診療報酬シリーズ(15)  複雑な在宅医療

このシリーズは、開業4年目の私の知識が、母校の新規開業した先生、あるいは、開業を控えている先生のお役にたてればと思い始めました。その対象でない方は読んでも面白くありませんので、予めご了承ください。
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高齢化が進み、かつ、入院ベット数を減らす政府の方針から、在宅医療のニーズが高まっています。政府は開業医が在宅診療に目を向けるように高い保険点数を付けています。しかし、在宅医療の算定は非常に複雑です。算定の誤りや、カルテの記載不備などがあれば、個別指導時に「自主返還(実際は強制返還ですが)」を求められます。私も、数名ではありますが、在宅医療をおこなっています。経験した幾つかの注意事項をあげてみます。

【往診と在宅医療の区別】
往診(720点)は急に依頼が来て出向くもので、在宅患者訪問診療(830点)は計画的に訪問診療をすることです。往診も訪問診療もまったく同じ医療行為ですが、点数が異なります。例えば、往診に行くことが昨日から予定されていれば訪問診療で、今日、急に決まったならば往診です。

【在宅医療計画書】
訪問診療では、在宅医療計画書を作成して患者さんに渡しておく必要があります。この書類がないと、在宅医療の算定分は全額返金しなければいけない事態になります。カルテに控えを残しておいてください。これほど重要なことを「診療点数早見表」では、小さな字で1行書いてあるだけです。悪意すら感じます。
訪問診療を始める際に、「在宅支援診療所」の施設基準を取得されると思います(意外なほど簡単に、施設基準は取れます。)。届けを出す際に、在宅医療計画書のひな型も提出しなければいけないのです。ここが味噌ですね。

【在宅時医学総合管理料】4,500点(1回/月)
月に2回以上訪問診療をおこなえば、この管理料が加算出来ます。
例えば、月に1回の訪問診療をおこなうと、830点ですが、月に2回おこなうと、830x2(1,660点)+4,500点6,160点に跳ね上がります。不思議ですね。「最低、月に2回程度は患者さんを訪問してください。」という意味なのでしょうか。

【在宅がん医療総合診療料】1,685点(1日あたり)
1週間のうち(日曜~土曜)に、医師の訪問診療も訪問看護も1回以上あり、かつ、その合計が4回以上あれば、7日分が算定できます(合計4日しか医療行為をおこなっていなくても、7日分算定可能)。不思議ですね。

【算定できるけど、しないという方法】
例えば、24時間体制で管理しなくても良いような状態の患者さんには、在宅支援診療所としての料金ではなく、一般の診療所の往診という算定でもいいのです。そのかわり、管理体制を厳しく審査されることはありません。

当分、高額な保険点数は続くと思いますが、在宅医療が普及すれば、速やかに減点されていくでしょう。目先の点数に惑わされず、自分の診療スタイルを確立したいと思います。

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