糖尿病シリーズ(23) インクレチンとDPP-4阻害薬
食事をすると、インクレチンが小腸から血液中に分泌されます。インクレチンとはインスリン(血糖を下げるホルモン)分泌をうながす消化管ホルモンです。インクレチンはDPP-4(酵素)によって速やかに分解されてしまいます。しかし、DPP-4をブロックしておけば、インクレチンは分解されずに長く血液中に残ります。その結果、インスリン分泌が促進され、血糖値が下がることになります。このDPP-4をブロックする薬「DPP-4阻害薬」が近年開発されました。日本でも、発売されて1年が経過しました。
DPP-4阻害薬を使用する際のポイントは、
① アルファグルコシダーゼ阻害薬(α-GI:商品名 ベイスン、など)との併用が良いと考えられています。α-GIにより小腸での糖質の分解・吸収が遅くなれば、それだけ、インクレチンの分泌も長い時間に及ぶわけで、ひいては、DPP-4阻害薬の効果も大きくなるわけです。
② スルホニルウレア剤(SU剤:商品名 アマリール、など)に追加する場合、SU剤を減量しておかないと、低血糖になり易く危険です。
③ インスリン治療(注射)に追加すると、インスリンの必要量が大幅に減るはずです。平成23年9月より、一部のDPP-4阻害薬に限って、この組合わせが保険診療で認められるようになりました。当院でも、早速、併用を始めて頂いた患者さんがいらっしゃいます。
DPP-4阻害薬が糖尿病の治療の大きな柱になってきていると実感する今日この頃です。
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