診療報酬シリーズ(18)   誰が審査するのか?

このシリーズは、開業年目の私の知識が、母校の新規開業した先生、あるいは、開業を控えている先生のお役にたてればと思い始めました。その対象でない方は読んでも面白くありませんので、予めご了承ください。
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以前、重症急性膵炎の方で、「CRP(炎症反応物質)」が「過剰診療」との判断で査定されたことがありました。
私は急性膵炎を研究テーマとして仕事をしてきましたので、CRPが査定されたことに納得がいきませんでした。急性膵炎の最初の「重症度判定基準」の項目にはCRPは入っていませんでしたが、10年近い月日を経て、CRPが重要な指標になることが認知され、改訂版「重症度判定基準」に採用されることになったのです。その過程には、さまざまな臨床研究が積み重ねられていたのです。

審査をする人は急性膵炎の「重症度判定基準」にCRPが追加されたことを知っておられるのだろうか?
消化器内科に詳しい医師が審査されているのだろうか?
そもそも、医師が審査してくださっているのだろうか?
といった疑問がわいてきたのです。

保険者(国民健康保険、社会保険)は審査支払機関(民間法人)に審査を委託しています(国民健康保険連合会や社会保険診療報酬支払基金という名前です)。その審査員は開業医であったり、勤務医であったりするみたいです(詳しいことは知りません)。少なくとも、「レセプト審査のプロ」という方が選ばれているわけでは無いようです。さらに、審査の前に事務側が「予備審査」をされているようです。膨大なレセプトの量を限られた医師ですべてチェックすることは不可能ですから、当然です。この予備審査で「不適切」と判断されたレセプトだけが、審査員の手元に届けられるようです。

この予備審査は、審査支払機関に派遣された医療事務会社の社員が代行しています。当院も医療事務会社と契約していますが、とても優秀な方がレセプトをチェックして下さっています。医療事務は国家資格が無いので、個人の能力の差がとても大きいです。予備審査を担当される方々はどうでしょうか。わかりません。

このように推理していきますと、レセプトに出来るだけ丁寧に分かりやすい症状詳記をつけておく必要があると思います。

振り返って、自分の査定されたレセプトにおいても、「重症急性膵炎」は死亡率の高い難病であること、「重症度判定基準」というものがあるということ、最近、判定基準項目にCRPが追加されたことなどを、丁寧に症状詳記に書いていたならば、もしかしたら、その必要性を理解して頂いていたかも知れません。

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