
子宮頸癌予防ワクチン
3月8日月曜日、中野胃腸クリニックでは「子宮頸癌予防ワクチン」についての勉強会をしました。
日本では毎年8,000人の患者さんが発生し、そのうちの2,400~2,500人の方が亡くなっています。
子宮頸癌の一番の問題は20代後半から30歳前半に増加していることです。
芸能人の向井亜紀さん(向井さんのブログはこちらから)は、お子さんをお腹に宿った時に子宮頸癌が見つかり、お子さんを断念されたという悲しい経験をされています。みなさんの記憶にも新しいことと思います。
子宮頸癌の発症が、ちょうど出産時期と重なることから「マザーキラー」というふうにも言われています。
子宮頸癌は進行が遅いので、出産後の手術で間に合う方もいますが、中には妊娠を諦めなければならない方や、せっかくお子さんが生まれたのにお母さんが亡くなってしまうこともあるのです。
子宮頸癌とは子宮の入り口付近にできる癌です。
HPV(ヒトパピローマウィルス)というウィルスの感染が原因です。HPVは皮膚や粘膜に存在する、ごくありふれたウィルスで、100種類以上ありますが、子宮頚がんの原因となるのは「発がん性HPV」と呼ばれ、主に性交渉によって感染します。
発がん性HPVに感染しても90%以上は体内から自然に排出されるため一過性ですが、排出されなかったウィルスの感染が長期間続くとがん化します。一般にウィルスに自然に感染すると、抗体ができるのではないだろうかと思う方もいらっしゃるかと思いますが、このHPVは人の免疫システムを巧みに回避するために、抗体が得られないウィルスなのです。なので、このウィルスには何度でも感染しますし、誰もが感染する可能性を持っていて、性交渉があるなら、誰もが感染していると言ってもよいウィルスなのです。
ここまで、読んでいただいた方はお気づきかと思いますが、子宮頸癌は性交渉をきっかけに始まる病気ですから、セクシャルデビュー前のお子さんに接種するのが、一番効果のあるワクチンです。
日本はこの子宮頸がんのワクチンが認可されたのが去年の12月で、世界で100番目です。(100番目ですよ!遅いですよね!)
海外の多くの国では12歳前後の小児からワクチンを接種することを推奨しています。国がワクチン接種料を負担している国もあります。
日本でも、将来的には公費での接種(子どもたちが受けなけらばならないと義務づけられている色んなワクチン)が可能になることを期待していますが、厚生省や自治体の取り組みは遅れているのが現状です。ですから、家庭での認識が非常に重要になってきます。
ちなみにアメリカでは、13~26歳の「性交渉経験がある女性」「子宮がん検診で異常が認められた女性」「発がん性HPVに感染している女性」もワクチンの接種対象としています。新たなウィルスの感染予防ということを考えれば、年齢に関係なく、性交渉の機会がある女性には接種の効果が期待できるとしています。
(子宮頚癌予防ワクチン)を接種しています。
←とても詳しいHPを出されていますので、アクセスしてみて下さい。
「自分で守ろう。自分のからだ」という冊子も当院にありますので、ご覧ください。
このブログを読まれた方から、情報をいただきました。
子宮頸がん予防ワクチンの公費助成のための署名運動を行っておられるそうです。
← 著名運動のHPへはこの地球をクリックして下さい。
また、国内、海外の公費助成一覧の情報も提供していただきました。
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