食べ物の耳寄りな話(5) 「ビタミンB12と胃切除術とベジタリアン」

食べ物の耳寄りな話(5) 「ビタミンB12と胃切除術とベジタリアン」

 ビタミンB12は必要量こそわずかですが、補酵素としてさまざまな反応に関与しています。その1つの働きとして、骨髄で巨赤芽球から正常な赤血球を作り出す働きがあります。ビタミンB12が欠乏すると赤血球の1個1個が大粒になってしまう特殊な貧血をおこします。

 ビタミンB12は胃の中にある「内因子」と結合して小腸で吸収されます。ですから、胃全摘出術を受けている方はビタミンB12の吸収が出来なくなります。胃の手術自体は経過が良いのに、ビタミンB12欠乏に気付かず体調を崩している方を時々見かけます。ビタミンB12を注射することで速やかに治ります。

 ビタミンB12は微生物で合成されるため、ベジタリアンはビタミンB12が不足しがちです。なお、草食動物は食べ物を腸の中で醗酵させて腸内細菌を作ることが出来るため、ビタミンB12不足にはなりません。

ビタミンB12はレバー、カキ、サンマ、あさり、シジミ、イワシなどに多く含まれています。

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