平成26年診療報告から(2) 早期食道ガン
平成26年診療報告から
食道がんが見つかった方が2名います。
非常に早期の食道ガンが見つかった方の話です。
通常の食道観察の際に、わずかに、「白いザラザラとした印象の粘膜」がありました(写真左)。
ルゴールを散布すると、そのザラザラした部分から口側(写真の手前側です)に3cm程度の地図状の「淡染帯」が浮かび上がってきました(写真右)。
食道ガンはルゴールを散布しても、茶色に染まりません(不染帯)。この方の場合は、淡く染まっていました。なお、この染色は15分程で消えてしまいます。
この淡染帯に相当する部位を通常観察で見ると、まったくの正常粘膜にしか見えません。もし、この「白いザラザラとした印象の粘膜」に気づかなければ、ガンの存在に気付かなかったわけです。
生検ではガンと診断されませんでしたが、食道ガンの可能性が高いと判断し、大学病院を受診して頂きました。大学病院の生検でもガンと診断されませんでしたが、半年後の胃カメラでも、ルゴールの淡染帯がハッキリ確認されたため、内視鏡的に病変部だけが切除されました。その結果、ごく初期の食道ガンと診断されました。ガン細胞が食道の粘膜上皮とどまる最も浅いものでした(T1a-EP と表記します)。この段階で内視鏡的切除術を受ければ、100%完治します。大学病院の先生が粘り強く経過をみてくださったことに感謝しています。
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