医療に関する話 「大腸がん検診」 Part2
先日、ある会社の社長さんから「大腸がん検診は会社の役に立ちますか?」という質問を受けました。つまり、大腸がん検診を受けることで、従業員の健康が守られ、ひいては会社に利益をもたらすかということです。
今回は、大腸がん検診を経営者の目線で考えてみましょう。
大腸がん検診をおこなう場合とおこなわなかった場合とで比較してみます。まず、検診をおこなえば、その分の費用が余計にかかります。
しかし、検診でがんが早期発見されると病欠日数が少なくなります。検診を受けずに進行がんで発見されると、病欠日数も長くなり、治療費もかかります。死亡した場合は、その従業員に投資した教育費も無駄になります。
大腸がんの発生率、検診の費用、入院費、手術代、抗がん剤などの薬代、等を基に詳細にシュミレーションした論文があります。その論文によりますと、従業員2万人の会社で、検診をおこなった方が、検診をおこなわなかった場合に比べ、年間約3億円の利益が出ると結論づけています。
先程の社長さんには、『従業員の大腸がん検診(便潜血検査)を徹底させ、潜血反応が陽性の従業員には大腸カメラを受けるようにすれば、会社に利益をもたらします。』とお答えしました。