「腹痛(その5) 胃潰瘍と十二指腸潰瘍とピロリ菌」
食後に胃の辺りがシクシク痛む「胃潰瘍」や空腹時に痛みが強くて、食事をすると楽になる「十二指腸潰瘍」は、以前は「ストレス」が原因とされていました。しかし、最近、ピロリ菌(正式名称:ヘリコバクターピロリ菌)による感染が大きな原因であることがわかってきました。
胃潰瘍の診断は胃カメラで潰瘍を確認することが必要です。その際に、ピロリ菌感染の有無も同時に調べることが出来ます。
治療は胃酸を抑える胃薬(プロトンポンプインヒビター)を、胃潰瘍ならば8週間、十二指腸潰瘍ならば6週間内服します。この薬が開発される前は、ひとたび潰瘍が出来れば、半年から1年は通院が必要でしたから、ずいぶん短縮されました。
潰瘍の治療に引き続き、ピロリ菌を除菌する薬を1週間飲めば、全ての治療が終了します。
なお、除菌の成否は除菌終了6~8週間後に、自分の吐いた息で調べます(尿素呼気試験)。除菌の薬を飲んでもピロリ菌が消えなかった場合には、「2次除菌」という別の薬がありますのでご安心ください。
当院では、平成22年の1年間に約90名の方がピロリ菌の除菌に成功しています。皆さん、ピロリ菌が消えて良かったですね。
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