よもやま話(101) 最近思うこと
例えば、不幸にして胃がんになったとします。入院して手術を受け、無事に退院出来ると、命が助かったことで喜びにあふれています。
ところが、手術後最初の1~2年は、胃が無いことで、いろいろ不都合が生じます。全然、食べられなくなったり、今までのように食べると、後で苦しくなったり。10kg以上痩せてしまう方もいらっしゃいます。苦しそうです。「胃があった時に戻りたい。」「こんなんじゃ、手術した甲斐が無い。」「そうですね、ツライですね。」って聞いてあげるしかありません。
手術して数年経つと、徐々に、胃の無い体を精神的にも肉体的にも受け入れることが出来るようになるのでしょうか。痩せた体でも、出来ることを見つけて生きていることに喜びを感じられるようになられます。グランドゴルフに積極的に参加したり、少しなら食べても胸やけしないスイーツを見つけたり。同じ細い体型でも、顔の表情や目の輝きが以前と違って、とっても素敵です。
手術して5年も経つと、外科の先生から「再発の心配は無くなったので、通院は終了ですよ。」と言ってもらえます。もう、胃がんは過去のこと。意識の中からきれいさっぱり忘れ去っていいのです。それが出来る人は、さらに、前向きな人生を歩まれることでしょう。ただし、術後5年目あたりから、胃が無いことによる『悪性貧血』が出やすくなります。ビタミンB12の注射で治りますので、貧血のチェックを受けておいた方が良いでしょう。
開業医になって初めて、胃がんの発見、手術、その後の経過を「年」単位で診ていくことを経験しています。
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