
医療に関する話 「異常値と正常値(2)」
正常値の解釈で問題になるのは年齢と性別です。
例えば、貧血の程度を表す赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリットなどは、高齢者では減少傾向になります。健康成人から導き出された正常値をそのまま当てはめれば、多くの「健康な高齢者」が貧血という病気になってしまいます。
動脈硬化の原因となる総コレステロールは220mg/dl以下が正常とされています。しかし、女性の場合、総コレステロールは閉経を機に急速に上昇しますので、閉経後は260mg/dlぐらいまでは正常と判断するべきです。
肝胆道系酵素のひとつであるALPは14歳~18歳では異常高値になるのが通常の変化です。これは、ALPが骨からも産生されるために発育期では異常高値になるわけです。
最もよくある質問のひとつに血液検査前の食事をしても良いかどうかという点ですが、食事に影響される検査項目は「血糖」と「中性脂肪」だけです。この2項目が検査項目に含まれているならば、食事抜きで検査を受けた方がいいでしょう。
意外に気にされていないのが検査前の運動です。GPT, LDH, CPKなどは「筋原性酵素」といって筋肉の細胞内に存在する酵素なので(GPTは肝臓の酵素としても有名です)、運動後に一過性に高くなることがあります。血液検査の前日と当日には激しい運動をしない方が良いでしょう。
当院を広く知っていただきたいと思い、ブログランキングに参加することにしました。左のすいかをクリックすると票が入り、ランキングがあがる仕組みです。よろしかったら応援よろしくお願いします。