胃がんの手術 「観音開き法」

【30代女性】
会社の健診で「血中ヘリコバクターピロリ抗体陽性」を指摘され、当院を受診されました。保険診療ではピロリ菌の除菌の前に胃カメラを受けておくことが必要です。胃カメラで、胃の入り口に小さな胃がんが見つかり、手術になりました。このたび、数年ぶりに当院を受診されたのですが、ハツラツとされていました。食事も手術する前と全く変わず、美味しく何でも食べられるとのこと。体重も手術前とまったく変わらないそうです。
胃の口側(上側)を切除して、食道と肛門側(下側)の胃とつなぎます。
通常、胃がんの手術はがんの部位を含めて肛門側(下側)を切除します。そして、残った口側の胃(上側)と十二指腸を吻合します。ですから、胃の入り口にがんが出来た場合、もったいない気もするけれど、胃を全部取ってしまわなければいけません。この方も、多分そうなるだろうと想像していました。
胃を全部取ると、ご飯が少しずつしか食べられないため、10~15kg痩せるのが常です。

ところが、この方は、噴門側切除術(挿絵参照)を受け、同時に、食道と残胃の間で逆流が起こらないように胃粘膜を使った人工弁を付けてもらったのです。その弁が「観音開き」のように開け閉めするので、「観音開き法」と名付けられています。「観音開き法」の一番のメリットは無理なく栄養が維持出来ることです。この手術法は1998年に日本で開発されました。(*噴門:胃の入り口)

胃の機能が温存されたうえに、胃から食道への逆流が防止されているため、患者さんの術後はとてもハッピーです。今回初めて「観音開き術」を受けた方とお話することが出来、その効果に大変感銘を受けました。

【追伸】この方は会社の健診でピロリ菌を調べたことで、命が助かったのですよね。とても幸運な方だと思います。

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