医療に関する話 「聴診器」

医療に関する話 「聴診器」

先日、患者さんから「大きい病院の医師は聴診器を使わない。」と言われました。私も子供の頃に、風邪をひいた時に町医者で診察を受けて、背中を「トントン」と打診されると、「スーッ」と風邪が治っていく気分になったことを覚えています。

聴診器を使わなくなった大きな理由はエコー検査の進歩だと思います。心臓の雑音の性状から、どの弁にどんな異常があるのかを聞き分けることが心臓の専門医の腕の見せ所だった時代から、今ではエコーを駆使して正確に診断する医師が名医という評価に変わりました。聴診器はエコー検査で診断がついてから確認のために聞く程度です。
同じようなことがハンマー(打腱器)にもいえます。膝のちょっと下を軽くたたくと足が勝手にポーンと跳ねる、あれです(膝蓋腱反射といいます)。私が研修医の頃は、あちこちハンマーで叩いて、脳の何処に病巣があるか想定してからCTを撮るように指導されました。しかし、今では、脳卒中は発症から3時間以内であれば血栓溶解剤で劇的に治りますので、真っ先にCTやMRIを撮らなければいけません。悠長にハンマーで叩いているヒマはないのです。

時代が変れば、診察のスタイルも変っていきますね。

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