医療に関する話 「正常値と異常値」

健康診断を受けると、検査結果と共に、正常値が記載されていて、自分の値が正常範囲だったのか、異常だったのか、一目でわかるようになっていますよね。正常値に収まっていれば安心し、異常値だったら、食事のことを反省したり、どこかクリニックを受診しようかと考えたりします。ところで、この正常値、どうやって決めているかご存知ですか?
多くの正常値は、健康な成人100人の採血結果から決められています。100人の検査結果をプロットすると、正規分布になります。正規分布とは、なだらかな裾野の長い富士山のような形をイメージして下さい。このちょうど真ん中(平均値)から上下標準偏差の2倍以内を正常値と決めています。この範囲に収まる人は全体の95%に相当します。この95%に入らなかった残りの5%の人、グラフで言うと、左右の裾野の端っこの方は異常値として扱われます(グラフ参照)。ですから、健康な成人100人のうち5人は「異常値」として扱われるわけです。不思議でしょう? 言い換えれば、正常値はあくまでも目安であって、個人の特性は考慮していないのです。
例えば、総コレステロール値は220mg/dl未満が正常と決められています。219mg/dlならば健康で、220mg/dlならば病気でしょうか?そんな風に考える人は少ないと思いますが、わずかな数字の違いに一喜一憂することはナンセンスです。それよりも、同じ正常値でもここ数年で少しずつ増加傾向だ。とか、高血圧や肥満もあるから、今のうちから気をつけておかないといけない。と考える方が有意義です。

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