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中野胃腸クリニックBLOG

2 月 23 日, 2022

よもやま話(115話) 税金について

確定申告の季節がやってきました。私が、税金について日ごろ感じていることを思うままに書いてみます。なお、私は、税金の専門家では無いので、間違っていたらごめんなさい。

どうせなら気持ち良く支払いたいです。税率
社会保険料を含めた我が国の税率は約48%です。給与の半分は税金として差し出しているのです。これは、江戸時代、徳川幕府に納める年貢よりかなり高いそうです。しかし、当時は、インフラも整備されていませんし、年金制度もありません。ましてや、国防のための防衛費も必要なかったわけですから、単純に比較はできません。ただし、北欧の福祉が充実した国々と比べると割高な印象です。

給与明細
給与明細をみてもらうと、社会保険料(健康保険+厚生年金)が差し引かれていると思います。それと同じ額を事業主が支払っています。この仕組みは、自分が経営者になって初めて知りました。社会保険料は、この20~30年間でになったそうです。開業医の大先輩の話によると、社会保険料は、昔はボーナスに適応されていなかったので、月給は低く抑えて、ボーナスをはずんでいたとのことです。古き良き時代の話です。

個人事業主とサラリーマンの違い
個人事業主は収益から必要経費を差し引いた残りに税金がかかりますが、サラリーマンは先に税金をひかれてから給与をもらいます。個人事業主とサラリーマンが同じものを購入したとします。前者は必要経費として落とせるので、法人税(約25%)が少なくなり、25%引きで買ったことになります。「日本は法人天国」と言われるゆえんです。

相続税
アメリカや中国には(大まかに言って)相続税がありません。だから、一族子孫のために莫大な財産を残そうと頑張っているイメージがあります。マイクロソフト社を起業したビルゲイツ氏は、東日本と同じくらいの広さの土地をアメリカに所有しているそうです。一方、我が国は累進課税の相続税があります。高額な相続税を払うために、土地や家を売らなければならなくなり、田園調布では街の景観に悪影響が出ていると報じられていた記憶があります。和歌山県にいくつもの山を持っているおばあさんが強盗に拉致されて、多額の身代金を払ってやっと解放してもらう、という映画がありました。実は、強盗とおばあさんは仲間で、多額の身代金を支払ったために相続税が免除され、山々がそのまま子孫に残せたというストーリーでした。なお、身代金はおばあさんの家の庭のほこらに埋めて隠していました。もし、相続税にも良い点があるとするならば、子孫のために資産を残す事が出来ないのであれば、生きているうちに世の中のために資産を活用しよう。』と考えを導かせる効果があるかもしれません。

日本は半分、社会主義国的な資本主義国だと思います。

【おまけ】NHKが法人税を免除されていることを最近知りました!

2 月 16 日, 2022

2021年を振り返って②(大腸カメラ編)

昨年も大勢の方に胃・大腸内視鏡検査を受けて頂きました。有難うございました。自分なりに2021年を振り返ってみようと思います。

3機種体制
これまでは、標準タイプ(CF-H260AI)と細径タイプ(PCF-PQ260I)の2種類のカメラで検査をおこなってきましたが、2021年にこれら2機種の中間に位置するPCF-H290Iを新たに採用しました。この機種は、背が高くて痩せ型の方に特に威力を発揮します。一般的に腸の長さは身長に比例しますので、背が高い人は腸が長いです。しかも、痩せ型の方は、狭いお腹の中に長い腸がおさまっているわけですから、スコープには、柔らかいことと直進性に優れていることが求められます。これらの相反する機能を兼ね備えているのがPCF-H290Iです。2機種から3機種に増やしたことで、検査をより苦痛なく安全に行えるようになりました。

