ブログで診察(12) 便秘
体のチョッとした不調や気になる症状、医師に一度聞いてみたかったと言われたことなどを日々の診療からピックアップしてブログで紹介しています。
便秘で悩んでいます。何か良い解決方法はないでしょうか?(20歳代 女性)
【答】まず食生活を見直しましょう。便秘の薬には作用機序の異なるものが幾つかあります。
若い女性の便秘の場合、きちんと食事を取っていないことが一番の原因のようです。特に食物繊維を意識して十分とらないと、便秘になり易くなります。1日20g以上が目安ですが、ある調査結果ではほとんどの方が10g以下だったそうです。食物繊維は消化されませんので、便の量を増やし、ふっくらさせてくれます。
便秘薬には
① 機能的下剤(酸化マグネシウム):マグネシウムが腸内に水分を呼び込むため、便が柔らかくなり、排便を容易にする。
② 刺激性下剤(センナ):腸の蠕動運動を亢進させて、排便を促す。
の2種類があります。どちらが良く効くというわけではありません。頑固な便秘には併用することもあります。
便の停滞する場所によっても薬を使い分けます。
① 右側結腸(上行結腸)
弛緩性の便秘は大腸の輸送能力の障害があるためで、便は上行結腸(お腹の右側)に停滞します。
治療は、刺激性下剤が必要です。市販薬のほとんどはこのタイプです。
② 左側結腸(下行結腸とS状結腸)
左側結腸型の便秘は大腸の輸送能力は良いのですが、S状結腸(お腹の左下)で停滞します。
ビーマスSで便を軟らかくして直腸に運びます。なお、S状結腸が長いからといって必ずしも便秘するわけではありません。
③ 直腸
直腸性の便秘は炭酸ガスを発生する坐薬(レシカルボン)で肛門を広げて便を出させます。
この他にも、腸運動亢進作用のあるガスモチンや便秘型過敏性大腸の薬(コロネル)、あるいは、漢方薬を併用することもあります。 いずれにしても、ある特定の薬に頼ることなく、数種類の薬を併用したり、組み合わせを変えることで自分にあった処方が見つかるはずです。
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