失神

10代女性】学校生活の中で、時々、「脳貧血」をおこし、ひどい時には、失神を来すことがあるとのことでお父さんと来院されました。失神で倒れても、怪我はないとのことです。お父さんから、専門医への紹介を依頼されました。

お話を聞きながら、失神で倒れても、怪我したことが無いことから、心因的な要素が大きいのではないか(ヒステリーのひとつ)と判断し、心療内科で診てもらうことを提案しました。しかし、お父さんから、心の不調というより、心臓関係が心配であるとの訴えから、大学病院の循環器内科で診てもらうように紹介状を作成しました。
その結果、『神経調節性失神』と診断され、比較的軽いため、起立調節訓練法の治療が始まりました。数か月トレーニングを続けることによって、すっかり失神発作は影をひそめたとのことです。

神経調節性失神の中で最も多いタイプは血管迷走神経失神です。長時間の立位(あるいは座位)姿勢や下半身の陰圧負荷(排尿・排便など)、あるいは恐怖や痛みなどのストレスが加わった状況で発生します。その時、血圧が一気に下がったり、急に徐脈になったりして、いわゆる「脳貧血」の状態になっているわけです。
軽症では、前駆症状があり、失神までに数秒を要するため、失神による怪我がないようです。
神経調節性失神はトレーニングによって病気を克服することが可能です。図の様に壁に頭と背中とお尻を密着させ、30分間立ったまま静止します。この時、下半身を動かさないようにすることが重要です。

「怪我をしていないからヒステリーだろう」と考えるのは短絡的過ぎたと反省しています。そして、今回一番感じたのは、親の愛情の深さです。お父さんは誰よりもお嬢さんの良き理解者だったのですね。

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