医療の話  コンプライアンスとアドヒアランス

医療の話  コンプライアンスとアドヒアランス

e58685e69c8de896acとっくに薬が切れている頃に来院される方が、「時々飲み忘れがあるので、今日まで薬が持ちました。」と話されると、カルテに『服薬のコンプライアンスが悪い。』なんて書いていました。
服薬のコンプライアンスとは「服薬遵守」という意味ですが、医師から患者さんへ一方的な命令というニュアンスがあるそうです。

現在は、医師と患者さんが対等に話し合って、患者さんが納得の上で、自ら進んで薬をのむことを「服薬遵守」ということに変わりました。この場合、コンプライアンスではなく、アドヒアランスという言葉を使います。「薬を飲む」という行為は『非日常的』なことであって、思ったほど、簡単には続けられないことなのです。

潰瘍性大腸炎の治療薬「ペンタサ」は通常1日3回飲む薬です。アンケート調査をおこなうと、きちんと服薬している人はわずかに30%程度だったそうです。1日3回内服だと、どうしても昼の薬の飲み忘れが多くなることも判明しました。そこで、潰瘍性大腸炎が落ち着いていれば、ペンタサ1日分を朝1回にまとめて内服しても良いことになりました。

さっそく、当院でも「アドヒアランス」の悪い患者さんに毎朝1回の内服を提案しています。

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