9 月 26 日, 2016

ブログで診察(15)  排便困難

体のチョッとした不調や気になる症状、医師に一度聞いてみたかったと言われたことなどを日々の診療からピックアップしてブログで紹介しています。

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【質問】毎日排便はあるのですが、以前のような「スッキリ感」がありません。何とかスッキリ出せるようになる方法は無いでしょうか?(60代 男性)

答え】幾つか試してみる方法があります。
便秘でお悩みの方の7割は、排便困難(なかなか出ない)、硬便によるりきみ、残便感(スッキリ感の欠如)、頻回の便(1回で出きらない)、といった『排便困難症』を訴えておられます。便秘は単に排便回数が少ないというだけではないのです。

【自分で出来ること】
①水分を十分摂る(1日1L以上)。食物繊維をしっかり摂る(目標:1日20g)。
②排便姿勢を前屈みにする(大腿と背中の角度は35度)。脚台を置くと良いでしょう。
③規則正しい生活を送る。毎朝、トイレに行く習慣を付ける(出なくても良い)。
④肛門括約筋を鍛える(トレーニングの方法があります)。

【当院の治療】
お薬は酸化マグネシウム(マグネシウムが水分を腸内に引っ張り込む)かアミティーザ(新薬、小腸に作用します)が基本です。センナ(刺激性下剤:コーラック)は慢性的に使用すると、効き目が悪くなることが指摘されており、非常時のみに使用するように勧めています。坐薬に抵抗の無い方は新レシカルボン坐薬(直腸で二酸化炭素が発生する)を勧めています。アミティーザは、便秘薬としては30年ぶりの新薬です。この薬のおかげで、長年の辛い便秘から解放された方も少なからずいらっしゃいます。

9 月 16 日, 2016

よもやま話(105)  政治家の言葉

徹底的に「無駄を無くします。」政治関連のテレビ番組を観ていて、私にとってのキーワードが2つあります。

①安心安全
「それを目指す(確率を上げる)」という意味であることは理解していますが、それを成し遂げることは不可能です。安心安全な社会ってあり得ますか? いくら自分自身が気を付けていても、人口の一定の割合で犯罪者はいるのです。予期せぬ事故だって起こります。物体が動けば、運動エネルギーが発生するわけで、そのエネルギーは危険なものになりえます。
日本では子供が学校に行く時、玄関で送り迎えをします「いってらっしゃい」「おかえりなさい」と。映画を見ていると、アメリカでは親が車で学校まで送り迎えしています(スクールバスの場合もありますが)。少なくとも日本はアメリカより安心安全な国だと思います。

② 無駄を無くす。
以前、知り合いの大学病院の教授が「無駄を省くということで、秘書さんが配置されなくなってしまい、困っている。」と嘆いてました。
教授自らが、電話を取り、アポイントの管理をしているようです。
確かに、病院経営という視点でみれば、教授秘書は無駄でしょう。診療においては何の利益も出ませんから。しかし、教授が、診療・教育・研究に専念出来なければ、その方がよっぽど無駄だと思いませんか?
立場がかわれば、無駄の意味も変わるのかもしれません。

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9 月 1 日, 2016

膵がんと肥満

膵がんは、男女とも近年増加傾向にあります。男性はがん死の第位、女性は第位で、これは乳がんよりも多いのです。先日、膵炎症状から膵がんが見つかった方がおられました。BMIが30以上でした。
BMIとは?

