クリニック通信(17) 「医療の質と病院経営」
先日、「医療の質と病院経営」という講演を拝聴しました。病院が包括医療(注1)のもと、どのように高度な医療を行いつつ病院経営も成り立たせているかという内容でした。
10年ほど前に我が国に「包括医療」が導入される時、「医療の質が低下する(同じ金額なら何もしない方が儲かるから)」「合併症のある患者さんはどこも診なくなる(余計な費用がかかるから)」といった否定的な意見が多かったと思います。
しかし、包括医療になって、全国の病院の診療内容が透明化されると、いかに難しい治療を効率よくおこなっているかが公平に評価されるようになりました。一生懸命に正しい医療をやれば、病院経営が成り立つようになったのです。
講演を聞いていて、日本の医療は正しい方向に進んでいるのだな。と感心しました。ひるがえって、自分の立場で何が出来るかということを考えてみる良い機会になりました。最も適切な治療を最も短期間で提供することを意識しなければならないと強く思いました。そうすることで、患者さんから確固たる信頼感を得ることが出来るはずですから。
(注1) 包括医療:疾患毎に医療費を設定する定額医療制度。心筋梗塞ならばいくらというふうに病名で入院費が決められる。病院は、良質な医療を効率よく実施しなければ、赤字になってしまう。以前は出来高制であったため、医療レベルが低いために起した合併症の治療などで入院が長くなると、かえって病院が儲かるという矛盾した制度でした。
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