よもやま話(5) 「大学の講義」
大学病院で教官をしていた時、年に数回、医学生(4年生)の講義を担当していました。例えば、「膵臓の構造と機能」とか「胃潰瘍の病態と治療」とか。1コマが90分授業ですので、その準備は結構大変な作業でした。自分自身が医学生時代、とても勉強熱心とは言えなかった経験から、生徒さんに嫌われないように次のことに注意しました。
(1)授業は5分遅れて始め、定刻より5分早く終わる。
(2)出席は最初にとる。(出席を取ったらサボりたい生徒さんはサボれるように)
(3)出来るだけスライドを多く用いる(今はパソコンですが、当時はスライドでした)。さらに、講義内容の変わり目に、風景画やセクシーショットのスライドを挿入しておく(気分転換をはかるため。あるいは、目を覚まさせる効果もある。)。
(4)授業にマッチしたプリントを配る。
(5)大事なところは黒板に書く。そして、「ここ、試験に出します。」と教える。
(6)授業の合間にいくつか面白い小話を入れておく(どんびきの事もありました。そのネタは次の年から決して使わないように注意しました。)
このような苦労が報われたのか、時々、研修医から「先生の講義、覚えてますよ。」なんて言われると、とても嬉しかったです。