大腸粘膜の5層構造です。直腸粘膜内がんでリンパ管浸潤陽性
直腸ポリープをポリペクトミーした結果、粘膜内がんでリンパ管浸潤を認めるという病理結果が届きました。リンパ管浸潤があれば、原則、リンパ節郭清を含めた追加の手術が必要です。しかし、粘膜内がんがリンパ節転移することは無いというのも、大原則です。この矛盾する2つの結果をどのように扱えば良いのか難しい問題です。
結論から申しますと、大学病院でリンパ節郭清を伴う低位前方切除術が施行されました。リンパ節転移は1つも認めなかったため、『ステージ0』と診断されています。
後日、病理の先生に一連の経過について意見を伺ったところ、病理医は『陰性』という結果は信用しない。信用するのは『陽性』だけと答えて頂きました。標本を薄切して作ったプレパラートにがん細胞が無かった(陰性)としても、切り出していない部位にがん細胞があるかもしれません。ですから、リンパ節転移は無かったと判断するのではなくて、標本を作ったところにはがん細胞が無かったと考えるわけです。この患者さんの場合、確かな事実は切除したポリープ(がん)に『リンパ管浸潤があった』ということだけです。ですから、「リンパ節転移が無かったのなら、結果的には追加の手術はしなくても良かった。」なんて後悔する必要はないのです。今回、病理の先生の考え方が聞けてとても勉強になりました。

大腸smがん
直腸に2cm大の亜有茎性のポリープを認めました。生検でグループ5(がん)が確認されました。内視鏡治療の適応ではないと判断し総合病院を紹介しました。その後、外科的切除術を受けておられます。がんの深達度は粘膜下層の深いところ(1,000μm以上)まで浸潤していました。それでも、リンパ節転移は無かったので、「ステージ0」でした。抗がん剤治療も不要です。良かったですね。

直腸カルチノイド
直腸に「粘膜下腫瘍」の形態を呈した5mm大の隆起を認めました。生検の結果、カルチノイドと診断されました。総合病院で内視鏡治療が施行されています。

直腸粘膜脱症候群
排便時間が長かったり、排便時にいきんでしまう習慣が契機となり、直腸粘膜の形態変化を起こしてしまう疾患です。組織学的には腺維筋症を認めます。内視鏡所見では、潰瘍型、平坦型、隆起型など、外観は多彩です。
①肛門部に分葉上のポリープとして認められた方がいました。生検で本疾患と診断がつきました。排便指導をおこないました。
②隆起型の直腸粘膜脱症候群を来していた方が、3年間の排便習慣の改善の成果を見ようと大腸内視鏡検査を受けに来られました。今回、3年前にあった肛門部の隆起は消失していました。

2 月 6 日, 2022

2021年を振り返って①(胃カメラ編)

昨年も大勢の方に胃・大腸内視鏡検査を受けて頂きました。有難うございました。自分なりに2021年を振り返ってみようと思います。

観察の工夫
胃カメラの際に、患者さんに協力してもらうことで、より詳細に観察出来ることがあります。内視鏡学会が主催する教育講演会などで知り、さっそく当院でも取り入れました。
①食道胃接合部は、患者さんに大きく息を吸ってもらって止めると、見たい所が良く広がって観察が容易になります。
②胃体上部大湾のひだが送気しても充分に伸展しない場合、患者さんに顔は横を向いたまま、お腹を上に向いてもらうと、胃が体の一番上に来るためにひだが良く伸びます。
今更という内容ですが、良いことはドンドン取り入れていこうと思います。

微小胃がん(5mm以下のがん)
体上部後壁の小さなビランでした。チョッと血が付いていたので気になって生検したところ、グループ2でした。数ヵ月後、再度、同じところを生検すると、今度はグループ5(がん)と診断がつきました。大学病院で内視鏡治療を受け、完治しています(粘膜内がん)。

毛細血管拡張症による胃出血
軽度の貧血の精査のために胃カメラをおこなった際に、直径5mm程度の赤い斑点を認めました。近づいて観察すると、毛細血管の固まりが観察されました。その周囲はやや白い粘膜になることが多く「日の丸紅斑」と言われています。送気による過伸展でも容易ににじみ出るような出血を来しました。これが、貧血の原因だったわけです。大学病院で、アルゴンプラズマによる粘膜焼灼術を受け完治しています。

