「腹痛(その4) 心窩部痛(上腹部痛)」

今回は意外に診断が難しい腹痛についてお話しましょう。

お腹の真ん中より上の辺りの痛みを「心窩部痛」といいます。この辺りは、いろいろな内臓が位置しているために、さまざまな原因で痛みが発生します。食道、胃、十二指腸の他に、胆のう、すい臓もこの辺りに位置します。さらには、横隔膜を隔てて心臓もあります。また、腹部大動脈やその枝である腹腔動脈、上腸間膜動脈も位置しています。
「胃が痛い」との訴えでお見えになる方が多いのですが、「それでは、胃カメラをしてみましょう。」と安易に考えると痛い目に遭うことがあります。
 
「痛みがほんの数秒間だった。」
「左肩も痛くなった。」
「奥歯も一緒に痛くなった。」
「背中に突き抜けるような痛みだった。」

これらはすべて、心筋梗塞だった腹痛の患者さんの訴えです。これらのキーワードを聞き逃すことなく、速やかに心電図をとり診断しなければなりません。

胆石やすい炎も「胃が痛む」という表現で来院されることが良くあります。経過(病歴)を詳しく聞けば、ある程度の予想はつきます。

私が医師になって2年目の頃の話です。腹部エコー検査を担当していました。ある時、強い心窩部痛を訴える患者さんのエコー検査を依頼されました。その検査中に突然、患者さんがショックになりました。私は何が起こったかまったく理解出来ませんでした。すぐに、上級医の先生方が応援に来てくださり、「解離性腹部大動脈」と診断がつき、緊急手術になりました。胃の高さの辺りの腹部大動脈に「ヒビ」が入って痛んでいたのが、エコー検査中に本格的に破れて出血したためにショックになったわけです。

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