肝 臓


1.慢性B型肝炎、慢性C型肝炎

 

インターフェロン治療慢性B型肝炎やC型肝炎に対してはインターフェロン治療が有効であることが広く知られています。
C型肝炎の標準的な治療はインターフェロン(皮下注射)を週に1回(同じ曜日が望ましい)と抗ウイルス薬の内服(1日2回、毎日)を1年間続けると、高い確率でウイルスを除去することが可能です。
現在、肝炎の検査・治療に関しては補助金の制度があり、経済的にも個人の負担が大幅に軽減されています。
当院では、入院する必要はなく、すべて外来で治療を行っています。

 

 

 

2.肝硬変

シェリング・ブラウのHPより慢性肝炎が徐々に進行していくと、最終的には肝硬変という状態になります。
腹水(お腹に水が貯まる)や黄疸(目の白いところや皮膚が黄色くなる)がでたり、意識がもうろうとなり(肝性脳症)、吐血(食道静脈瘤の破裂)を来すこともあります。重篤な場合は入院が必要ですが、腹水の穿刺・排液や肝性脳症の治療のための点滴などは外来でも十分管理できます。
当院ではこれらの治療を積極的におこなっています。

 

 

 

3.肝臓がん

慢性C型肝炎の患者さんのうち、毎年7%の方に肝臓がんが発生します。
あるいは慢性C型肝炎の患者さんの3人に2人は肝臓がんが出来ること分かっています。また、肝臓がんは65歳をピークに発病することも分かっています。
肝臓がんを早期に発見・治療するためには、定期的な検査を受けることが重要です。
そのための最も良い方法は腹部エコー検査(超音波で肝臓の中を透かして見る)を3か月に1回おこなうことです。
5mm程度の極小さな肝臓がんはCTやMRIよりもエコー検査の方が、見つかる可能性が高いことがしばしばあります。
エコー検査は院長が責任を持っておこないます。絶食で来院されれば、予約なしで、当日エコー検査をおこないます。

肝臓がんの早期発見のためには、腹部CT検査や腹部MRI検査も6~12カ月に1回の割合でおこなった方がいいでしょう。当院では、連携病院において、スムーズにCTやMRI検査が受けられように手配します。

4.原発性胆汁性肝硬変症

原因不明のままで見過ごされている事が多く、中年女性の肝障害として起こることの多い病気の一つ。ある抗体を測れば確定診断が可能です。

肝臓の病気豆知識

その1. 肝臓病とさしみ

 

貝などに生息しているビブリオ・バルニフィカスという菌は肝臓病の方には危険です。食あたりだけではなく、筋肉が壊死する事も。
夏場は要注意です。

 

 

<肝炎に対する福岡県の取り組み> ご存知ですか?

★ 福岡県では「肝炎ウィルス無料検査」を実施しています。

当院では20歳以上の方なら、どなたでも無料で検査を受けることができます。
検査方法は採血で判断します。採血だけなので短時間で済みます。検査結果は1週間で出ます。
肝炎ウィルスに感染していても、適切な健康管理・治療で、肝炎から肝がんに悪化するのを予防することが可能です。
肝臓はなかなかSOSを出しません。「体がだるい」と感じた頃にはかなりの重症になっている場合もあります。

★ 22年度から医療費助成制度が変わりました!

これまで、1・3・5万円だった自己負担限度額が、原則1万円(上位所得世帯は2万円)となりました。

対象者は・・・
◎福岡県内に住所を有する方
◎医療保険に加入している方
◎「B型及びC型肝炎のインターフェロン製剤」及び「B型肝炎に対する核酸アナログ製剤」で保険適用となっている治療を実施している方、または実施予定の方 

肝炎ウィルスに感染しても、ずっと症状が出ないまま終わる場合もあり、すぐには治療が必要でない場合もありますが、

インターフェロン製剤や核酸アナログ製剤を用いての治療になっても、福岡県は医療費を助成し、患者さん本人の負担金を少なくして治療に専念できるように応援しています。 

 

 

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