よもやま話(18) 「電子カルテ」

ある雑誌に有名なスキー選手が大怪我をした時の話が載っていました。その選手は完璧に治したいために何人もの整形外科医の診察を受けたそうです。診察室で医師が電子カルテを見たまま自分の話を聞いていたら、その時点で「この先生には任せられない。」と決めたそうです。最終的には、手を休めて、目を見て話を聞いてくれる先生に出会い、手術も大成功して良かったという結末でした。「相手の顔を見て話を聞く。」って大切ですね。

 
では、何故、多くの医師は電子カルテを見ながら診察するのか考えてみました。
 勤務医の仕事全体に対する外来の占める割合は30%程度ではないでしょうか。やはり、大きく時間を取るのは入院患者さんの治療や手術です。外来に大きく時間は割けないのです。診察する時はちゃんと患者さんと向き合って話を聞いて、診察が終わって患者さんが診察室を出てから電子カルテに記録するのが、本来の姿である事は分かっているのだけれども、時間的にその余裕がないのです。外来が長引けば午後の予定に支障を来たしますから、大抵の勤務医は、何とか(無理やり?)外来を時間内に終わらせて、昼休みもなく慌しく午後の仕事にとりかかります。

 皆さんはER(救急救命室)というドラマをみたことがありますか?救急の患者さんの診察や処置は医師達が全部声に出しながら進めて行きます。これらは、すべて、録音され、医療秘書が文章に残すようになっています。「X-ファイル」でも、スカリー捜査官が検死をする時、マイクに向かって所見を述べていましたよね。あれも、同じです。後でテープを聴いて自分でタイプするのでなく、専属の医療秘書がやるわけです。
 このシステムの違いが日本の診察室では医師が電子カルテの方ばかりを見て、患者さんを見ない大きな原因だと思います。最近、ようやく日本でも「医療秘書」の必要性が認識され、一部の業務は秘書が代行してくれるようになりました。どうか、皆さん、電子カルテばかり見ている先生を温かく見守ってあげてください。

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