「腹痛(その14) 腹痛の対処法」
今回は、腹痛の対処方法についてお話します。
お腹が痛くなったら、出来るだけ食事はしないで絶食で様子を見るのが無難です。
お腹が痛いのに「何か食べたら治るかも知れない。」と食事をされる方がいらっしゃいます。病状によっては食事をすることがとても危険な場合があります。また、胃カメラなどの検査もすぐには出来なくなってしまい、診断が遅れる原因になります。また、薬を飲むために、無理して何か食べる方がいらっしゃいますが勧められません。絶食でも、時間がきたら薬を飲んでください。
下痢による脱水の改善のためにスポーツドリンクを飲む方が多いと思いますが、スポーツドリンクには電解質の他にもブドウ糖も入っています。これが腸を刺激し、下痢を誘発しますので、水分補給には温かいお茶が最適です。なお、塩分補給も必要ですので、梅干を1個か2個食べておいてください。
最近、「ユッケ」を食して病原性大腸菌に感染したニュースがありました。その中で「溶血性尿毒症症候群(HUS)」を併発して重症化したことが報道されています。これは、O-157やO-111が産生するベロ毒素が急性腎不全、血小板減少、溶血性貧血をおこす病態をいいます。血液検査ではっきり異常がわかるようになってから対応しても手遅れです。HUSは最初の頃は尿に蛋白が出るだけです。ですから、激しい腸炎を来した場合は、初診時から繰り返し尿をチェックしHUSのきざしが無いか気を付けなければいけません。
*今回で、腹痛シリーズは一旦終了します。もし、お腹が痛くなった時の参考になれば幸いです。
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