医療に関する話 大腸アメーバ症

神戸大学大学院寄生虫学研究室HPより今年、当院で大腸アメーバ症の方が2人見つかりました。
アメーバ症は赤痢アメーバによる感染症です。赤痢アメーバは栄養型と嚢子の2つの形態をとります。栄養型は大腸粘膜に定着し、活発に運動し細菌や組織を食べて増殖します。栄養型の一部は嚢子となり、便とともに体外に出ていきます。嚢子は人から人へ直接感染するか、食べ物や水を介して感染します。

20年程前に大学病院に勤めていた頃、大腸アメーバ症の患者さんは珍しかったので、学会発表した記憶があります。大腸カメラで採集した生の標本を直ぐに顕微鏡で見ると、活発に運動している栄養型アメーバを観察できました。当時は、同性愛者に見られる病気(口と肛門の接触で感染するため)という認識でした。

人とモノの交流が盛んになった現在では、海外に行かなくとも、自分の知らない間に開発途上国の生野菜を口にしているかも知れません。嚢子は煮沸しない限り死滅しませんから、嚢子の付いた生野菜を食べれば、アメーバに感染するリスクがあります。

26年間で1人しか見たことがなかった大腸アメーバ症に1年間で2人も遭遇したということは単なる偶然でしょうか? アメーバ症がまん延しているのではないかと心配です。

なお、大腸アメーバ症の治療は保険診療では出来ません。これも困った問題です。

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