よもやま話(48) 「薬の値段」
脳梗塞や心筋梗塞の予防目的に『抗血小板剤』を飲んでおられる方も多いと思います。いわゆる「血液をサラサラにする薬」ですね。その代表的な薬がバイアスピリンです。1錠が6円(薬価)します。
数年前に、ほんの少しだけバイアスピリンより優秀な新薬が発売されました。「プラビックス」と言います。1錠275円(薬価)します。なんとバイアスピリンの46倍の値段です。
毎日、そして何年も、おそらく一生飲み続ける薬です。例えば、10年間飲んだとしましょう。バイアスピリンは2万円、プラビックスでは100万円かかります。この薬代の差に見合うだけの効果の違いがあるのか疑問です。私は、それほど発病のリスクが高くない方には安価なバイアスピリンを勧めています。
胃潰瘍や逆流性食道炎に非常に良く効く薬に「タケプロン」という胃酸を完全にブロックする薬があります。1錠182円します。そのジェネリック(後発品)である「ラソプラン」は1錠120円です。この値段の差が新薬の開発費なのでしょうね。
現在、当院で処方している一番高価な薬はグリベックです。1錠2,749円します。通常は1日4錠飲みます。1か月に33万円かかります。
当院でおこなっている一番高価な点滴はレミケードです。1本100,285円です。通常1回に3~4本使いますので30~40万円になります。
いずれも高額の医療費が発生しますが、幸い「高額医療費」「特定疾患(難病)」などの制度が完備しており、実際の個人負担額は、月々数千円~数万円に抑えられます。何よりも、この薬のおかげで命が救われ、人間らしい生活が出来るようになりました。この2つの薬には本当に感謝しています。
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