睡眠時無呼吸症候群

気道の閉塞などにより睡眠中に無呼吸を繰り返す病気です。
大まかには『無呼吸が1時間当たり5回以上で眠気がある人』がSASの古典的な定義です。
無呼吸によって引き起こされる2つの事柄がさまざまな症状の原因となります。

① 無呼吸のたびに、患者さんは自分では気付かない目覚めが起こり、良質な睡眠を得ることが出来ません。
そのために、日中の眠気を引き起こします。
② 無呼吸の間は肺でのガス交換が出来ませんので、さまざまな臓器に悪影響を及ぼします。

【症状】
日中の眠気、いびき、他。
朝起きた時にすっきりしないとか頭が重いといったことが代表的な症状です。
日中の眠気は交通事故、労働災害、生産性の低下など社会的影響の大きい危険な問題を引き起こします。
SASは肥満の方に多い病気です。肥満の方は上気道に脂肪がつきますので、そのためにいびきや無呼吸がおこりやすいのです。肥満がなくても、あごが比較的小さい方もSASの可能性があります。

【合併症】
高血圧、脳卒中、他

【患者さんの数】
日本で200万人のSASの患者さんがいると推測されています。無症状のSASを含めると400万人といわれています。

【診断】
SASのスクリーニングとして携帯用「睡眠時無呼吸検査装置」SAS-2100を用いて検査をおこないます。
本体(100gと軽量です)をリストバンドで手首に固定し、センサーを指と鼻に装着して使います。患者さんが自宅で睡眠前に本装置を装着して眠ると、睡眠中の呼吸状態が記録されます。呼吸、血中酸素飽和濃度、脈拍が記録され、SASのスクリーニングに役立ちます。
なお、確定診断には、入院の上、ポリソムノグラフィーを受ける必要があります。

【治療】
CPAP治療(鼻マスクから気道に空気を送り込み、空気圧で閉じてしまう上気道を押し広げて無呼吸を防ぐ治療)が代表的です。
肥満解消も治療の大きな柱です。

【当院で出来ること】
当院ではTEIJINと契約し、SAS-2100を用いて保険診療でSASのスクリーニング検査をおこなっています。

SAS-2100 を装着して就寝します。

診察の手順
① 当院を受診して頂きます。
② SAS-2100の申し込みをおこなう。
③ 患者さんのご自宅にSAS-2100が送られます。1~3晩、器械を装着し、器械を送り返します。
④ 後日、解析結果が当院に送られてきますので、説明いたします。
⑤ SASが強く疑われる場合は、専門医に紹介いたします。