
医療に関する話 黄疸(4)「閉塞性黄疸」
瞳の白いところ(眼球結膜)が黄色くなることを黄疸といいます。肝臓病で見かける代表的な症状のひとつです。今回は閉塞性黄疸についてお話します。
肝臓で作られた胆汁が腸に流れるまでの間に何らかの理由で通過障害をきたした結果、黄疸が生じた場合、「閉塞性黄疸」といいます。直接ビリルビンが有意に上昇します。
通過障害の原因は、石(胆管結石)であったり、炎症であったり、がんであったり様々です。治療は、内視鏡を使って、胆汁が腸の中に流れるようにするか、右のわき腹から胆嚢(あるいは胆管)めがけて針を刺して、体の外に胆汁の逃げ道を作るか2つの方法があります。
いずれにも共通して言えるのは、非常にリスクが高い処置であるということです。胆汁という刺激の強い消化液が狭い胆管にパンパンに詰まっています。詰まった胆汁が化膿して高熱を併発していることもあります。そこに向かって、針を刺すわけです。
ただし、この閉塞性黄疸の処置を無事終えると、患者さんは劇的に良くなります。痛みがウソのように消え、熱が下がります。ただし、黄疸だけは数週間かけて徐々に引いていきます。
勤務医だった頃の話です。日直で日曜日の朝病院に行くと、胆管結石が詰まったために激しい腹痛を来している患者さんが来られました。すぐに、「側視鏡」という胆道系専用の特殊な胃カメラを使って胆管にステント(ストローをイメージして下さい)を挿入しました。ステントを留置するや否や、結石によってせき止められていた胆汁が一気に流れてきました。痛みは劇的に軽減しました。月曜日まで待っていたら、丸一日以上痛み続けるわけですから、この時は「良い仕事をした。」と思いました。
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