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中野胃腸クリニックBLOG » ヘリコバクターピロリ

Archive for the ‘ヘリコバクターピロリ’ Category

ヘリコバクターピロリシリーズ(12) ABC検診

水曜日, 7 月 15th, 2015

血液検査だけで胃がんにかかりやすい人を拾い上げようとする検診が「ABC検診」です。

ペプシノゲンは胃粘膜で作られますが、胃の萎縮(老化)が進むと、産生が低下します。血液中のペプシノゲンⅠが基準値以下で、かつ、ペプシノゲンⅠ/Ⅱ比が基準以下の場合をペプシノゲン陽性と表現します。つまり、胃粘膜の萎縮の強い人達です。

さらに、血液中のヘリコバクターピロリ抗体が陽性か陰性で組み合わせると、
A群:ペプシノゲン(-)でピロリ菌も(-)
B群:ペプシノゲン(-)でピロリ菌は(+)
C群:ペプシノゲン(+)でピロリ菌も(+)
D群:ペプシノゲン(+)でピロリ菌は(-)

の4つのグループに分けます。そうすると、A群からはほとんど胃がんが見つからないのに対して、C群やD群からは高頻度に胃がんが見つかることが分りました。最も頻度が高いD群では1年間に80人に1人の割合で胃がんが発生しています。B群はピロリ菌には感染したけれど、ほとんど胃炎が起こらなかった人達です。

ところで、D群のペプシノゲン(+)でピロリ(-)という場合を説明しましょう。ペプシノゲン(+)で胃の萎縮がどんどん進むと、胃粘膜が腸粘膜化します(腸上皮化生)。腸上皮ではピロリ菌は生きていけないので、自然にピロリ菌感染が消えてしまいます。その結果、ペプシノゲン(+)でピロリ菌(-)という組み合わせが出てくるのです。(面白いですね。)

現在のように、ある年齢になったら、全員が胃透視を受けるのではなく、C群やD群の人達だけに積極的に胃カメラを受けてもらえば、効率的に胃がんが見つかるわけです。

A群の方は、胃カメラによる定期的検査は不要と考えても良いでしょう。
B群の方は3~4年毎に胃カメラを受ければ十分です。
C群やD群の方は、出来れば毎年胃カメラを受けた方が良いでしょう。胃がんが出来て、カメラで見て分かる大きさになるのに平均3年といわれています。少なくとも、3年毎には検査を受けることをお勧めします。

まず、自分がA,B,C,Dのどのグループなのかを知ることが必要です。そして、B群とC群の方は、積極的に除菌治療を受けることをお勧めします。

このABC検診、実は10年以上も前にその有用性が発表されていますが、なかなか普及しません。現在、一部の自治体ではこのABC検診を採用し、成果を出しています。

*このブログは2012年に書いたものを一部訂正・加筆したものです。

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ヘリコバクターピロリシリーズ(11)感染ルート

木曜日, 7 月 9th, 2015

冷たくて気持ちよさそう!胃潰瘍や胃がんの原因であるヘリコバクターピロリ感染は幼少期に母親あるいは父親からの経口感染が主な感染ルートといわれています。

5歳頃までは胃酸が十分出ていないため、その時期にピロリ菌を飲み込むと、そのまま胃に定着してしまいます。「離乳食を親が噛んで与える」ことがピロリ菌感染の大きな要因なのです

親から子供以外の感染ルートも指摘されています。「兄弟数が多く、年齢が接近した兄弟」に感染率が高いことと、長男よりも次男、三男の方が感染率が高いことから、年長児から年少児に感染する可能性も考えられています。

ピロリ菌の特異な生体も感染に影響しているようです。ピロリ菌は環境が悪くなると、その形を「球状菌」という守りの態勢に変化させます。球状菌は便と共に排出されますので、球状菌に汚染された水(井戸水や湧水)を飲むことで感染しうるわけです。小さなお子さんに井戸水や湧水は危険ですので、飲ませないようにしてください。

そのほか、まれなケースですが、ペットからの感染も指摘されています。

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ヘリコバクターピロリシリーズ(10)  新薬「タケキャブ」

木曜日, 7 月 2nd, 2015

電子顕微鏡で見たピロリ菌!除菌治療は1種類のタプロトンポンプインヒビター(PPI)と2種類の抗生物質を1日2回、1週間内服します。

従来のPPIよりもさらに強力な酸分泌抑制機能を持った薬「タケキャブ」が新発売されました。速効性、確実性、胃酸分泌抑制のいずれの点において、これまでのPPIよりも優れています。このタケキャブは、ヘリコバクターピロリ菌の除菌治療にも保険収載されました。タケキャブを用いた1次除菌の成功率は90%以上であり、従来の75%を大幅に上回ります。
当院では、1次除菌、2次除菌ともにタケキャブを採用しています。その結果、より成功率の高い除菌治療が提供できると思います。

