発熱(4) 「解熱剤」

内科医にとって最も頻繁に出会う症状は「発熱」ではないでしょうか。
発熱に関するエピソードをいくつかご紹介します。
今回は解熱剤についてお話します。
熱冷ましと痛み止めって同じ成分ってご存知でしたか?

【熱を下げる機序】
発熱や痛みに関係する代謝経路(アラキドン酸)をブロックすることで熱を下げます。しかし、このことは同時に、血小板、胃粘膜、そして腎臓の通常の機能もブロックしてしまいます。ですから、解熱剤を汎用すると胃や腎臓に悪いわけです。また、このことを逆手にとって、少量のアスピリンを毎日飲むことで血小板の機能を少し低下させ(いわゆる血液サラサラ状態)、脳卒中の予防をおこなっています。
10年ほど前に、炎症に関わる酵素のみを選択的にブロックして、血小板、胃、腎臓への悪影響を無くした「体に優しい痛み止め(COX-2選択的阻害剤)」が開発されました。開発当初は、夢のような薬と期待されましたが、肝心の「鎮痛解熱効果」もやさしく、患者さんからは評価はイマイチといったところです。

【安全な解熱剤】
インフルエンザにある種の解熱剤(薬品名:ポンタール、ボルタレン、等)を使うとインフルエンザ脳症をきたすことがあり、大変危険です。お子さんの場合はアセトアミノフェン(薬品名:アンヒバ、カロナール、等)を使用するのが原則です。海外でも解熱鎮痛剤の第一選択として広く使われている薬です。

【解熱剤は病状を長引かせる?】
答えは「ノー」です。発熱していた方が早く病原菌(あるいはウイルス)が排出されるわけではありませんから。また、熱を下げた方が早く治るわけでもありません。解熱剤はあくまでも対症療法ですので、「高熱で苦しい時に頓用する」というスタンスが良いと思います。1回使ったら、2回目を使うまでに3時間以上は空けた方が良いでしょう。

【アスピリンはピリン系?】
アスピリンはピリンではありません。ピリンアレルギーという言葉を耳にされた方も多いと思います。今ではほとんど聞かなくなりましたが、以前はよく「風邪に効く注射」としてピリン系の解熱剤(商品名:スルピリン、メチロン、等)が注射されていました。これらの解熱剤の急速な投与はショックをきたす可能性があり危険です。

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