50代の方で、心窩部痛と背部痛を主訴に来院されました。アルコールの摂取も普通ですし、特別高脂肪食や高蛋白食を好んで食べるというわけでもありません。エコー検査で胆石は認めませんでした。背部痛が気になったので、血中の膵酵素を測定したところ、アミラーゼ(炭水化物を分解する酵素)もリパーゼ(脂肪を分解する酵素)も上昇していました。特にリパーゼは正常上限の10倍でした。リパーゼは膵臓の病気以外で上がることは、ほとんどありません。膵臓の病気を見つけるのに非常に有用な検査です。そのリパーゼが異常に高い。膵炎の原因もはっきりしない。何か腑に落ちないものを感じたので、CT検査を受けて頂きました。その結果、2cmの膵腫瘍が見つかったのです。

膵臓に腫瘍が出来ると、正常な膵液の流れを妨げてしまいます。腫瘍によってせき止められた膵液が膵実質に炎症をおこし、また、血中に逸脱していきます。腫瘍があることに随伴しておこるので『随伴性膵炎』と言います。膵炎を診た時は、常に、念頭に入れておかなければいけません。

膵がんのリスクファクターとして、喫煙飲酒糖尿病、などがあります。意外と思われるかもしれませんが、肥満もリスクファクターです。肥満による高血糖や高脂血症が発癌を促進すると考えられています。この方の膵がんの原因は肥満だったかもしれません。

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8 月 23 日, 2016

低糖質(ローカーボ)ダイエット(5)  間食

それは、あまりにも衝撃的な患者さんの一言でした。「私、低糖質ダイエットで20kg痩せたんです。最初の1カ月で5kg痩せました。」
ムムッ! 聞き捨てならぬ。さっそく、低糖質(ローカーボ)ダイエットを始めました。

セブンに売ってます。自分自身がこれまで何度もダイエットを試みては失敗を繰り返してきた大きな要因の一つに間食があります。食事のカロリーを制限すれば、当然、お腹がすきますから、ついつい、間食をしてしまいます。その間食が、菓子パンなどの炭水化物だったら、最悪です。

間食をしないのが一番ですが、長年の習慣で、夕食の前か後に何か食べないと気が済まないので、どうしたら良いか思案中でした。その答えとして、①コンビニのミックスナッツ(一番小さいもの)を1個だけ買って帰る。②人工甘味料を使ったコーヒーゼリーを作り置きしておく。という解決策を見つけました。

ナッツは脂肪性分が多く、炭水化物は少ないです。カロリーは高いのですが、気にしません。食べ過ぎないように、一番小さい袋詰めのものを1個だけ買います。面倒だからと買い置きしておくと、つい2袋目も開けてしまうので、絶対に買い置きはしないように気をつけています。なお、日本の豆類は糖質を多く含んでいますので、注意してください。

人工甘味料は発癌性があることが指摘されていますが、その根拠となった実験は、とんでもない量の人工甘味料を投与していたり、そもそも実験のデザインが発癌性が出るように組んであったり、客観性、公平性に欠けるものです。「甘い」と感じることで癒されるのは事実ですし、人工甘味料で糖質制限しておけば、罪悪感なく、食後のデザートが楽しめます。簡単です。

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8 月 13 日, 2016

診療報酬シリーズ(20)  レセプトの返戻(へんれい)

このシリーズは、開業年目の私の知識が、母校の新規開業した先生、あるいは、開業を控えている先生のお役にたてればと思い始めました。その対象でない方は読んでも面白くありませんので、予めご了承ください。
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レセプトを提出してから、数か月後、場合によっては1年以上も経ってから、レセプトの「返戻」があります。審査支払機関から、「保険診療と認められないから、返金しなさい。」という通達です。一応、その理由がABC等で書かれていますが(A:過剰と思われる、B:云々、等)、個々のレセプトの詳細については、一切説明はありません。仮に問い合わせても、「審査された先生の意見は、ここではわかりません。」という返事が返ってくるだけです。

最近、高齢者の大腸カメラの査定が厳しくなりました。以前なら、大腸ポリープ等の病名が付いていれば、100%査定されることは無かったのですが、最近になって、査定されるレセプトがたまに出てきました。
「75才以上(後期高齢者)なのか?」
「病名(大腸ポリープ)の日付が古くないか?」
「前年にも大腸カメラをしていないか?」
「同じ月に胃カメラもしていないか?」
など、いくつか傾向を調べたのですが、一貫性は無く、無作為のようです。

