医療の話 虫垂炎(下巻)
たびたび遭遇するけれども、意外に診断が難しい「虫垂炎」(いわゆる盲腸というやつです。)について、前回からの続きです。
今年になって虫垂炎と診断して、総合病院の外科に紹介した患者さんのなかに、CT検査の結果、虫垂炎ではなかった方が2名(Aさん,Bさん)いらっしゃいました。
また、その一方で、腹痛の原因を調べるために救急病院でCT検査をお願いして、虫垂炎とわかった患者さんが3名(Cさん,Dさん,Eさん)いらっしゃいました。
この5名の方々について、虫垂炎の診断ポイント8項目を再検証してみました。
【結果】
Aさん:6点
Bさん:5点
Cさん:5点
Dさん:3点
Eさん:0点
【思ったこと】
Aさん、Bさんに関しては、総合病院で抗生物質の処方がされています。確定診断の基準となる7ポイントを下回っていたわけですから、クリニックで抗生物質を処方して、患者さんにもうしばらく様子をみることを提案するべきだったと反省しています。
Cさん、Dさん、Eさんとも、確定診断の目安となる7ポイントを大きく下回っていたので、診断は難しかったと思います。特にDさんとEさんは、虫垂炎を否定して良い4ポイント以下ですから、CT検査の結果を知った時は「まさか!」と思いました。3名とも虫垂炎の手術が無事に施行されています。
クリニックに来院される時点では、痛みが未だ右下腹部に移動していない状態であることもたびたびあります。腹痛で来院された場合は、常に「虫垂炎」の可能性を念頭に置き、もっともっと診断の精度を上げていこうと思いました。
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