新型コロナウイルス感染症⑨ 2021年を振り返って
日本内科学会雑誌2021年11月号の特集に『COVID-19パンデミック~二年を振り返る~』サブタイトル「COVID-19の終息にむけた光は見えているのでしょうか?」とありました。
この1年間の世界の国別新規感染者数の動向を表したグラフをお示しします。公平に比較できるように人口100万人当たりで表記されています。
世界に先駆けてワクチン接種を始めたアメリカとイギリスですが、新規感染者数は増減を繰り返しています。もっとも、ワクチンが無ければ、このグラフに収まらないような数になっていたと思いますが。また、全国民にほぼ強制的にワクチン接種を実施しているイスラエルでも新規感染者はコントロール出来ていません。ワクチンだけでは新型コロナウイルスを鎮静化出来ないことを明確に表しています。
一方、日本をはじめ、オーストラリア、ニュージーランド、台湾などは、相対的に新規患者数が少ないと言えます。これらの国に共通していることは、『島国』という地理的な条件ではないでしょうか。感染者が一人出ただけでもロックダウンをおこなったニュージーランドや、どの薬局に何枚マスクの在庫があるかスマホでチェックできるシステムをつくった台湾など、すべてが「お願いベース」的な日本と政策においてはかなり異なりますが、いずれも新規感染者数は低く抑えられています。つまり、政策の違いは、新規感染者数に大きな影響は無かったのではないでしょうか。それよりも、海外からの感染者の入国を食い止める水際対策が重要であることを物語っていると思います。
このグラフを見た時、「日本に生まれて良かった。」と思いました。日本国民も日本政府も良く頑張っているし、その成果がこのグラフに出ています。
サブタイトルの「COVID-19の終息にむけた光は見えているのでしょうか?」の答えは、どこにも書いてありませんでした。それが答なのでしょうね。
【追記】
イギリスが世界に先駆けてワクチン接種を開始しました。有効性も安全性も解らない、これまでのように卵の中で作ったものではなく、遺伝子操作で作った人工的なワクチンを、兎に角、何もしないより打ってみようと思う国民の勇気がスゴイと思いました。大英帝国だった頃の気質は今も引き継がれているんですね。