この「たまに」というところが悩ましいのです。最近、ようやく、審査支払機関のやり方が分かってきました。
例えば、75歳以上の大腸カメラを「過剰診療」として一律査定すれば、「75歳以上は検査を受けるな、ということか!」と社会問題になるでしょう? しかし、審査支払機関としては、出来るだけ、医療費を減らしたいのが本音でしょう。そこで、たまに、査定するのです。そうすると、診療する側(医師)は、高齢者に大腸カメラをおこなうことを躊躇するようになります。検査に関する説明やいろいろな同意書の作成、前処置、内視鏡検査、等一連の手間ひまをかけて施行した大腸カメラが、認められなかったら、がっかりしますよね。時間と労力の無駄ですから。
私自身も高齢者の大腸カメラは、検査自体のリスクのこともありますが、査定のことも考えて、より慎重になりました。
こうやって、目に見えない形で診療に圧力をかけるんですね。
あえて、審査の基準を曖昧にすることで審査支払機関が患者さんからの非難を受けないで、検査(医療費)を抑制出来るわけです。

では、どうすればいいのでしょうか? 私の対策方法です。
①健診的な意味合いで検査は受けられないことを患者さんに説明する。
②病名を個々にレセプト毎に詳細に記載する。便潜血、大腸憩室症、大腸癌の術後、等。
③ポリープがあれば、生検する。

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8 月 3 日, 2016

アカラシア

バリウムがなかなか食道から胃に流れていきません!アカラシアとは下部食道噴門部(胃の入り口)が緩みにくくなることで、食物の通過障害を来たす病気です。先日、当院でアカラシアが見つかった方が、最新の手術を終えて、1年ぶりに来院されました。すっかり、元気になり表情も明るくなっておられました。

アカラシアは10万人に1人程度のまれな病気です。症状も嚥下困難、食欲不振、嘔吐、胸痛など、それほど特徴的なものはありません。そのために、診断に時間がかかることがしばしば見受けられます。摂食障害と診断され、心療内科に長く通院していた報告もあります。

その方は30代前半で、すでに、いくつかの病院を受診されていました。「逆流性食道炎」の診断のもと、抗潰瘍薬(プロトンポンプインヒビター)が処方されていましたが、あまり効果は無かったようです。当院で胃カメラを受けて頂きましたが、特に異常を認めませんでした。この方はとてもしっかりした受け応えで、病状を的確に説明されましたので、心因的な要因は無さそうでした。診断の決め手となったのは、「水が飲み込みにくい。」という言葉でした。アカラシアは、何故か、固形物よりも流動物の方が飲み込みにくいのです。アカラシアの可能性があることをご本人に説明し、大学病院を受診して頂きました。

その後、別の大学病院でアカラシアの根治手術「内視鏡的食道筋層切開術(POEM)」が施行されました。この治療法が導入されて以来、アカラシアは完治する病気になりました。なお、POEMは2008年、世界に先駆けて日本で実施されています。

患者さんが「先生に出会わなかったら、今の私は無かった。」と話してくださいました。医者冥利に尽きる最高の褒め言葉でした。

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7 月 20 日, 2016

乗馬日記(6) ふれあい

北九州市若松区の「若松乗馬倶楽部」に通うようになって、早や、10か月が過ぎました。上手に乗れるようになった時に、「そんなことも出来なかったのか。」と懐かしがってみたく乗馬日記を始めました。乗馬の最終目標は、「若松の海岸をさっそうと駆け抜ける」です。

