心に残った話(12) 「うつ病?」

私のこれまでの24年間の医師としての経験の中で印象深いエピソードを時々紹介したいと思います。すべて実話ですが、個人の特定が出来ないように、場所や時代は多少事実とは違います。よかったら、読んでみてください。

今回の主人公は40代の女性です。何となく体調が思わしくない、気分がすぐれない、疲れやすいなどの症状で、悩んでおられました。近くのクリニックを受診した時は、コレステロール値が高いことぐらいで、特に異常はないと言われたそうです。ご家族は、「うつ病」ではないかと心配されていました。少し、ふっくらとしたその方は、声がかすれており、髪も少し白髪交じりで、化粧っ気のない、疲れたような顔つきでした。血液検査で異常がなければ、心療内科か精神科にお願いしようと思いつつ、検査をした結果、「甲状腺機能低下症」という病気でした。心の病ではなく、元気の源となる甲状腺ホルモンが不足しているために起こった内科の病気だったのです。代謝が悪いために、コレステロールが消費されず、体に溜っていったために高値になったわけです。ホルモン剤(内服薬)を補充すると、みるみる元気を取り戻されました。このまま気が付かないで過ごしていたらと思うと、ゾッとします。改めて、医師という仕事の責任の重さを感じました。

【一口メモ】我が国には、甲状腺機能低下症の一歩手前の「潜在的な甲状腺機能低下症」の方が600万人以上いると言われています。コレステロールが高いのは、栄養過多とは限りません。一度は、甲状腺機能をチェックしてみるべきなのですが、見逃されているケースが多いようです。

One Response to “心に残った話(12) 「うつ病?」”

  1. ごう Says:

    なにげに写真がGood MatchでFineセレクトですね☆ネタさがすのに結構時間かかってるのかな?とか勝手に考えてます。毎回楽しみにしておりまーす。

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