医療の話 「長年の疑問が解決し、スッキリ!」
最近、何年も疑問に感じていたことの明快な解答を得られて、スッキリする経験をしました。2つ、ご紹介しましょう。
① 点滴しても血圧が上がらない。
腎前性腎不全(強い脱水症で腎臓がダメージを受けている状態)で血圧が下がっている場合、点滴をドンドンおこなえば、血圧が上昇するはずです。しかし、経験的に、点滴だけでは血圧が思うほど上がらず、昇圧剤を併用することが度々ありました。「何故、点滴だけでは血圧が回復しないのか?」いつも心に引っかかっていました。
先日の講演でのこと。点滴した溶液は動脈に20%、静脈に80%分布するとのこと。特に腎前性腎不全の場合は、その比率が10%、90%とさらに静脈に局在します。ですから、例え1リットル点滴したとしても、動脈には100mlしか届いていなかったのです。これでは、血圧は上がりません。ようやく、合点がいきました。
② 白濁した粘液の付着の目立つ胃は要注意である。
胃カメラをしていると、胃の粘膜に白濁した粘液がベットリと付着している時があります。透明なサッラとした胃液との違いは何なのか、ずっと引っかかっていました。ただ経験的に、白濁した粘液の場合は、「胃がんがあるかもしれない。要注意!」と自分に言い聞かせて胃カメラをおこなっていました。
先日、医学専門誌で、ヘリコバクターピロリ菌に感染していると、粘液は白濁し胃粘膜に付着するが、除菌すると、胃液が透明になる。という論文を見つけました。ヘリコバクターピロリ菌に感染していれば胃がんのリスクは高くなります。この論文を読んで、合点がいきました。
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