乗馬日記(11) 駈足(かけあし)発進
北九州市若松区の「若松乗馬倶楽部」に通うようになって、丸2年が過ぎました。上手に乗れるようになった時に、「そんなことも出来なかったのか。」と懐かしがってみたく乗馬日記を始めました。乗馬の最終目標は、「若松の海岸をさっそうと駆け抜ける」です。
長らく乗馬のブログが更新できませんでした。というのも、ある壁にぶつかって、筆が進まなかったのです。
常足(なみあし)または軽速歩(けいはやあし)の状態から駈足(かけあし)にするには、鐙(あぶみ)で馬の腹をけって合図を出します。そうすると、馬は一歩目を踏み込むので大きく揺れた後に、加速度がかかります。そのために、自分の体が後ろにおいて行かれそうになります。落馬したくない気持ちから、合図を出すと同時に上半身が前屈みになってしまうのです。そうすると、馬は止まってしまいます。前屈みにならないように我慢すると、手綱(たづな)を引っ張ってしまい、やはり、馬は止まります。手綱を引っ張らない様にしようとすると、手元があがってしまい、手綱が緩むとやはり馬は止まってしまいます。この壁に数か月間悩みました。
先日、同じ馬(ダニーボーイ:通称ダニー)に乗っている女性の練習を見学していると、楽に発進されていました。おまけに、発進した直後に手綱を片手に持ち替えて、「お利口さん」といわんばかりに、余った手でダニーの首をポンポンと叩いているのです。身のこなしがしなやかで、上半身に余計な力が入っていないのが良く分かりました。乗っている人間の上半身が硬くなると、馬も走りにくいのです。それで、心の準備のためと急な発進を回避するために、掛け声をかけてみることにしました。馬に聞こえるように、何より自分自身に。「イチ、ニ、サン、シ」でポン(鐙で合図を出す)という具合です。そして、今日、スムーズに発進が出来るようになったのです!
この気持ち、子供の頃に、補助車を外してはじめて自転車に乗れた時と同じような感動でした。