クリニック通信(25) 「救急外来」

先日、救急医療の講演を聴いてきました。大学病院の教授の肩書をお持ちの偉い先生のお話でした。
心に残ったエピソードを2,3紹介しましょう。

救急隊から第一報が入ります。「急に体の右半分が動かなくなりました。脳梗塞だと思われます!」病院では神経内科のスタッフが血栓溶解剤を準備して待っています。
発症してから3時間以内に点滴しなければ効果がないので、無駄な時間はないのです。
診察に当った救急医は胸に聴診器を当てて「おやっ?」と思いました。
胸のCTをとったところ、大動脈解離を起こしており、そのために脳に行く血流が落ち、その結果、半身麻痺がおこったわけです。
血栓溶解剤を点滴していたら真逆の治療になってしまうところでした。

交通事故をおこしたおじいさんが運ばれてきます。
整形外科医がどこの骨が折れているか診察します。一方、救急医は同乗していたおばあちゃんに事故に様子を詳しく聞きだします。
「運転中に突然胸が苦しいと言って、ハンドルを切り損ねてしまった。」とのこと。
心臓の発作が原因で事故を起こしたのです。直ぐに心臓カテーテル検査がおこなわれました。
整形外科医だけに任せていたら命は救えなかったでしょう。

私が一番感心したのは、この先生の“患者さんを診る力量“をきちんと評価して教授に任命している大学の姿勢です。
大学の教授というのは論文の数が多いか患者さんを集める能力があるかどちらかで決まります。この先生は、誰もが見逃してしまうような所にも気をつけて、人知れず命を救っているのです。
「難しい手術を何例も執刀した」とかの物差しでは測れないところにこの先生の価値があるのです。

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