胃マルトリンパ腫
胃がん検診で発見されました。数か月前から胃の重い感じがあったため、検診を受けられました。胃マルトリンパ腫の主な病因はピロリ菌感染です。ですから、ピロリ菌の除菌でマルトリンパ腫の大きな治療効果が得られます。この方の治療は総合病院にお願いしましたが、ピロリ菌の除菌で寛解しました。

たたみ目食道粘膜がん(深達度:粘膜筋板m3)
食道をNBIに切り替えて観察していて見つかりました。通常観察では気が付いていませんでした。青緑の視野に中にぽつんと茶色のスポットが浮かび上がっていたのです。さらにルゴールを散布してみると、病変部に一致するルゴール不染帯が浮かび上がりました。この時、偶然に食道の蠕動運動で生じる「畳目ひだ」がほんの数秒間生じました。畳目ひだがいつ生じるかなんて分りません。検査中一度も出ないことの方が多いです。正常粘膜には入っている畳目ひだが病変部には入っていない決定的瞬間を写真に収めることが出来ました(写真参照)。この現象は、がんが粘膜筋板に達していることを意味します。実際、大学病院で内視鏡治療を受けた結果も、がんの深さは粘膜筋板(m3)と診断されました。説得力のある内視鏡写真を紹介状に添えることが出来て良かったです。画面3時方向の白い所が病気です。そこだけたたみ目ひだがありません。

1 月 23 日, 2022

高コレステロール血症は生活習慣病ですか?

今回のブログは「高コレステロール血症」について考察しています。中性脂肪を含めた高脂血症についてではありません。
コレステロールを多く含む食材です。食事や運動を見直すことで予防や治療の一環になるのが生活習慣病です。高血圧や糖尿病が代表的なものです。高コレステロール血症はどうでしょうか。コレステロールの80%は体内で産生され、残りの20%が食事によって体内に取り込まれます。食事によるコレステロールを控えると、減った分を補おうと体内で余計に作りますので、血中のコレステロール値は変わりません。高コレステロール血症は、食事制限で改善しないのです。厚生労働省のホームページからコレステロールの一日の最大摂取量の記載が削除されています。
一方、運動ではコレステロールが下がらないことが既に証明されています。食事も運動もコレステロール値を下げることは出来ないのです。

高コレステロール血症は何のために治療するのか?その答は動脈硬化を予防し、将来の脳梗塞や心筋梗塞にならないようにするためです。メタボリック症候群は高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満から成り立つ症候群です。この4項目が揃うと「死の四重奏」と言われています。この4項目のうち、2項目以上が満たされると、脳梗塞や心筋梗塞になるリスクががぜん高くなります。しかし、1項目だけであれば、4項目とも持たない健常人とほとんど差は無いのです。ですから、高コレステロール血症だけの方は、その値にもよりますが(さすがに総コレステロール値が300以上であれば内服治療を受けた方が良いでしょう。)、あえて内服治療はしなくても良いと考えています。

メッドライン(医学系の検索サイト)で高コレステロール血症を検索すると、2012年以降の論文がヒットしません。10年以上前の古い論文を読んでも、コレステロールは食事制限や運動で下がると言われていた時代のものですから、役に立ちません。
このような状況から察するに、現在、高コレステロール血症に対する明確な対症方法が確立していないと思われます。ただし、トランス脂肪酸(マーガリン)と過酸化脂質(古くなった油)が体に良くないことは明らかです。

1 月 16 日, 2022

よもやま話 114話「耳障りなフレーズ」

NHKのニュースキャスターが一番嫌いです。『今、〇〇〇が問われています』

ニュースキャスターが良く使うフレーズです。難しい問題、特に答が簡単には見つからないような時に、好んで使われる言い回しです。「問われています」と責めたてられている印象を受けますが、では、『問うている』のは誰なのでしょうか? メディアもしくは国民ということになります。国民の一人である私は、そんなことを問いただしていません。難しい問題は、専門家や経験者に任せるべきだと考えるからです。

『△△△かなぁ、って思います』
このフレーズは自分の意見をマイルドにする手法です。どうして、「△△△と思います」と言えないのか不思議です。学生時代、眼科の授業中のことでした。教授の質問に対して、ある学生が「~と思います。」と答えたら、「私はあなたの意見が聞きたいのではない。事実を聞いているのです。」とその学生をしかりました。「~です。」と答えるべきだったわけです。「思います」ですら注意を受けたのに、「かなぁ、って思います」と答えていたら、この教授は怒り心頭に達していたことでしょうね。