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平成26年の診療報告から(1)  除菌療法

日曜日, 1 月 25th, 2015

ヘリコバクターピロリ感染症   除菌に成功した方が204名います。

ヘリコバクターピロリ菌に感染している場合、まず1次除菌をおこないます。1次除菌で菌が消えなかった場合は2次除菌をおこないます。
1次除菌で菌が消えた方が159名います。
2次除菌で菌が消えた方が45名います。
*2名の方が2次除菌でも菌が消えませんでした。

憎きピロリ菌!50歳までに除菌すれば、胃癌になるリスクが90%回避出来ると考えられています。当院で50歳以下で除菌出来た方が59名おられました。このうち、7名の方は、30才以下です。30歳までに除菌出来れば、99%胃癌のリスクが回避出来ると考えられていますので、一度もピロリ感染していない方とほぼ同じ条件になると考えられます。

胃がんの予防という意味においては、除菌は、胃の粘膜が萎縮する前におこなう方が有効です。あるいは、萎縮の早い段階であれば、除菌によって萎縮は回復していきます。この様に、若いうちに除菌することは、とても意味のあることなのです。

一方、高齢な方の除菌による胃癌予防の有用性も証明されており、70歳代で50%程度のリスクが回避出来ると考えられています。当院で70歳以上の除菌成功者は34名いらっしゃいました。高齢者の方も、比較的安全に除菌出来たと思います。

残念ながら、2次除菌でも除菌出来なかった方が2名おられました。当院では、2次除菌不成功の方に3次除菌をお勧めしています。現在、3次除菌の判定を待っている方が数名いらっしゃいます。

また、ペニシリンアレルギーの除菌も始めました。3次除菌と同様に、保険診療の対象外ですが、色々な方に除菌を受けて頂きたいために、積極的に取り組んでいます。

なお、除菌の判定を自由診療でおこなう場合は、尿素呼気試験の他に、比較的安価な便中のピロリ菌抗原も可能です。

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ヘリコバクターピロリシリーズ(9)  ペニシリンアレルギー用の除菌療法

月曜日, 12 月 8th, 2014

おなじみのピロリ菌です。ヘリコバクターピロリ菌の除菌には、1次除菌、2次除菌ともにアモキシリンというペニシリン系の抗生物質が入っています。ですから、ペニシリンアレルギーの方は、除菌治療を受けることが出来ませんでした。ペニシリンアレルギーの方を対象にした除菌をはじめました

2次除菌に用いるメトロニダゾール(フラジール)と、3次除菌に用いるシタフロキサシン(グレースビット)にPPI(パリエット)を併用する「ペニシリンを使わない除菌治療」です。
この除菌治療の成功率は、ほぼ100%と報告されていますので、大いに期待が持てます。なお、この除菌治療は『保険適応外』です(自由診療)。また、別途に、薬剤購入も全額自己負担となります。予め、ご了承下さい。

① 除菌の内容
パリエット(10mg)(胃薬)         2回/日
フラジール(250mg)(抗生物質)    2回/日
グレースビット(100mg)(抗生物質)  2回/日

② 投与期間 7日間

③ 成功率 ほぼ100%

④ 除菌の判定 尿素呼気試験又は便中のピロリ菌抗原検査が望ましい。

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ヘリコバクターピロリ シリーズ(8)  学校健診始まる

水曜日, 10 月 1st, 2014

元気な中学生達!30歳までに除菌すれば99.9%50歳までに除菌すれば90%60~70歳で除菌すれば、50%程度、胃癌のリスクが下がるといわれています。除菌を若いうちに済ませた方が、胃癌の予防効果は大きいいのです。
先日、インターネットで、兵庫県篠山市の中学校でヘリコバクターピロリ感染の健診(尿検査)が始まるとのニュースを見つけました。

健診の対象が中学生であることから痛くない検査が望まれます。また、副鼻腔炎や気管支炎等で抗生物質を飲んでいる生徒が常に何人かは存在する可能性があるので、薬剤の影響を受けない検査でなければいけません。さらに、対象が大人数なので、コストのかからない方法となると、尿検査(抗体測定)が妥当と考えられます。

もし、ヘリコバクターピロリ感染を指摘された場合は除菌治療を受けるべきでしょう。除菌の薬は体重が40kg以上あれば、大人と同じ量で大丈夫です。ただし、ペニシリンアレルギーの有無について十分な聞き取りが必要です。なお、お子さんは、抗菌剤による下痢が起こりやすいため、ビオフェルミンRを併用する方が良いです。
現在の保険診療では、内視鏡検査を受けないと、除菌治療が受けられません。ですから、自由診療での治療が多くなることが予想されます。その辺りの事情を周知徹底させておくことが必要と思われます。

ピロリ菌陽性と指摘された生徒が、いじめの対象にならないか、少し心配です。感染は乳幼児期に起こったもので、生徒同士では感染しないことを、学校全体で十分理解しておくことが必要です。

