潰瘍薬であるプロトンポンプインヒビター(PPI:商品名タケプロン、他)は病名によって以下のように投与期間が定められています。

胃潰瘍:8週間
十二指腸潰瘍:6週間
逆流性食道炎:8週間
非びらん性胃食道逆流症:4週間

投与期間が限定されているために、レセプトには内服開始日の記入が必要です。忘れないようにしましょう。
患者さんの来院が予定より遅くなってしまい、上記の期限が過ぎてしまった場合はPPIの投与は断念せざるを得ないでしょう。
「維持療法の必要な難治性逆流性食道炎」という病名に対してはPPIの投与期間が定められていません。ですから、投与開始日の記載は必要ありません。ただし、一般的には15mg錠が認められており、30mg錠を処方する場合は、その理由を記載しておいた方が無難です。

【教訓】PPIを処方する際は、病名、投与量、投与期間に注意するべし!
    (安易なPPIの処方は避けるべし!)

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診療報酬シリーズ(6) まだ⁴ ある処方の落とし穴

木曜日, 8 月 23rd, 2012

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レセプトにおいては、薬の効能と病名と投与量については、出来る限り、医薬品の説明書に忠実に従うべきです。「以前、勤務していた病院ではこんなふうにしていた。」とか、「自分の経験でこうやったら効果があった。」などの理由は一切認められません。余談ですが、医事関係の裁判においても、医薬品の添付文書を無視した使用法や投与量をおこなっていた場合、例え医学的には支持される内容であったとしても、不利な条件になることがあるそうです。

特に、レセプトでは、その病気には「禁忌」の薬を使用することは、厳しく判断されます。例えば、
胃潰瘍の病名があるのにロキソニンを処方した場合
緑内障の病名があるのにPLを処方した場合
肝炎があるのに、リピトールを処方した場合
慢性腎不全の病名があるのに、アマリールを処方した場合  等々。

私の使っている電子カルテ(ユヤマ)は、禁忌の病名があると薬剤名が赤字に変わり知らせてくれます。

【教訓】薬を処方する際は、病名との整合性(特に禁忌の病名の存在)に留意すべし!

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診療報酬シリーズ(5) まだ³ ある処方の落とし穴 

金曜日, 8 月 17th, 2012

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特定疾患を主病名とする患者さんに処方をおこなった場合、月2回まで「特定疾患処方加算(18点)」が算定されます(診療報酬早見表 p385)。

【問題】2週間毎に来院されている高血圧症(特定疾患)の患者さんが、月初め、月半ば、月末の合計3回受診されました。毎回、降圧剤を2週間分処方しています。血圧が安定したので、月末の処方は28日分を処方しました。「特定疾患処方加算」はどうなるのでしょうか?

【答】月末に清算します。
月初めと月半ばの診察の際に、処方箋料に「特定疾患処方加算(18点)」を加算します(2回分)。月末の診察では28日分処方しているために「特定疾患長期投薬加算(65点)」が算定できます。
ただし、この場合、「特定疾患処方加算(18点)」を同一月に算定できませんので、返金しなければいけません。よって、月末の処方箋料の加算は差し引き29点(65点-18点x2回)となります。(やっぱり、ややこしい)

今回の教訓:特定疾患の「処方加算」と「長期加算」は両立しない!

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診療報酬シリーズ(4) まだまだある処方の落とし穴 

木曜日, 8 月 9th, 2012

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特定疾患を主病名とする患者さんに28日以上の処方をおこなった場合、65点の「長期投薬加算」が算定できます(診療報酬早見表 p385)。これは、受診回数を減らそうとする意図を感じます。

【問題】気管支ぜんそく(特定疾患のひとつ)の患者さんに吸入タイプの薬を1個だけ処方しました。この場合、長期投薬加算は算定できるでしょうか?

【答】吸入の使い方が28日以上であれば、算定できます。
例えば、アドエア(60ブリスター)を1回1吸入、1日2回使用すると、30日分になります。この使用内容が分るように表記しておけば、アドエア1本だけの処方でも「長期投薬加算」が算定できます。

降圧剤や高脂血症のコントロールが良くなったために、隔日投与に減量することがあります。この場合、14日分の処方でも、実際は28日分の治療に相当するわけですから、その旨を記載すれば、「長期投薬加算」は算定できます。

今回の教訓:28日以上の処方であることが分る様に記載するべし!

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診療報酬シリーズ(3) まだある処方の落とし穴 

水曜日, 8 月 1st, 2012

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処方箋を発行すると処方箋料を算定することが出来ます。
① 7種類以上の内服薬は40点です。
② 6種類以下の内服薬は68点です。

前回、処方箋は飲み方毎にまとめて処方した方が得策であることを説明しました。しかし、そう単純ではない所が診療報酬のシステムです。一体誰が考えているのでしょうか?

【問題】1日1回飲む薬が4種類あります。薬価はそれぞれ、10円、30円、100円、230円です。効率的な処方箋の書き方は?

【答】10円、30円、100円の薬はまとめて処方します。230円の薬はそれ単独で処方します。薬の種類としては2種類扱いになります。
なぜ、4種類をひとまとめに処方しないかと言うと『205円ルール』が存在するからです。同じ飲み方の薬はひとまとめにして「1種類」扱いできるのですが、205円を超えてはいけないというルールがあるのです(診療点数早見表 p384)。この制度は、高価な薬をなるべく処方させないようにしようとする意図を感じます。
1錠が205円以上する薬には脳梗塞予防薬のプラビックス75mg(276円)などがあります。
注意が必要なのは倍量処方することがある薬です。降圧剤のディオバンは80mg(125円)が常用量ですが、血圧が下がらない時は160mg(250円)まで増量可能です。ディオバン80mg錠を2錠処方すると、それだけで205円を超えていますので、他の薬とまとめることは出来ません。

こうなってくると、必然的に、「この薬、薬価はいくらなんだ?」ということが気になりますね。

今回の教訓:薬価を意識し、205円ルールを肝に銘じるべし!

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診療報酬シリーズ(2) 処方の落とし穴

火曜日, 7 月 17th, 2012

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処方箋を発行すると処方箋料を算定することが出来ます(診療報酬早見表 p385)。
① 7種類以上の内服薬は40点です。
② 6種類以下の内服薬は68点です。
これは、医師が不必要に沢山の薬を処方しないように、「薬が増えると減点します。」という意図が感じ取れる制度ですね。

【問題】ここに7種類の薬があります。3種類は朝食後に1回飲む薬です。残りの4種類は毎食後1日3回飲む薬です。この処方箋は①②のどちらに該当しますか?

【答】どちらにも該当します。
7種類別々に薬品名、量、飲み方、日数を記載すれば、①に該当します。しかし、朝1回飲む薬をまとめて表記し、1日3回飲む薬をまとめて表記すると、7種類の薬が2種類とみなされます!
まったく同じ内容の処方であるにも拘らず、書き方ひとつで診療報酬が違ってくるのです。

今回の教訓:処方箋は、飲み方毎にまとめて記載するべし!

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