診療報酬シリーズ(3) まだある処方の落とし穴 

このシリーズは、開業4年目の私の知識が、母校の新規開業した先生、あるいは、開業を控えている先生のお役にたてればと思い始めました。その対象でない方は読んでも面白くありませんので、予めご了承ください。

処方箋を発行すると処方箋料を算定することが出来ます。
① 7種類以上の内服薬は40点です。
② 6種類以下の内服薬は68点です。

前回、処方箋は飲み方毎にまとめて処方した方が得策であることを説明しました。しかし、そう単純ではない所が診療報酬のシステムです。一体誰が考えているのでしょうか?

【問題】1日1回飲む薬が4種類あります。薬価はそれぞれ、10円、30円、100円、230円です。効率的な処方箋の書き方は?

【答】10円、30円、100円の薬はまとめて処方します。230円の薬はそれ単独で処方します。薬の種類としては2種類扱いになります。
なぜ、4種類をひとまとめに処方しないかと言うと『205円ルール』が存在するからです。同じ飲み方の薬はひとまとめにして「1種類」扱いできるのですが、205円を超えてはいけないというルールがあるのです(診療点数早見表 p384)。この制度は、高価な薬をなるべく処方させないようにしようとする意図を感じます。
1錠が205円以上する薬には脳梗塞予防薬のプラビックス75mg(276円)などがあります。
注意が必要なのは倍量処方することがある薬です。降圧剤のディオバンは80mg(125円)が常用量ですが、血圧が下がらない時は160mg(250円)まで増量可能です。ディオバン80mg錠を2錠処方すると、それだけで205円を超えていますので、他の薬とまとめることは出来ません。

こうなってくると、必然的に、「この薬、薬価はいくらなんだ?」ということが気になりますね。

今回の教訓:薬価を意識し、205円ルールを肝に銘じるべし!

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