医療の話   嘔吐下痢症(ノロウイルス胃腸炎)

お腹痛い!今年の冬、大流行している「ノロウイルスによる嘔吐下痢症」ですが、当院も胃腸炎の症状で来院される方が多くなりました。

① 細菌?ウイルス?
一般に細菌性の胃腸炎(いわゆる食あたりです)では白血球が増えています。その中でも、好中球の比率がグッと高くなります。一方、ノロウイルスなどのウイルス感染による胃腸炎では白血球数は変化しません。白血球の成分は、好中球の比率が低くなり、リンパ球の比率が高くなります。
当院では、腸炎の時は白血球数を測定します。細菌性腸炎であれば、抗生物質が有効ですが、ウイルスが原因であれば抗生物質は不要です。

② 本当にノロウイルス?
「家族がノロウイルスに感染しました」「職場でノロウイルスが流行っています」などの話を良く聞きます。「どんな検査でノロウイルスと診断されましたか?」と質問すると、ほとんどが問診だけです。何故、きちんと検査をしないかというと、保険診療では、3歳未満のお子さんと65歳以上の方しかノロウイルスの検査が出来ないからです(一部の例外はあります)。患者さんに安心感を与えるために確定的な説明をすることにも一理ありますが、私は、「ウイルス感染の可能性が高いでしょう。」と説明しています。

③ やっかいなウイルス
ノロウイルスに感染した人の吐物が一番の感染源になります。きれいに拭いたつもりでも、乾くと、ウイルスが空気中に飛散します。次亜塩素酸入りの消毒液(ハイターです)ですばやく丁寧に拭き取ることが重要です。一方、私達の体は、ノロウイルスに感染すると、下痢などの症状が消えても、2~4週間はウイルスを排出しています。油断は禁物です。

④ 外国の対応は?
欧米では、自宅での安静を奨励し、脱水症がひどい時だけ医療機関を受診するように指導しています。しかし、「ノロウイルスによる嘔吐下痢症で、脱水症は軽症だから、自宅安静で良い。」と的確に自己判断できる方は少ないと思います。

⑤ 当院の対策
ノロウイルス感染か否かが重要な方もいらっしゃいます。食品を扱う仕事の方や大勢の方と接する接客業の方、保育園や幼稚園の先生、などです。当院では、ご希望の方には、その場で判明する迅速ノロウイルス検査(自由診療扱い5,000円)をおこなっています。ただし、新鮮な便が必要ですので、院内のトイレで排便して頂くことになります。持参された便や綿棒を使って直腸から採取した場合は正確な診断が出来ませんので、予め、ご了承ください。

⑥ ノロウイルスに感染しないために・・・
有効な予防法がないのが現状です。強いて言えば、食事の前の手洗いしかありません。貝は感染のリスクが高い食材とされています。

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