糖尿病シリーズ(22) 上質なHBA1cと持続血糖測定器
これまで、概ね、空腹時血糖とHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)で糖尿病は評価されてきました。
しかし、最近は、早朝空腹時血糖とHbA1cだけではわからない血糖の『乱高下』が問題視されるようになっています。それは、食後の高血糖と深夜の低血糖は相殺されて、HbA1cには反映されないからです。24時間安定した血糖の方と、食後は高血糖で夜間は低血糖になっている方が、HbA1cでは同じ値になり得ます。安定した血糖を反映したHbA1cを「上質なHbA1c」と表現します。
重症の低血糖は死亡リスクを高くするため深刻な問題です。現在、最もよく使われている血糖降下剤のスルホニルウレア剤(SU剤)では食後の高血糖を十分に抑えることが出来ないので、ついつい多めに処方する傾向にあります。そのために、深夜の低血糖は更にひどくなっている可能性があります。HbA1cを下げようとSU剤をどんどん増量していくと、夜間に危険な低血糖を招いている可能性があるわけです。海外では、HbA1cの値を厳格にコントロールしたグループの方が、HbA1cがある程度高いグループよりも脳卒中のリスクが高いことが報告されています。
1日24時間、連続して5分毎に血糖を測ることが出来る「持続血糖測定器」という優れものがあります。これで、1日の血糖の乱れ具合が把握できます。血糖の乱高下の著しい場合は、スルホニルウレア剤(SU剤)による治療を他の方法に変更するべきです。
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