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ヘリコバクターピロリ シリーズ(7)  再感染

水曜日, 9 月 24th, 2014

ピロリ菌は鞭毛が長いのが特徴!ピロリ菌の除菌が成功したことを患者さんに報告して、良い結果を喜ばれた後、「再感染は無いのですか?」という質問が一番多いですね。

除菌成功後の再陽性率年率1%程度とガイドラインには報告されています。
再陽性化のほとんどが、除菌後に菌量が著しく低下し、その時点の判定検査で、間違って「陰性」と判定され(偽陰性)、その後、菌量が回復してきたために、再度「陽性」に転じたものと考えられています。
これは、再感染が疑われた症例のロリ菌の遺伝子解析で、除菌前と除菌後の遺伝子がまったく同じであったためです。

再陽性化は、ほとんどが1年以内に起こるので、1年以降にもう一度除菌の判定検査を受ければ確実です

【まとめ】

除菌が成功すれば、新たな菌が新規に感染する「再感染」を心配する必要はありません。ただし、1%程度の確率で除菌成功例の中に除菌失敗例が隠れています。それは、菌が消えたのではなく、菌が少なくなったため、間違って「陰性」と判断されたためです。1年後の再検査で、この間違いは確認出来ます。

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ヘリコバクター・ピロリ シリーズ(6)  「グレーゾーン」

水曜日, 8 月 13th, 2014

電子顕微鏡で見たピロリ菌!安倍首相が「集団的自衛権」の説明でたびたび使用される「グレーゾーン」という言葉ですが、ヘリコバクターピロリ菌の検査にも「グレーゾーン」があります。

① 血中のヘリコバクターピロリ抗体
抗体が10 U/mL以上あれば、ピロリ菌に感染しています。抗体が10 U/mL未満であれば、感染していません。実は、未感染の99%は抗体が3 U/mL未満ですので、3 U/ml未満であれば、確実に未感染といえますが、3 U/mLから10 U/mLの間は、「グレーゾーン」なのです。未感染と診断されていたとしても、ひょっとしたら、感染している可能性があります。便中のピロリ菌の抗原を調べるなどの他の検査を検討してみても良いかもしれません。

② 尿素呼気試験
除菌の判定に最も信頼性の高い「尿素呼気試験」ですが、2.5 ‰未満を陰性としています(ユービット使用の場合)。つまり、2.5 ‰未満であれば、除菌は成功したと判断し、2.5 ‰以上であれば、除菌失敗と判断します。しかし、遅れて陰性化する例もあるため、5 ‰以下であれば、すぐに「除菌失敗」と判断せずに、判定を保留するべきです。時間をおいて、もう一度判定しなおすことをお勧めします。
2.5~5.0 ‰の範囲は「グレーゾーン」になるわけです。

皆さんも、検査結果をもう一度見直してみてください。「グレーゾーン」の値であれば、要注意です。

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ヘリコバクターピロリシリーズ(5)  3次除菌始めました。

月曜日, 8 月 4th, 2014

胃にしか住めないピロリ菌。1次除菌、2次除菌ともに失敗してしまった方を対象に、3次除菌をはじめました。3次除菌は「保険診療」では出来ませんので、「自由診療」となります。予め、ご了承ください。

① 除菌の内容
パリエット(10mg)(胃薬)  x4回/日
アモリン(500mg)(抗生物質)  x4回/日
グレースビット(100mg)(抗生物質)  x2回/日
② 投与期間 7日間
③ 成功率 85%程度
④ 除菌の判定 尿素呼気試験が望ましいですが、半年以上待って、血中のヘリコバクターピロリ抗体の測定で代用も可能です。
⑤ 費用
処方箋代 6,480円
(別途に、薬代 約12,000円が必要です。)
除菌の判定 尿素呼気試験 12,960円
血中ヘリコバクターピロリ抗体 2,160円

薬の内容や投与期間に関しては、1次除菌、2次除菌と比べて、大きな変化はありません。1次除菌ではクラリス、2次除菌ではフラジールだったのが、3次除菌ではグレースビットになります。ただし、パリエットとアモリンの内服回数が2回から回に増えています。

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ヘリコバクターピロリシリーズ(4) 胃のABC検診

月曜日, 3 月 3rd, 2014

ピロリ菌がいっぱい。最近、勤め先の会社で受ける健康診断で「ヘリコバクターピロリ抗体が陽性である」と指摘されたので、2次検診に来院される方が多くなりました。

会社によっては、健診項目に「ヘリコバクターピロリ抗体」を組み込まれるようになってきています。きっと、その会社の産業医が従業員のことを考えてくれてのことだと思います。

ある年齢になれば、一律、胃透視を受けるという検診は病気を発見する効率が低く、コストと時間を要します。さらに、レントゲンによる被曝も問題です。

まず、血液検査で「胃のABC検診」を受けるようにし、胃の萎縮があって、ピロリ菌に感染している人(ABC検診のCまたはD)に、胃の精密査(胃カメラ)を受けるように指導し、さらには、除菌治療に導くべきでしょう。

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