
2021年を振り返って③(ピロリ菌編)
昨年も大勢の方に当院をご利用頂きました。有難うございました。自分なりに2021年を振り返ってみようと思います。
1次除菌成功するも2年後に感染確認
2年前に1次除菌をおこない、尿素呼気試験で除菌成功を確認した方です。今回、便中ピロリ抗原が陽性と判明し、実は、1次除菌が不成功だったことが判明しました。除菌成功と診断された方の1~2%にこのような間違った判定が起こりえます。2次除菌をおこない、尿素呼気試験で除菌出来ていることを確認しました。1年後に便中ピロリ抗原でも確認する予定です。より正確な除菌判定を行うため、最近は、除菌判定を尿素呼気試験と便中ピロリ抗原の2種類でおこなうようにしています。
血中ピロリ抗体 9.0(ボーダーライン)
ピロリ抗体は10以上が陽性(感染/既往感染)です。10未満が陰性ということになりますが、当院では3~10の間は『ボーダーライン』として扱っています。確実に陰性と言えるのは3未満です。この方は、鏡検法でピロリ菌を認めなかったので、最終的にはピロリ菌陰性と判断しました。ボーダーラインの方は、過去のピロリ菌感染で、現在は抗体価が徐々に低下してきている時期と考えられます。
3次除菌成功
早期胃癌の内視鏡治療後に、胃がん再発予防目的でピロリ菌の除菌治療を受けられました。1次除菌、2次除菌ともに不成功に終わったため、3次除菌を受けられました。3次除菌はパリエット(40mg)とアモリン(2g)(分4)およびグレースビット(200mg)(分2)を1週間服用してもらいました。後日、尿素呼気試験で除菌出来たことを確認しています。