『如何なものでしょうか?』
一時期、頻繁に耳にしていたフレーズですが、最近はそれ程聞かなくなりました。ニュース解説者が好んで使う印象です。文字におこすと、いかがなものかと思っただけで、「良い」とも「悪い」とも言っていないという言い逃れが出来ますが、口調は明らかに批判しています。責任逃れのずるい言葉です。

『個人的には〇〇と思います。』
自分の考えは個人的です。個人的ではない自分の考えがありますか?と聞きたいです。

救急車で運ばれた
救急車で連れて行かれた」なんていう表現もありました。あなたが呼ばなければ、救急車は来ません!と言いたい。『救急車で運んでもらった』の方が、断然、感じ良いです。

こんなことばかり考えている私は、ドンドン偏屈者になっていくのでしょうね。気を付けなければいけません。でも、言いたいことを言って、スッキリしました。何か?

1 月 6 日, 2022

令和3年の診療報告

令和3年、新型コロナウイルス感染症が蔓延する中、多くの方が当クリニックを受診してくださいました。本当にありがとうございました。
当院を知って頂くために、昨年1年間の診療内容をご報告いたします。

1) 内視鏡検査を受けた方が2,057名います。
胃カメラを受けた方 1,210
大腸カメラを受けた方 847
『胃ドック』を受けた方 
『胃腸ドック』を受けた方 

食道がんが見つかった方が名います。

胃がんが見つかった方が名います。
名はがんの大きさが5mm以下の微小胃がんでした。
内視鏡治療の適応となった方が名います。
北九州市の胃がん検診を受けた方が127名います。
胃マルトリンパ腫の方が名います。

大腸がんが見つかった方が11名います。
名の方は粘膜内がんであったため、内視鏡治療で完治しています。
直腸カルチノイドの方が名います。内視鏡治療で完治しています。
直腸悪性黒色腫の方が名います。現在、精査加療中です。
大腸ポリープ切除術を受けた方が208名います。

2) ピロリ菌の除菌に成功した方が101名います。
ヘリコバクターピロリ菌に感染している場合、まず1次除菌をおこないます。
1次除菌で菌が消えなかった場合は、2次除菌をおこないます。
2次除菌で菌が消えなかった場合、3次除菌をおこなうこともあります(自費)。

1次除菌で菌が消えた方が83名います。
2次除菌で菌が消えた方が17名います。
3次除菌で菌が消えた方が名います。

3) 炎症性腸疾患
潰瘍性大腸炎の方が60名います。
名の方は生物学的製剤(ヒュミラ)の投与を受けています。
メサラジン不耐症を呈した方が名います。
クローン病の方が名います。
名の方が生物学的製剤(レミケード5名、ヒュミラ1名)の投与を受けています。
腸型ベーチェット病の方が名います。

4) 細菌性腸炎
便の培養詳細で細菌が検出された方が名います。
一番多かったのは、黄色ブドウ球菌(名)で、次に多かったのが病原性大腸菌(名)でした。

5) 急性虫垂炎が名います。
名は手術になりました。
名は抗生物質の投与で軽快しています。

6) 肝臓の病気
B型肝炎に対する抗ウイルス剤(バラクルード)の投与を受けた方が名います。
原発性胆汁性胆管炎の方が14名います。
自己免疫性肝炎の方が名います。

7) 胆道疾患
胆石が見つかった方が26名います。
10名が手術を受けられました。
総胆管結石の方が名います。
名が内視鏡治療を受けられました。

8) すい臓の病気
急性膵炎(胆石性)の方が名います。
慢性膵炎の方が名います(アルコール性名、特発性名)。

9) 糖尿病
インスリン治療を受けた方が名います。
インクレチン関連薬(DDP-4阻害薬)の投与を受けた方が52名います。
SGLT2阻害薬(余分な糖を尿に排泄する薬)の投与を受けた方が名います。

