やっぱり難しい虫垂炎 その後
前回、虫垂の反対側の下行結腸を逆さまに押し上げてみて初めて虫垂に痛みが出る『ロブシングサインRovsing sign 』に触れました。また、患者さんを左側臥位(左横向きに寝てもらいます)にして、マックバーニーの圧痛点を押えると、圧痛が著明になる症状を『ローゼンシュタインサイン Rosenstein 』といいます。左側臥位になることで、小腸が左側に移動し、虫垂を腹壁から直接圧迫出来るようになるためです。
先日の虫垂炎の患者さんの後に、続けてもう一人虫垂炎らしい患者さんがみえました。マックバーニーの圧痛点は陰性でしたが、ローゼンシュタインサインは陽性でした。ちなみに、ロブシングサインは陰性でした。
さらに、もう一人虫垂炎らしき患者さんがみえました(続く時は続きますね)。この方は、マックバーニーの圧痛点が陽性でした。残念ながら、ロブシングサインは陰性でした。(ローゼンシュタインサインを確認する必要は無いでしょう。)
今回、マックバーニーの圧痛点が陰性の虫垂炎の患者さんを経験したことがきっかけで、
マックバーニー以外の診察の方法を再認識し、日々の診療に取り入れることが出来ました。腹痛の診察は、高度な器械に頼らなくても、やり方次第で精度が上がることを、身をもって経験することが出来ました。患者さんから学ぶことはまだまだ沢山ありそうです。