消化器病と電解質異常(3)

嘔吐による低クロール性代謝性アルカローシス

腸閉塞など何らかの通過障害をきたし、そのために、数日にわたって嘔吐し続けた場合、大量の胃酸を喪失することになります。胃酸の主な成分は水素イオン(H+)とクロールイオン(Cl-)ですので、嘔吐により大量のH+とCl-が体内から失われます。

体内の酸アルカリ平衡は陽イオンであるナトリウムイオン(Na+)と陰イオンであるCl-と重炭酸イオン(HCO3-)の和がほぼ同じになることで成り立っています。ですから、Cl-が減少しますと、HCO3-が代償しようと増えます。体内のpHはHCO3-に比例し、CO2に反比例します。HCO3-が増えれば、pHが上がり(アルカリ性=アルカローシス)、CO2が増えれば、pHは下がります(酸性=アシドーシス)。HCO3-が増えた状態を代謝性アルカローシスと言います。

代謝性アルカローシスが何か体に悪影響を来すかと言うと、ほとんど何も問題になりません。強いて言えば、アルカローシスを補正しようと細胞内のH+が細胞外に出てくる際に交換要員としてカリウムイオン(K+)が細胞内に移動するため、低カリウム血症になる程度です。

低クロール性代謝性アルカローシスの治療はCl-を体内に補充します。塩酸(HCl)を点滴するわけにはいかないので、塩化ナトリウム(NaCl)を点滴します。

普段、主役になることがほとんどないCl-のお話でした。

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