医療の話  虫垂がん

医療の話  虫垂がん

① 虫垂切除しているのに虫垂がんが見つかった。
② 進行した虫垂がんでも大腸カメラでは見つけられなかった。

今回は、2人の虫垂がんのお話です。

① 70代の方の話です。
若い頃に虫垂炎で手術を受けています。ですから、虫垂は無いわけです。最近、右の下腹部(虫垂のあったあたり)が痛むため、大腸カメラを受けて頂きました。虫垂口が出べそのように隆起し、そのてっぺんに、辺縁が不整で、扁平な10mm大のポリープを認めました。生検でがんと診断されたため、総合病院外科に転院となりました。
この方の場合、虫垂切除を受けていたことで虫垂の開口部が出べその様な形になり、大腸カメラでがんが観察出来たと思います。通常は、虫垂の中は観察出来ませんから。
人生、何が幸いするかわかりません。

② 60代の方の話です。
右下腹部痛(虫垂のあるあたり)のために来院されました。触診でしこりを触れましたので、エコーでみてみました。そうすると、イモ虫の様に虫垂が腫れているのが観察されました。そこで、近くの総合病院でCT検査を受けて頂き、虫垂がんと診断されました。手術の前に、大腸カメラが実施されましたが、虫垂口には何ら異常は無かったそうです。
触診の重要性を改めて実感した次第です。

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