10)甲状腺の病気の方が18名います。
甲状腺機能亢進症(バセドウ氏病) 2名
甲状腺機能低下症(橋本病) 16名

11)禁煙外来を受けた方が6名います。

12)24時間心電図を受けた方が名います。

13)スパイログラフィー(肺年齢測定)を受けた方が名います。

14)ノロウイルス検査を受けた方が名います。

15)尿中トリプシノーゲン2簡易試験を受けた方が13名います。
陽性だった方が名います。

16)その他
原発性アルドステロン症、直腸粘膜脱症候群、慢性骨髄性白血病、悪性リンパ腫、レンメル症候群、腸重積(手術)、下垂体腺腫(手術)、好酸球性多発血管炎性肉芽腫、胃毛細血管拡張(出血)、前立腺がん、腹膜偽粘液腫

1 月 1 日, 2022

新年、明けましておめでとうございます。

今年は寅年です。旧年中は当院をご利用いただき、ありがとうございました。
本年もよろしくお願いいたします。
コロナウイルス感染症が全世界に感染拡大して、3年目を迎えました。
何とか、今年中には終息してもらいたいものです。
日々、気を付けてお過ごしください。

令和4年 元旦 中野胃腸クリニック 中野重一

11 月 21 日, 2021

新型コロナウイルス感染症⑨ 2021年を振り返って

太い青線が日本です!

日本内科学会雑誌2021年11月号の特集に『COVID-19パンデミック~二年を振り返る~』サブタイトル「COVID-19の終息にむけた光は見えているのでしょうか?」とありました。

この1年間の世界の国別新規感染者数の動向を表したグラフをお示しします。公平に比較できるように人口100万人当たりで表記されています。
世界に先駆けてワクチン接種を始めたアメリカイギリスですが、新規感染者数は増減を繰り返しています。もっとも、ワクチンが無ければ、このグラフに収まらないような数になっていたと思いますが。また、全国民にほぼ強制的にワクチン接種を実施しているイスラエルでも新規感染者はコントロール出来ていません。ワクチンだけでは新型コロナウイルスを鎮静化出来ないことを明確に表しています。
一方、日本をはじめ、オーストラリアニュージーランド台湾などは、相対的に新規患者数が少ないと言えます。これらの国に共通していることは、『島国』という地理的な条件ではないでしょうか。感染者が一人出ただけでもロックダウンをおこなったニュージーランドや、どの薬局に何枚マスクの在庫があるかスマホでチェックできるシステムをつくった台湾など、すべてが「お願いベース」的な日本と政策においてはかなり異なりますが、いずれも新規感染者数は低く抑えられています。つまり、政策の違いは、新規感染者数に大きな影響は無かったのではないでしょうか。それよりも、海外からの感染者の入国を食い止める水際対策が重要であることを物語っていると思います。
このグラフを見た時、「日本に生まれて良かった。」と思いました。日本国民も日本政府も良く頑張っているし、その成果がこのグラフに出ています。

サブタイトルの「COVID-19の終息にむけた光は見えているのでしょうか?」の答えは、どこにも書いてありませんでした。それが答なのでしょうね。

【追記】
イギリスが世界に先駆けてワクチン接種を開始しました。有効性も安全性も解らない、これまでのように卵の中で作ったものではなく、遺伝子操作で作った人工的なワクチンを、兎に角、何もしないより打ってみようと思う国民の勇気がスゴイと思いました。大英帝国だった頃の気質は今も引き継がれているんですね。

10 月 31 日, 2021

次の内視鏡検査はいつ受けるべきか?