こんな感じでグビグビ飲んでます。私が練習している馬は「ダニーボーイ(通称:ダニー)」という名前です。ほぼ毎回、ダニーに乗っています。練習が終わって、蹄洗場(ていせんじょう)に戻ってきたら、を外してあげて、ポカリスエット入りの水を飲ませます。ダニーの顔の前にバケツを持っていくと、バケツに鼻を突っ込んで、グイグイ飲みます。
先日、水を飲み終えたダニーがバケツを持っている私の手の甲を舐めてくれました。暖かくて、フワフワしていて、とっても気持ち良かったです。ダニーに乗り始めて10か月が経ちましたが、こんなことをしてくれたのは初めてでした。とっても嬉しかったです。たまたま、舐めただけなのかもしれませんが、私にはダニーが「ありがとう」と言っているように思えたのです。お礼にニンジンをあげました。
水を飲ませた後は、タオルで全身の汗を拭いてやり、ブラシをかけます。裏掘りをして、(ひずめ)を洗って、蹄油(ていゆ)を塗ります。最後に、立て髪やしっぽにブラシを入れて、厩舎に戻します。馬に乗っている時間よりも、手入れをする方が長くなりますが、それはそれで、楽しいひと時です。

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7 月 11 日, 2016

開院7周年を迎えて

早いもので、今日、開院して7周年を迎えることが出来ました。過ぎてしまえば、あっという間の7年間でしたが、試行錯誤の繰り返しでもありました。
① 診療時間
開院当初は午後の診療は2時からでしたが、大腸カメラをすべて終わらせてから午後の診療をするために、午後3時に変更しました。レストランにオーダーストップの時間と閉店の時間があるのと同じように、今年4月からは、診療終了は午後6時ですが、診療の受付を午後5時30分までとさせて頂きました。
② 内視鏡検査
開院当初は、胃カメラ1本、大腸カメラ1本で始めましたが、現在では、経鼻内視鏡を含め胃カメラ3本、大腸カメラは、細くて柔らかいカメラも揃え、計3本で検査をおこなっています。
大腸カメラの送気は空気ではなく二酸化炭素を使うようにしました。二酸化炭素は粘膜から吸収され呼吸と共に体から出ていくため、検査後の腸の張りが少なく楽です。
内視鏡洗浄器もより洗浄力の高い機種にグレードアップしました。その結果、検査前の感染症チェック(血液検査)が不要となり、患者さんの負担が減りました。この器械は、全自動なので、スタッフの労力も大幅に軽減出来、予想以上に良い効果をもたらしてくれました。
③ 各種検査
糖尿病の指標になるHb A1c(ヘモグロビンエイワンシー)を院内で測定できるようにしました。
「肺年齢」の算出できる肺機能検査を始めました。禁煙外来の方の「肺年齢」を測定することで、タバコを吸っている今の状態が如何に体に悪いかを実感してもらう効果があり、それだけ、禁煙に対する取り組みもしっかりしてきます。
開院2年目からは、レントゲン装置が稼働できるようになりました。
腹部エコー検査は頸動脈エコー・甲状腺エコーも出来る機種にグレードアップしました。
④ スタッフ
これまでは、忙しさと緊張から、スタッフに慢性的な疲労を与えてしまっていました。スタッフが長く働くことが出来る職場にするよう、無理の無い配置に心がけています。
⑤ 院長
私自身はどうでしょうか? 自分では、クリニックでの診療の限界が分かってきたことが進歩したところだと思っています。「ここまでは責任を持って治療できる」「これ以上は病院にお願いした方が良い」という分岐点がみえてきました。
年度毎に検査数や疾患の統計をとることで、日々の診療がおろそかにならないように気をつけています。
ブログも何とか継続しています。読んでくださった方々が、「へえ、そうなんだ。」と思って頂けるようなブログが理想です。実は、文章にするためには、医学書を読み直したり、文献検索をおこなったり、いろいろ下調べが必要です。ブログを書くことが、自分の知識の再確認になっています。
最近は、運動不足を補うために、毎日、診療終了後にジムに通っています。3日坊主の私ですが、ジム通いは2年続いています。
⑥ 最後に
毎日、心身を平静に保ち、「日々これ一生」の気持ちで、ひとりひとりの患者さんと向かい合っていく所存です。これからも、どうかよろしくお願いいたします。

