内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ・ポリープ切除)


安全で正確、そして苦痛の少ない検査

内視鏡検査を受けて頂く上で、まず、安全であることが大前提でしょう。
実は、内視鏡検査時の偶発的事故は減ったとはいえ、現在もまれに起こっています。
その多くが、医師の経験不足によるものです。
内視鏡検査は「カメラで見て、診断する」わけですから、経験が非常にものを言う検査です。
見たことがないものは異常とすら認識しない可能性だってあります。
大学病院で検査を受けたご経験のある方はお解りだと思いますが、修練中の医師が検査している時は、
胃や腸が映し出されているモニターの前に何人かの指導医が二重三重にチェックしています。
私は、32年間の臨床経験を通して、数多くの内視鏡検査を経験してきました。
それと同時に、沢山の内視鏡専門の先生方とめぐりあうことが出来ました。
教えてもらったり、共に勉強したり、時には、若い先生を指導してまいりました。
これらの知識と経験そして人脈は私の医師としての財産です。
内視鏡検査に対する不安や恐怖のために受診が遅れ、病気が進行してしまうことほど不幸なことはありません。
それは、内視鏡検査に伴う苦痛(痛み)が大きな要因と言えるでしょう。
私はこれまで検査の苦痛を出来るだけ少なくするための工夫をしてきました。
その結果、必要最小限の鎮静剤を用いることと、痛みを感じさせない内視鏡テクニックによって、
検査に伴う苦痛を極力少なく出来るようになりました。

 

経鼻内視鏡

過去に胃カメラを受けた時に、嘔吐反射が強く、大変つらい思いをした方がいらっしゃると思います。
また、胃カメラに対する漠然とした恐怖感を持っている方も多いと思います。
そういった方には、『経鼻内視鏡』をお勧めします。
鼻の穴を通ってカメラが進むため、嘔吐反射の誘因となる舌根部をカメラが圧迫しません。
比較的楽に検査が受けられます。
ただし、カメラが細くなった分、ある程度、画質の低下や送気・送水能力の低下があることも事実です。
ですから、通常の内視鏡検査がさほど苦にならない方が、敢えて経鼻内視鏡を選ぶ必要は無いでしょう。

 

胃カメラは絶食で来院頂ければ、当日検査を受けることも可能ですが、電話でご予約頂いたほうが確実です。
大腸カメラは検査の2日前から食事制限、下剤等の準備をおこないますので、
電話で検査をご予約されましたら、検査日の1週間前に診察に来て頂きます。
ただし、緊急時はこの限りではありません。

胃カメラを受けている時間は5~6分程度で、大腸カメラは15分程度です。

ご希望されれば、少量の鎮静剤を打ちますので、非常に楽に検査が受けられます。時々、寝ている間に終わる場合もあります。
費用は胃カメラが3,500円程度、大腸カメラが5,000円程度です(観察のみの場合。3割負担で計算)。

 

大腸ポリープ

当院では外来で内視鏡的大腸ポリープ切除術(ポリペクトミー)を行っています。
私は、これまでに12,000人に及ぶ大腸内視鏡検査と1,100人以上の大腸ポリペクトミーを行ってきました。
豊富な経験を生かし、安全で正確、そして、苦痛の少ない内視鏡検査を提供します。

 

大腸ポリープ発見。粘膜に生理食塩水を局注し、ポリープを浮かせます。スネアで通電しながら切除します。傷口をクリップで縫合します。

 

大腸ポリープは約3割の方が持っていると考えられています。
ポリープは腹痛や便秘、下血といった症状は出ません。
大腸ポリープは大きさに比例してがんの確率が高くなります。
大きく成長していく過程で、がん化していくわけです。
大腸ポリペクトミーはがんを未然防ぐことの出来る非常に有意義な治療と言えます。
あらかじめ同意があれば、ポリープを発見したその場でポリペクトミーをおこなっています。
ポリペクトミー後に万が一異変があれば、連携病院を含め責任持って対応します。
ポリペクトミーにかかる費用は19,000円程度です(3割負担で計算)。

健康診断で便潜血陽性を指摘された方は必ず大腸カメラを受けることをお勧めします。
なお、大腸がんは「家族集積性が高い」病気です。
家系に大腸がんの方がいらっしゃれば、定期的に大腸カメラを受けることをお勧めします。