医療に関する話 黄疸(2)「体質性黄疸」
瞳の白いところ(眼球結膜)が黄色くなることを黄疸といいます。肝臓病で見かける代表的な症状のひとつです。今回は体質性黄疸についてお話しましょう。
クリニックで遭遇する最も多い黄疸は実は「体質性黄疸」です。医学書では黄疸の項目に、急性肝炎や胆管がんなどが大きく掲載され、体質性黄疸は、最後の方に付録のようにチョコッと書いてあるだけです。これは、体質性黄疸が生命に重大な影響を及ぼさないためだと思います。体質性黄疸は4種類ありますが、最も頻度が高いのは「Gilbert(ギルベルト)症候群」というタイプです。50人に1人の割合で存在すると言われています。
ギルベルト症候群は、本人も気がつかない程度の軽い黄疸しか出ません。ほとんどの場合が、健診でビリルビンが異常値で、医療機関への受診を勧められて来院されます。ビリルビンの異常がごく軽度であることや肝機能が正常であること、自覚症状がない場合はこの疾患を考えます。肝細胞での間接ビリルビンの取り込みの異常であり、詳細な検討は酵素の遺伝子解析が必要ですが、残念ながら保険診療では出来ません。
体質性黄疸の代表である「ギルベルト症候群」は治療の必要もなく、将来の心配も必要ありません。
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