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7 月 9 日, 2016

低糖質(ローカーボ)ダイエット(4)  お酒

ビールにワインにウイスキー! 何から飲む?それは、あまりにも衝撃的な患者さんの一言でした。「私、低糖質ダイエットで20kg痩せたんです。最初の1カ月で5kg痩せました。」
ムムッ! 聞き捨てならぬ。さっそく、低糖質(ローカーボ)ダイエットを始めました。

ローカーボか否かという点で分ければ、日本酒やビール(醸造酒)はアウトで、焼酎やウイスキー(蒸留酒)はOKです。ワインは醸造酒ですが、まあOKです。そういえば、「ビール腹」という俗語がありますから、ビールが太ることは誰もが知っていますね。

原料が糖分を多く含む場合、酵母を加えることで、アルコール発酵させることができます(醸造酒)。日本酒(米)やビール(麦)がそうです。

蒸留酒は、醸造酒を蒸留して作った酒です。醸造酒を加熱すると、沸点の低いエタノールが水よりも先に気化します。この蒸気を集めて液体に戻すと、元の醸造酒よりもエタノールが濃縮されたアルコール度数の高いお酒になるわけです。焼酎やウイスキーは蒸留酒です。
蒸留酒には糖質は一切含まれていませんので、まさにローカーボダイエットに適したお酒といえるでしょう。

度々、議論されるのが、「お酒のカロリーは、食事のカロリーに加えるべきか」という問題です。アルコールのカロリーは体には何の栄養にもならないためempty カロリー(空のカロリー)とする説もありますし、加算するべきという説もあります。お酒とひとくくりにしないで、醸造酒蒸留酒で分けて考えると良いのではないかと思います。私は、醸造酒はカロリーを加算する、蒸留酒は加算しないのが理にかなっていると思います。

ということで、私は、もっぱら、焼酎(芋)とウイスキー(時々、ワイン)です。

現在の体重 69kg

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7 月 2 日, 2016

ヘリコバクターピロリシリーズ(14)  血中ヘリコバクターピロリ抗体

ピロリ菌、発見!血中ヘリコバクターピロリ抗体価(10 U/mL以上が陽性)の経過を数年にわたって観察している患者さんがいらっしゃいます。これまでは、抗体価がグレーゾーン(3.0~9.9)の範囲だったのですが、今年は、陰性(3.0未満)になりました。胃の中のピロリ菌が消滅した後、いったい、どれぐらい経過すれば、血中のピロリ抗体は消えるのだろう。といつも疑問に思っていました。

ヘリコバクターピロリ抗体陽性(10 U/mL以上)は、
現在、ピロリ菌に感染していることを意味します。
一方、抗体陰性(10 U/mL未満)は、
①未感染 あるいは ②既往感染 を意味します。

未感染の抗体価はもれなく3.0未満です。
除菌が成功すると、抗体価は除菌後2~3年で10 U/mL未満(グレーゾーン)になり、
さらに、除菌後9年前後で3 U/mL未満(陰性)になります。

ですから、抗体価が3.0未満でも「未感染」と断定は出来ないのです。

健診で血中ヘリコバクターピロリ抗体を測定するようになってきました。陽性ならば、ピロリ菌感染ですから、胃カメラを受けて、除菌治療へ進めていくことは、胃がんの予防のためにも非常に重要です。
では、抗体が陰性だった人はどうなるのでしょうか? ピロリ菌未感染ではなく、既往感染の可能性もあります。既往感染の方も胃がんのハイリスクグループですから、胃の検査を受けないと危険です。このあたりの判断が難しいですね。

【追伸】このブログの参考資料にした論文は私と同じ開業医の先生の執筆です。開業してもなお、医学論文を仕上げるなんてスゴイですね。

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