定期点検!胃カメラや大腸カメラを受けた方の最も多い質問のひとつに「次はいつ検査を受けたらいいですか?」というのがあります。
内視鏡関連のガイドラインにも検査の間隔を明記したものはありません。答えに困るのですが、せっかくの質問ですから、自分の考えを話しています。

① 過去に一度もピロリ菌感染していない胃
萎縮性胃炎もなくピロリ菌感染もしていなければ、胃潰瘍や胃がんになるリスクは非常に低いので、3年後で良いのではないでしょうか。一般に、胃がんが内視鏡検査でわかる大きさに育つのに平均3年かかると考えられていることから、3年間は大丈夫でしょう。ピロリ菌のいない方に胃底腺ポリープをたびたび見かけますが、胃底腺ポリープはがん化しないと考えてよいので、経過観察は不要です(ただし、胃底腺ポリープががん化した症例報告もあります。例外的なことを気にしていたらキリがないですから)。

② ピロリ菌除菌後
除菌によって胃がんのリスクはかなり低く抑え込まれます。除菌の時期が若ければ若い程、胃がんの予防効果は大きいとされています。内視鏡学会は、除菌によって胃がんが100%予防できるわけではないので、除菌後も定期的に内視鏡検査を受けることを必ず患者さんに伝えるように勧告しています。そうはいっても、せっかく除菌に成功したのだから、少しは内視鏡検査から解放させてあげたい気持から私は「2年後」の検査を勧めています。ただし、萎縮性胃炎が非常に強い中高年の方には、「1年後」の検査を指示しています。

③ 早期の食道がんが疑われる場合
早期食道がんはわずかな粘膜の変化を来すのみで、見つけること自体が非常に難しいがんです。しかし、がんが粘膜内に留まっていれば、内視鏡治療の絶対的適応となりますので、是非この状態で見つけ出したいものです。食道がんが粘膜内に留まっている期間は1年程度と考えられていますので、「1年以内」の再検査を指示しています。

④大腸ポリープ切除(ポリペクトミー)をおこなった場合
当院では、1年後に再検査をし、1年後に何も異常が無ければ、その後は2年あるいは3年後の検査を提案しています。通電しないで切除するコールドポリペクトミーの場合には、1年後の検査をとばして、2~3年後の検査を提案しています。コールドポリペクトミーの対象が比較的小さな良性のポリープだからです。
最近、Japan Polyp Study という日本の研究グループ(*)から大腸ポリープ切除後の検査間隔に関する研究が報告されました(**)。これは、1年以内に2回の大腸内視鏡検査をおこない、すべてのポリープを切除した後に、年後と3年後の2回検査をする群と3年後に1回検査をする群に分けて3年後の再発を検討したところ、両群の間に差が無かったという報告です。
大腸は長く屈曲が強い上に、ひだが立っていますから、見落としがある程度出てきます。そこで、2回検査をして異常なければ、「クリーンコロン」といって異常ないと判断して良いことになっています。ですから、最初に1年以内に2回検査(治療)をするわけです。そして、その後の検査は「3年後」で大丈夫だったという結論です。
奇しくも、当院でおこなっている検査計画とほとんど同じプロトコールであり、その上、その方法が正しいことが証明されました。偶然とはいえ、とても自信になりました。

(*)国立がん研究センターを中心とする全国11の医療施設
(**)内視鏡的大腸ポリープ切除後のサーベイランス間隔に関するランダム化比較試験:Japan Polyp Study <Gut 2020>

10 月 27 日, 2021

協会けんぽへの道 その後

協会けんぽの健診を始めて半年が過ぎました。毎月4~6名の方に健診を受けて頂いています。私もスタッフも協会けんぽの健診業務にようやく慣れてきたところです。

良い結果だと嬉しい!勤務医の時も健診業務の分担はありました。開業してからも国民健康保険の特定健診などを扱ってきていました。しかし、正直なところ、真剣には向き合っていませんでした。ところが、今回、自ら健診機関に応募して、採用してもらって、健診を受ける人が出てくると、嬉しいものです。心の中で「中野胃腸クリニックを選んでくださり、ありがとうございます!」と叫んでいます。

検査結果だけではなく、生活習慣のアンケートを見ていますと、いろいろ日々の生活風景がイメージされてきます。特に気を付けているのが、このままでは近い将来病気になるかもしれない状況にいる方へのアドバイスです。病気になってから一生懸命治療に励むのであれば、その前に生活習慣を見直すことの方が大切ですから。ここに、健診の意義があると思います。100文字ぐらいの健診医のコメント欄にインパクトのある言葉を入れようと奮闘中です。


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