医療に関する話 「病気の回復」
お酒の飲み過ぎや脂っこいものの食べ過ぎが原因で起こる急性すい炎という病気があります。
急性期には血中のアミラーゼ(炭水化物を消化する酵素)が急激に上昇しますが、点滴などにより数日でサーっとよくなっていきます。すい炎による腹痛も日に日に軽減していきます。大抵は、2~3週間で退院できます。症状も検査結果も良くなり、一見、すべて元通りになったように錯覚します。
しかし、すい臓の消化液を出す能力(すい外分泌機能といいます)は完全に回復するまでに最低半年はかかるのです。
ですから、ひとたびすい炎をおこせば、半年間は禁酒と低脂肪食の食事療法を徹底しなければなりません。十分にすい臓が回復する前に、お酒を飲んだり、脂っこい物を食べてすい炎を再発させてしまうと、最初のすい炎よりひどくなる傾向にあります。そればかりか、2回、3回とすい炎を繰り返すと、慢性すい炎になってしまい、もう元のすい臓には戻らなくなります。
今回は、すい炎を例にとってお話しましたが、内臓の病気が本当に回復するには予想以上に時間を要することを肝に銘じておいてください。
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