心に残った話(19) 「すい仮性嚢胞と脾臓出血」

今回お話しするのは1人暮らしの40代の男性です。

美味しそうな神戸牛!正月用に買った3枚入りのステーキを、元旦に2枚を焼いて食べました。その後、残った1枚を「どうせ無駄にしてしまうから」と無理して食べたとのことです。その夜、激しい腹痛が出現し救急車で搬入されました。蛋白質の取り過ぎが原因で急性膵炎をおこしたのです。
血圧は50mmHg、脈拍は 110/分とショック状態でした。ヘモグロビン値は正常の半分と強い貧血を認めました。腹部CT検査では、すい臓と脾臓の間に5cmのすい仮性嚢胞を認めました。腫れた脾臓の中には造影剤の漏れを認め、脾臓の中に出血していることがわかりました。
ただちに、血管造影検査をおこない、脾動脈にスポンゼルというゼリー状の詰め物をし、脾臓内出血を止めました。
輸血もおこない、ようやく血圧も上昇してきました。全身状態が落ち着いた1週間後に、すい仮性嚢胞とすい臓の半分と脾臓の摘出術がおこなわれました。お腹を正中切開すると、そこは血の海でした。脾臓内で出血した血液がどんどん腹腔内に染み出てきたのでしょう。真っ赤な血液で満たされたお腹はショッキングな光景でした。

手術後の経過は良好で、インスリン治療が必要となりましが、無事退院されました。

頑丈な動脈をも溶かして穴を開けてしまうすい液は、強烈な消化液であることが証明されました。同様に、すい液が溜まっている「すい嚢胞」の取り扱いにも十分慎重に行なわなければいけません。

最後に、もうひとつ。美味しいものが残っていても、「もったいない」と思って余計に食べてはいけません。

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